拙者の刀 蛇尾丸が叫ぶ。
あんまり歴史に詳しくないのですが、自分の思う侍やその時代では
こんな風だったんじゃないかと書いた作品です。
拙者は 『田畠 幸之進』 元侍である。今は用心棒だ!
そして相棒の 『蛇尾丸』 とは拙者の刀の名前である。
蛇尾丸の名前の由来はこの刀を作った職人の名前 【蛇】
と言う一字をもらって付けた名だ。
拙者は、どれだけの人間の命をこの蛇尾丸で奪ったのであろうか。
だから拙者はもう人を殺めないと心に強く決めたのである。
しかし、この時代では弱い者は強い者に従い殺されても仕方がない
そんな時代なので侍は刀の切れ味を見たいがために農民(百姓)を
殺す者もいるぐらい荒んでいる。
◆◇◆◇
ある時......?
酒場で侍2人が浴びるようにお酒を飲んでいる。たまたまそこを農民が
横切っただけだった。
『そこの者 侍の目の前を横切るとは? なんて無礼な!』
『すみません。急いでいたので気づきませんでした。お許しくだせーい!』
『許さぬ! 無礼をしたのだこの刀で切られても 仕方なかろう』
『どうか~どうか~お許しください! だからオラを切らないでくだせーい』
『ダメだ! だめだ! 許さぬ!』
侍の1人が刀を農民に向けて大きく振りかざそうとした瞬間!?
『やめぬか! この者は何もしていないじゃないか!』
『お主? 何者だ!?』
『拙者の名は田畠 幸之進、そしてこの刀は蛇尾丸。』
『なに!? あの有名な 【人きり用心棒の田畠】 なのか?』
『そうだ! 拙者に免じてここは穏便にしてくれ!』
『わわ...わかった! 行くぞ~』
『お.おぅぅっ』
農民が田畠に頭を地面にこすりつけるほど土下座して何度も何度も
お礼を言った。
『本当にありがとうございましたありがとうございました』
『いいのだ! お前さんが無事で良かったよ~』
『もし あの時オラがあの侍に切られていたら? まだ小さな赤子や
おっ母が途方に暮れてしまう。だから本当にありがとうございました。』
『もう泣くな! 男だろ~』
『ありがとうございました なんてお礼をすれば......』
『礼はいい! お前さんも大変であろう。家族を大切にしろよ~』
『ありがとうございました この御恩は一緒忘れません!』
『もう良い! はよ~家に帰れ』
『は.はい。ありがたやーありがたやー』
そう言って帰って行きました。これは稀な事です。ほとんどはそのまま
刀のキレ味と言う名目で殺されてしまうからです。
身分の低い人間は 『人間扱い』 されないのです。
田畠 幸之進は表向きは用心棒ですが、弱い者を助ける為に旅を続けて
この世界を変えたいのです。この刀 【蛇尾丸】 が叫んでいます。
『この世界を変えてくれ』
『もう 無駄に人を切るな!』
『お前には 心はないのか?』
『血を流すな!』
『愛する者の為に おれを必要としろ!』
『おれは無駄に人を切る為の刀じゃなく人を助ける為の刀でありたいのだ!』
『おれと共に生きよ 田畠 幸之進』
そんな声が蛇尾丸から聞こえる。田畠 幸之進は1人、旅を続ける平和のために
弱い者を守るために! この世界を変えるために......。
孤独の果てに辿り着く場所へ。
最後までお読みいただきありがとうございました。




