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好きな人

noowbowさんよら

リクエストいただきました。


まろとか、まろとか、まろとか…w


ですよね…?


リクエストありがとうございました!

 視点:まろ



 綺麗な虹がかかった魔力マングローブの水をじょうろですくい、庭の薬草に水をあげる。雨が降った訳ではないけれど、水が流れている為にここではよく虹を見ることができる。

 その横で水を飲んでいる鶏とモーを見ると、なんとなくすさんだ心が落ち着くのである。



「魔力マングローブの水をあげてる植物も、それを飲んでる動物も。実はその恩恵があるなんて、ひなみもイクルも気付いて無いんなろうなぁ…」



 自分でも一口飲めば、とても冷たい水が喉を潤した。そして感じるのは、とても澄んだ魔力。

 植物に与えれば成長が良く、効能も上がる。動物が飲めば、抵抗力があがり、病気などに掛かりにくくなる。人間が飲んだ場合はどうなるかわからないが、まぁ悪いことにはならないだろう。

 私が庭の薬草に水をあげて、ひなみが屋上のハーブに水をあげる。



 今日も穏やかに、1日がはじまるのである!





 ◇ ◇ ◇



「ひ〜なみ〜♪ 何してるの?」



 コンコンとドアをノックして、同時にひなみの部屋へと踏み込む。驚いてくれるかと思ったけれど、慣れてしまったのかそんなに驚いては貰えなかった。残念なのである。

 机に向かって何かを書いているひなみの横へ行けば、ひなみとは思えない程の素早さで何かを書き記していた本を閉じられた。

 腰のあたりまで伸びた綺麗な髪は、日本人の黒というよりはこげ茶に近い。服装を見て、相変わらずワンピース率が高いと思いつつも、どうせリグリス様の趣味なので気にしない。



「部屋に入るのは、中の人の返事を待ってからだよ! びっくりしたなぁ…」

「ごめんなのである! 何してたの?」



 さらりと謝り、何を書いてたのか覗こうとしたがひなみの手に阻まれる。

 その顔は若干赤くなっていて、なんだか気になってしまう。

 そもそも、リグリス様はひなみのことが好きだけど…ひなみはリグリス様のことを好きなのだろうか? ここにきて自分の主人の片思いであったなら…ちょっとどころか大分痛いリグリス様になってしまうのである!



「ひみつ、秘密だよ! これは、とっても大切な日記なんだ。だから、まろでも見せてあげられないんだ。ごめんね?」

「えぇ… 残念なのである」



 割と何でも許してくれるひなみが、大切そうに日記を胸に抱えて取られないようにしている。これはリグリス様、期待大!? 私はちょっといたずらっぽい笑みを浮かべながら、ひなみの背後に回って抱きついた。とは言え、背がたりないのでしがみついている感があるけれども!



「ひなみの好きな人って、誰なのである!?」

「え? えっえっえぇぇっ!?」

「イクル? それとも、お店用の服をくれた神様? あ、もしかして玉の輿を狙ってアルフレッド様だ!!」



 にやりとひなみを下から覗き込めば、顔を赤くして「好きな人なんていないよ〜!」と慌てふためいている。ふふ、この反応を見るに好きな人は絶対いるのである! 問題は、それがリグリス様か否か。ここでそれを聞き出せば、リグリス様から褒美のひとつも貰える…ん? でも、もしリグリス様じゃなかった場合はリグリス様が面倒臭そうだから聞き出さない方がいいかな…。うん、聞かない方がきっといいのである!



「ちなみに、まろはイクルが好きだよ!」

「えっ! そうなのっ!?」

「うっそぴょーん! なのである!」

「ちょ、まろっ!!」



 ひなみはからかうと面白いのであるっ!!

 そのまま部屋を後にして、庭の手入れをしているイクルにタックルをかましておいた。



 いやぁ、今日も平和なのである。

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