まろのお留守番奮闘記
canさんよりリクエストです!
まろのお留守番奮闘記
です!
どうだろう、なんだか冒険者の人とのやりとりみたいな回になってしまった……!
ともあれリクエストありがとうございました!
2つ以上リクエストくれた方の2個目以降はすべての更新が終わったら更新する予定ですのでしばしお待ちいただければと思います〜!
視点:まろ
むむむむん。
ひなみとイクルが〈アグディス〉へと旅立ち3日。私、まろは絶賛暇をもてあましているのである。
お店番を任せられているので1日中暇というわけではないのだけれども、寂しい
「こうなったら、がんばって営業をするしかないのである!」
ふふ、目指すのはこのひなみの箱庭の看板娘!
ひなみ以上に知名度をあげて、お客さんにお菓子をいっぱいもらうのである。
と、いうわけで。私は朝からお店の開店準備をしているのです。とはいても、回復薬を棚に並べるだけなので簡単。
お店のドアにオープンの看板をだして、いざ出陣!あ、お店から出ると雪うさぎになっちゃうのでドアからでないように注意したよ!
「ちわっすー! 回復薬くれ。お、今日もまろちゃんが店番か!」
「お、お兄さん昨日に続いて今日もありがとー」
「おう。ほら、お土産のお菓子だ」
「やったー!」
昨日もきてくれた冒険者のお兄さんが、お土産にお菓子をくれた。ふふ、人気者は辛いのである。お兄ちゃん、お菓子くらいじゃ私はなびかないのであるっ! 残念だったのである。でもお菓子はもらってあげるのである。
「今日は何が必要?」
「体力回復薬を5個くれ」
「はーい。というか、お兄さんはソロなの?」
回復薬を用意して、なんだか消費の多いお兄さんだなと心配になる。確か昨日は7個買っていってくれたはず。
大きく頷く姿を見て、やっぱりなーと思いつつ大丈夫なのかなぁと思う。
普通、ソロの人は自分にあった狩り場を選ぶから回復薬をあまり使わないんだけどなぁ。絶対無理してるんじゃないかと心配になるけれど、まぁ回復薬を買ってくれる分にはこっちが儲かるからいいのかな?
看板娘は売り上げにもシビアなのもなのであるっ!
「おう。実は兄貴がいるんだけど、俺が弱くてな。一緒に冒険するにはレベルが足りないからちょっと頑張ってるんだ」
「そうなんだ。お兄さんはお兄さんと狩りをしたいんだね!」
「おう。お兄さんって呼ぶけど、俺はまだ19だぞ!」
「えっ! 25くらいだと思っていたのである……」
ガーン! と、効果音がついたような顔をされてお兄さんが肩を落とす。
ごめんよ、ひなみの箱庭の看板娘は正直者なのです。心の中でお兄さんにごめんねをしつつ、そんなお兄さんを虜にしてしまう私は罪深いのであるっ!
「とりあえず、はいこれ。香りの花魔法も1個おまけであげる。夜に使ってみるといいのであるっ!」
「おおぉぉ! ありがとう、嬉しいぜ! でも、こんないい物をもらっていいのか?」
「いいのである! 手作りだから大事にするのである!」
「あぁ、大事に飾っとくぜ!」
「…………」
え、飾るの? 使ってと言ったのにおかしいな。まぁいいかと思いつつ、代金を受け取って体力回復薬を手渡す。
明日も買いにくるのだろうかと考えていれば、先手必勝といわんばかりに「明日もこの時間にくるからよろしくな!」と言われた。
もう少し怪我をしない努力をして欲しいと思うのだけれども、まいどありと心でそっと先にお礼を言っておく。
「じゃぁ、また明日な!」
「はーい。ありがとうございました!」
冒険に行くお兄さんを見送って、ふうと一息。
明日は何のお菓子をもってきてくれるかなーと考えていたけれど、お兄さんは1時間後に回復薬補充のためにやってきたのである。
狩り場かえれと思ったのは内緒なのである。
リグリス「まろ……罪作りな子」
まろ「えっ!」
リグリス「まろを好きなんて、あの少年はロリコンだね」
まろ「えええっ!」




