表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

ピクニックってゴブリンの巣でやるもんじゃねえだろ!?

「ぜっ……ぜっ……くっそー、なんだったオレがこんな目に……」


 村長に騙されて出発すること二時間。


 オレは目的地の『北の山』を登っている最中だった。


 ほとんど木の生えていない殺風景な山だ。


 しかも道らしき道がない上に急勾配きゅうこうばいなんで登りにくいったらない。


 ロッククライミングみたいになりながらオレは必死に頂上を目指していた。


「ぜっ……ぜっ……くくく……あのクソ女勇者、ぜってぶっ飛ばす。村長もぶっ飛ばす。ふたりまとめてドラム缶につめて海に放り捨ててやる……くくくくく……」


 疲れと酸欠のせいでちょっとおかしくなりはじめているオレ。


 そのとき。


「こんにちはー!」


「うわ!?」


 いきなり耳元で声が聞こえて、オレはびっくりして手を離してしまった。


 もちろん、落ちた。


「どわああああああああああああああ!」


 ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!


 急斜面をころがり落ちるオレ。


 ああっ、せっかくあそこまで登ったのに!


 ドカン!


「がふっ!」


 ようやく下の方の岩に激突して止まった。


「うおおおおおおおおおお……こ、後頭部打った……頭のなかに星が見えるぜ……!」


「あはははは。大丈夫ですかぁ?」


 さっきと同じ女の声。


 ん? この声はまさか……


「てめえ! クソ女勇者!」


「どーもー!」


 顔を上げると、妖精みたいに小さくて羽の生えたあの性悪女勇者が目の前を飛んでいた。


「あなたのことが心配だから、こうして幻を送って様子を見に来てあげたんですよ。私の優しさに感謝してくださいね」


「アホか! どの口が言いやがる! お前のせいでこんな目にあってるんだろうが! いーからオレを元の姿と元の世界に戻せ!」


「今日はいいお天気ですねー」


「ごまかすな!」


「こんな日はのんびりピクニックにでも行きたいですよねー」


「聞けよ! つーか今のオレの状況が見えねーのか!? こちとら命がけのピクニックの最中だぞコラ!」


「あっ、ほらほら、あの雲ドーナッツみたいな形してますよ?」


「聞けええええええええええええええええええ!」


 ぐうううううううううう!


 こいつには優しさとかそういう感情はないのかよ!?


 どんな勇者だよ、マジで……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ