燃えと萌えはイコールです!
TakayaⅡさんにリクエストいただきました!
【イクルの服完成】で、「お姉さん曰く、イクルの服作りが楽しくて作り過ぎてしまったらしい。」
そんなイクルに萌え(燃え?)てる作り過ぎてしまう過程が読んでみたいです!
イコール、私の萌えポイントを暴露した話になってしまったのは内緒なのですよ……!
楽しんでいただけると嬉しいです!
ありがとうございます〜!
視点:シャンティ
私はこの〈ラリール王国〉で服屋を営む女店主。私と1人の従業員できりもりし
ている、小さなお店。
メインは冒険者が着る服。防具類も少しはあるけれど、得意なのは糸に魔力を込めて服を織りなすこと。
今はオーダーメイドで請け負った服を作っているのだけれど……正直に楽しすぎて仕方がない。
「たしか、イクルさんって言ったかしら。呪奴隷だけど、それはイコール罪を償っている最中ってわけだし……いい男ねぇ」
新しい糸を取り出して、魔道具へとセットして魔力を込めていく。
絶対にほつれないように、すべての攻撃に耐えられるように、あたたかくつつんでくれるように。
魔力が染み渡った糸で洋服を縫って、布と糸が絡み合えばきらきらと光が弾ける。
「うんうん、いい感じ! 彼は冒険者としてもそこそこできそうだったし……腰の部分に紐を装飾して、アクロバティックな動きをしたときにラインが綺麗に見えるようにしようっと‼︎」
うふふ、すっっごーく楽しい!
いつも作る服は、やっぱり冒険者だけあってゴツい物が多い。
かといって、魔術師や回復術師では戦うための服ではなく護るための服になる。
そうよ、私は戦うための服が作りたいの!
戦ったときのシルエットや、いかに快適に戦えるか……それはすべて服にかかっていると言っても過言ではないのよ!
「腰には取り外しができるタイプのポーチと、あとは腰の部分に細工をして……」
うんうん、これはかなりの力作ね!
武器は棍だったはずだから……背中か腰あたりに付けられるようにしておくといいかもしれない。
ここをどれだけ自然に見せるかが腕の見せ所ねっ! ふふ、燃えて萌えるわ!
「あ、せっかくだから裏地にもこだわろうっと。隠しポケットもあるといいわね。あとはここの布も2重にして、あ、こっちきは紐を……」
いつもより倍のスピードで服を作って、しかし出来はかなりいい。
私って天才! そう自画自賛しつつ、マネキンに服を着せる。
「うぅん、いいわー! っと、大事なこと忘れるところだった」
マネキンに着せた服を上半身部分だけくつろげて、腰の位置まで下ろす。
「これよ! この服の魅力のすべてが詰まってると言ってもいいわ!」
上半身部分だけ脱いで、腰にまとわらせておくことが出来るのです!
上半身は裸でもいいし、黒いタンクトップタイプを1枚着込んでいてもいいわね!
あぁ、やばい見たい‼︎ 引き取りに来てくれた当日にちゃんと試着してくれるかしら……不安だわ!
「でも、我ながらいい出来!」
満足すぎて、どうしよう。
「はっ! 閃いたわ‼︎ タンクトップタイプの私服を大量に作って渡しておけばいいんだわ!」
なんて名案なのかしら‼︎
黒いタンクトップ、絶対似合う!
「いやらしくならない程度に刺繍をして、裾が長いタイプと短いタイプもあったほうがいいわね⁉︎」
そうと決まればこうしちゃいられない!
新しく金色の糸を取り出して、魔道具へとセットする。
「はっ! タートルネックタイプもいいかもしれないわ! 冬にはあったほうがいいし、ちらりと上着の下に見えるタートルネックは武器になるわ‼︎」
こうしてはいられない!
今夜は寝ている暇なんてないのだわ!
こうして今日も、シャンティの服屋は元気に営業中です!
リグリス「ひなの服には隠しアイテムを仕込むしかない…!」
まろ「私の服は?」
リグリス「まろは本体うさぎだし、服はそんなにこだわらなくていいよ」
まろ「ガ━━━Σ(・ω・;)━━━━ン 」




