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【もしも話】甘えたがり

ルビーとぼくさん

よりリクエスト頂きました。


ひなみと、神様の、新婚設定のお話

これはもしもの設定ですので、本編とはリンクしていません。


なんだか書いてて恥ずかしい!笑

神様って皆さんに嫌われてると思ってたんですけどそうでもないんですかね??


リクエストありがとうございました!

 トントントン。

 窓から差し込む心地良い朝日に、包丁の音。そこに小鳥の声も入り、なんだか自然のオーケストラが開催されている様な気分になる。



「ひな、卵とって来たよ」

「あっ! ありがとう、リグ」



 私はリグから卵を受け取り、温めておいたフライパンで目玉焼きを作る。

 今日の朝食は、目玉焼きと大根のお味噌汁に、ベーコン。

 2人で席につけば、またいつもの日常が始まる。







 ◇ ◇ ◇



「ひな、俺と結婚してくれませんか?」



 この〈レティスリール〉に来て5年と少したった時、神様が私の前に現れた。

 プロポーズの言葉と共に。



「神様…」

「好きだよ、ひな」



 予想していなかった展開にとまどい、心臓の音が高鳴って、まるで自分では無い様だ。まさかの神様の告白は、私にはとても勿体無い。

 だから、私は普段の何倍も小さい声でしか応えることが出来なかった。



「わたしも、すき…です」







 ◇ ◇ ◇



 私達の新婚生活は、森の家ではじまった。てっきり私がリグの所へ行くものだと思っていたけれど、こちらの環境の方が私に負担が少ないから、と。うぅ、優しすぎです。

 イクルは春と旅に出たので、2人で生活を始めるには丁度良かった。

 そして私は神様のことを、名前で…リグと呼び始めた。ただ、敬語になってしまうのはなかなかやめられないのです。



「ひな、仕事に行ってくるね」

「はい、気を付けて下さいね。いってらっしゃい!」



 と、そんなことを考えていれば良い時間で。リグの仕事はやっぱり神様で、レティスリールとは別の場所へ出勤…? する。ちなみに何をしているのかは、いまいち難しくてあまり分からない。ざっくり言うと、世界を管理しているらしい。

 私の頬にひとつキスをして、「もっと一緒にいたい、行きたくない」と抱きしめてくる。しかし私に促されて、転移魔法で仕事へ行くリグ。毎日こんな感じなのです。私は、回復薬(ポーション)を作ったりしつつ家のことをする。

 そしてまた、リグが帰ってくればお帰りなさいと伝えて、いつもの1日が終わる。





「んぅ…?」

「ひな、眠い?」



 昼間に家の仕事をして、夕飯の支度をして、それから…の、記憶が。あぁ、思い出した。ソファーに座っていたらうとうとして、そのまま寝てしまった様だ。帰ってきたリグが隣に腰掛けて私の顔をのぞいていた。



「おかえりなさぃ… ごめんなさい、うとうとしてて」

「ん、まだ寝ててもいいよ?」

「大丈夫、起きます。って、わっ!」



 起きようとして、リグにひっぱられてその胸の中に収まった。

 わわわ、びっくりした。ぎゅっと抱きしめられて、背中を撫でられる。やめて、気持ち良くてまた寝てしまいそうです。



「リグ、夕飯作るよ?」

「うん。でもあと少しこのまま、ね?」



 夕飯作りをさらりと却下された。

 リグはかなりの甘えたがり? で、私にくっついていることが多い。でも、まだちょっと慣れないかな。どきどきします。



 そしてそのままうとうとして、再度眠りに落ちたのは言うまでも無いかもしれない。





「はっ!?」

「あ、起きた。おはよ、ひな」

「ねねねねちゃった!? ごめんなさい…」



 目が覚めた時、変わらずリグの顔が最初に飛び込んできた。背中を撫でられて、寝てしまったんだ。

 やっちまったー! と心で叫びながら謝罪するが、リグは私に笑顔を向けるだけ。そして頭を撫でられる。とてつもなく甘やかされています…! そのまま髪に、頬にキスをされて。私は玩具なのに、こんなに大切にされてていいのかなと、思ってしまうほど。



「夕飯、一緒に作ろうか。ひな、お腹すいたでしょ?」

「ん、とっても…」



 恥ずかしくなりつつも、お腹はぺこぺこなので素直に頷く。

 でも、こんな何気ない日常が幸せで大好きなのです。

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