2015/8/18
引っ越してまだ日が浅く、近隣の住人ともまだ馴染めない。
まず都会の人は近隣と仲良くしようと思うのだろうか。
都会の空気も初めてで、都会の人間も初めてで、なにもかも掴めなくて疲れる。
でも少し騒がしい深夜の街が好きで、よく夜を徘徊した。
そんなときに高層ビルを周囲に広げた神社を発見した。
建物に苦しく囲まれて、誰からも忘れられたみたいに神社は座っていた。
人が通らない上に来ないので、いつしか自分の癒しスポットになっていた。
僕のお気に入りスペースは自神社の裏側、少しの樹木とコンクリートの少しの隙間にである。
ここに滑り込むと自分がどこにもいないみたいで心地よかった。
この神社裏で吸うたばこがなによりうまかった。
すこしだけ人の圧力の軽い空気、生ぬるい夏の風、外側で光る街灯。
このまま僕は溶けていけばいいのに。
なにもかもが気持ちよかった。