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わたしは

作者: きりよし




最近、一つ悩みがある。






私は、小さい時から「人間」が理解できなかった。

なんで笑うんだろう。なんで悲しむんだろう。

なんで怒るんだろう。



どうやったら怒った直ぐ後に笑えるんだろう。

心の中ではど本当はう思っているんだろう。

どうして簡単に「殺す」なんて言えるんだろう。




どうして、人が一人死んだくらいで泣くんだろう。

どうして、人が一人産まれたくらいで喜ぶんだろう。




中学生の時、おじいちゃんが亡くなった。

そのすぐ後に、おじさんも亡くなった。



葬式では、泣いている人が多かった。

泣かなかった人も、暗い顔をしていた。




それが、理解することが出来なかった。




転校してすぐ、いじめが始まった。

なんてことはない、ただ囲まれて暴行されたり、

暴言を言われたり、無視や物を壊されたくらいだった。




私は何も感じなかったが、その代わりの様に怒っていた子がいた


暴行されている時は、止めようとした

暴言を言われている時は、褒めようとした

物を壊された時は、貸してくれた




「あの子」は、私を守ろうといていた




だけど、それは無理だった



止めようとしても、止めることが出来なかった

褒めようとしても、喋ることが出来なかった

貸そうとしても、貸すことが出来なかった






その日々が続いた


その状態が、ずっと続いた



あの日は、土砂降りの雨だった


「あの子」は自殺してしまった


自分を憎んでいる様に、何度もナイフを自分に刺していた


何度も、何度も、死ぬ瞬間まで






「あの子」が死んで、心に穴が空いたようだった


やっと解ることが出来た





「あの子」は、私だったんだ

「あの子」は、私の「心」だったんだ








ただ、自分を守ろうとし続けた、自分自身だったんだ











最近、一つ悩みがある。




あの時、あの日、死んでしまった自分自身に


「ありがとう」と、私は言えるだろうか


「あの子」の様に、誰かを守ることが出来るだろうか



私はずっと、悩んでいる

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― 新着の感想 ―
[良い点] 引きずっている感。変わったかどうかの結論が出るのはまだ先になりそうですね。 [気になる点] あの子が、この物語的に実在する存在であったのか、幻であったのか、心が砕けた、的な暗喩なのか、など…
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