表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/27

リグリスの観察

ミッチッチさんからリクエストです!


一匹狼な修行中イクルと、珍しくイクルを観察していたリグ様コメント


これってリグリス視点でいいんですよね…?

しかしちょいちょいひなみ大好きコメントが混ざっています。通報はお控えいただけると助かります。

 視点:リグリス



 ひなが寝たのを確認して、交換日記の返事を綴る。2年以上も日課になっているこれは、飽きるところを知らない。

 そんなときに、ひなの箱庭に少しのぶれ(・・)が生じる。

 ちらりと視線を向ければ、思っていた通りで。



「あぁ、今夜も抜けだすんだ……」



 まぁ、そうだね。

 レベル上げはいいことだよね。

 ひなの呪奴隷になったイクルを見て、これから先のことを考える。

 ひなには、たくさんの試練がこれからもあるだろう。まずは〈アグディス〉でのレティスリール探し。

 その次は、特に順番を決めてはいないけれど……ひなは何をしてくれるんだろうね。

 魔王の討伐はまぁ、無理だろう。一生かけても無理だと思ってるなんて、ひなには言えないけれど。

 そんなことを考えて、イクルに目を向けて見ればいつの間にかレッドウルフと対峙していた。



「うん、動きはいいんだよね」



 ただちょっと力不足なだけで。

 スピードはレベルを考えればかなりいい、かな?

 踊るように根を使い、レッドウルフを次々といなしていって止めをさす。その動きにはほとんど無駄がなく、綺麗だと言ってもいい。

 さすがは彼の愛弟子だなと思いつつ、もう少しパワーがあればなぁと再度残念に思う。



「風との相性もいいし、魔物の索敵能力もいいかな。判断も冷静だし、勝てる勝てないの判断も正確か……」



 移動しているところを見て、そのルートの選択に関心する。

 20匹のレッドウルフの群れも少し歩いたところにいるけれど、彼はしっかりと逆方面にいる5匹のレッドウルフへと向かった。

 気配を殺しながらゆっくりと魔物へ近づいて、可能な限り強襲を行うスタイル。

 うん、悪くはない。



「呪奴隷の契約期間は5年、か。長いなぁ……そんな長い間ひなのところにいるなんて」



 もやもやする心に蓋をしつつ、それでも。

 まぁ……彼が少しでもひなを色の入った目で見たら、容赦はしないけれどね。



 追加で現れたレッドウルフ3匹を棍で捌き、確実に1匹づつ仕留めていく。

 大雑把なものより全然いい戦闘スタイルは、まろにも見習わせたほうがいいと思うんだけど……きっと無理だろうな。

 ひなは別に強くならくていいし。まぁ、最低限っていうところはあるけれど。



「あ、レッドウルフの群れが移動してる。数は……15か。少しきついと思うけど、どうするんだろう」



 イクルの進行方向からやってくるのは、新たなレッドウルフの群れ15匹。

 どうするのかなと傍観をしていれば、棍を地面へと突き立て一気に振り上げた。一瞬にして現れたのは炎の龍。



「あ、いつものより強い龍だ。結構力を込めたみたいだねぇ……」



 レッドウルフへ向かった龍は、3匹をまとめて炎につつみ消滅させた。

 12匹へと減りはしたが、それでも速度を落とさないレッドウルフは眼前に迫る。



「……ぷっ、そんなことするんだ」



 思わず、彼のとった行動に笑いがこぼれてしまった。

 もう1度、地面に棍を立てて龍を繰り出すのかと思えば……風の力を利用して大きな落とし穴を作り上げた。

 勢いあまったレッドウルフの3匹がその穴に落ちて、向かってくるのは9匹へと数を減らした。



「なるほどね。自分が勝てる数を把握し、そこまでそげ落す……か。うん、有用な作戦だよね」



 くるりと手首で棍を回し、炎の龍を出しつつも同時にレッドウルフへと一撃を入れる。

 彼の戦闘は、一言で言えば器用、なのだろう。洗練されているその動きには、無駄がない。

 多少攻撃を受けてはきたけれど、15分程で全滅させたのだから上々だろう。



 そろそろ戻らないと朝になってしまうけれど、どうするのかな。

 付近には丁度いいレッドウルフの群れがいるが、それを倒してからの帰宅では多少遅くなってしまうだろう。

 まぁ、ひなは寝てると思うけれどもしもという場合もある。



「あ、帰るんだ。もう少し頑張るのかと思ったけど……ふぅん。変にがめついよりは、いいね」



 珍しく他人を見て、まぁ……今日はよかったかな?

 ひなが俺のところにくるまで、頑張って護ってもらわないと困るからね。

ひなみ「あれ、イクル眠そうだね?」

イクル「んー……別に大丈夫だよ」

まろ「昨日は夜中に少しだけ雷が鳴ってたから、イクルは怖くて眠れなかったのであるっ!(嘘)」

ひなみ「えっ⁉︎ そうだったの? 起こしてくれてよかったのに……」

イクル「ひなみ様、夜中は普通に星が綺麗に見える晴れだったけど」

まろ「てへぺろっ」

イクル「まろご飯抜きね」

ひなみ「えっ⁉︎」

まろ「ガ━━━Σ(・ω・;)━━━━ン 」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ