流れ星への願い事
せくらさんからリクエストいただきました!
リグ様とひなみちゃんのらぶらぶ
ですー
糖分高いかな? あ、いつもか…
甘いのが苦手な方はご注意を。。。
もうひとつのリクエストは、3章の本編にでるのですみませぬぬぬ。あ、本編後にかけばいいのか! そうしますね!
「あ、流れ星だ……!」
確か3回願いを唱えることができれば、それが叶うとかかなわないとか。
けど、あんな一瞬の光じゃ願い事が一文字だったとしても無理だろうなと思う。
……でも、私の一生の願い事はとっくに叶ってしまった。だから、いまさら星に願うことなんて何もない。
屋上で空を見上げて、大きく深呼吸をひとつ。満点の星空は、空にある花畑のよう。
「日本にいたころは、ここまですごい星空なんてなかったからなぁ……」
だから、割と頻繁に星を見てしまう。
高いところから見下ろす街のネオンも綺麗だけれど、それとは次元が違う綺麗さだ。
まるで飽きない空の花畑は、いつも私を楽しませてくれる。
泣きたくなったときも、見ていれば心が落ち着く。
「……あっ!」
日本のことを考えたせいか、少し心が寂しくなって。でも、そう思ったのは一瞬だった。
私の髪を束ねていたリボンが解けて、指輪として私の右手の小指におさまったから。
寝る以外に指輪になるときなんて、私はひとつしかしらない。
どきどきしながら優しい声を待てば、それはすぐ私のなかに届いた。
『……ひな』
「はい、神様。今日も星が綺麗です」
『うん。綺麗だね……僕もひなの隣で一緒に見たいけど、そう簡単にそちらには行けないから。ごめんね』
「いえ、そんな……! 気にしないでください」
一緒に見たいという神様の気持ちだけで、私は十分すぎるほど満たされます。
神様だって、きっと忙しいはずなのに……いつも私を気にかけてくれる。どういったお仕事をしているのかはわからないけれど、大変なのだろうなと思う。
『あ、流れ星』
「本当だっ!」
『ひなは、流れ星に願い事はないの?』
あ、神様もそういう話を知っているんだ。
そう思うと、何だか近くにいる気がして少し嬉しい。
やっぱり神様と人間では、いろいろなものが違うのだろうと思う。生活環境とか、考えかたとか、必要なものとか。
でも。
願い事を叶うなら、ひとつしかなかったのだけれど。
もうひとつ、願い事ができてしまった。
「私の願い事は、神様が叶えてくれました」
『あぁ、花ちゃんね。……でも、ひな自身にだって願うことはあるでしょう?』
「……」
『まぁ、無理矢理こんなところに連れてきてしまった僕が言えるものではないけれど』
少し寂しそうな神様の声に、私は「そんなことないです」と首を振る。
最初は、すごいとまどったけれど。今はここでの生活に慣れて、楽しいし充実もしている。
「でも、私……もうひとつだけ願い事ができたんです」
『もうひとつ?』
「……はい」
夜風に髪が少しだけなびいて、それを指に絡めてくるくるする。
少し、恥ずかしいと思ってしまったから。
「私は、もうひとつ願いが叶うのであれば……神様に幸せになって欲しい、です」
『……ひな』
「…………」
は、はずかしいっ!
言ってしまった。こんな恥ずかしいことをご本人に言ってしまいましたよ‼︎
きっとこのロマンチックな星空がいけないんだ。星のせいにしなければ、恥ずかしくて死んでしまいそう。
手すりに腕を乗せて、そこに顔をうずめる。今の私、絶対に変な顔をしているから。
『……もう。ひなには敵わないなぁ』
「うぅ……」
『すごい嬉しい。ありがとう、ひな』
響いていた神様の声が、甘さを増した。とろけてしまいそうな声に、どきどきとする音が自分のものではないみたい。
「……私、お役に立てるように頑張ります」
『……うん。はやく僕のところまできてね?』
「神様のところ……? はい、いきますね!」
どうやって行くのかはわからないけれど、神様のところに行けるのであれば……それは嬉しいかもしれない。
花を助けてもらった恩だって、全然返せているとは思えない。甘やかされて、むしろ恩が増えているとさえ思うのに。
今日も星が綺麗ですね、神様。
そう言って、2人で笑った。
花「あ、流れ星だああぁぁぁ!」
ひなみ「願い事を言わないとっ!」
花「ひなに彼氏ができますように!」
ひなみ「花の病気が治りますように!」
ひなみ&花「「!?」」
ひなみ「ちょ、何その願い事‼︎」
花「そっちこそ! ひなは私のことばっかりじゃなくて、自分を大事にしてくれる人も作るべき!」
ひなみ「ななななな!」
花「ひなは可愛いのにシスコンだから……いや、それも嬉しいけどね!」
そんな少し前のふたり。




