まろVSイクル
海月涼さんリクエストですっ!
こないだの空飛ぶ不思議な芋の時のまろVSイクルなんてどうでしょう?やっばりマロニウムは必要栄養素です(笑)
あんまり空を飛んでる感がでませんでしたごめんなさい。
そしてどっちかというとシリアスっぽくなってしまいましたが大丈夫でしたでしょうか……
海月さん以上にまろを愛してくれてる人はいませんね!
なんて幸せ者なんだまろよ……!
視点:まろ
ふよふよ。
白を基調にしたワンピースが風になびいて、私の身体は宙に浮く。
少し高い位置から見るひなみの箱庭は、リグリス様の鳥籠のよう。
「……まろ、何やってんのさ」
「あ、イクル! 空を飛んでいるのであるっ!」
「芋ばっかり食べて……」
お得意の呆れ顔イクル。
空を飛ぶのって、楽しいと思うんだけどなぁ。
ふよふよ浮きつつ、そろそろサツマモの効果が切れそうだと追加でぱくり。このサツマモという芋は、食べると空を飛ぶことができる優れもの。
生でもいけるのが嬉しいポイント。
「……イクルって、夜中にレベルあげしてるけどひなみには内緒なの?」
「……別に。ひなみ様に心配をかけたくないだけだよ」
「ふぅん……?」
こっそり家を抜け出して、イクルがこっそりレベル上げをしているのは知っている。
それはひなみを護るために必要なことだし、別に止めたりひなみに言う気もない。
私は、〈レティスリール〉に来てから、ひなみの家にきてからよくイクルを観察した。ひなみが唯一側に置く存在だから。
まぁ、今は私も仲間に入れてもらっているから唯一ではないけれど。
「じゃあ、どれくらい強くなったかみてあげようか」
「……何、俺とやろうって言うの?」
「…………そうなのであるっ‼︎」
言うが否や、氷の塊を作り出してイクル目掛けて投げつける。一瞬驚いた顔をしたイクルは、それでも冷静に後ろへ飛び退いた。
ひなみだったら絶対に当たってたそれが、地面に穴をあけた。
「……っ! 体術⁉︎」
「そうなのであるっ! 素手のイクルに氷をぶつけるのはちょっと可哀想だからっ!」
「何を、っ!」
宙に浮いた私の身体は、風のように動き回ることができる。くるんと一回転して、イクルの背後から蹴りを入れようとして……寸でのところで止められる。
さすがは護衛の呪奴隷、攻撃魔法が使えないっていうのは伊達じゃないのであるっ!
「まだまだなのであるっ! それじゃあひなみは護れないのであるっ‼︎」
「くっ! さすが雪うさぎ、すばしっこいね……っ!」
「私とイクルはスピード重視のスタイルだけど……速さでは負けないのであるっ!」
そのまま宙を蹴って、加速しながらイクルへと向かう。
拳を繰り出せば、軽くイクルの左手で流される。その反動でイクルの肩に手をかけて、素早く身体を回転させて態勢を整える。
正面を向いたところで、イクルの蹴りが私へ一直線に降りてくる。それは私の肩にあたる、が。その蹴りと同じスピードで身体を沈ませればダメージにはならない。
後手を地面について、勢いよく身体を浮かせてイクルへ一撃を入れる。
「思ってたよりは強いけど、私のほうが強いのであるっ!」
「はっ……、何あたり前のこと言ってるのさ」
「むむっ!」
「精霊になるほどの雪うさぎに、俺が敵うわけないだろ? 相手との実力差くらい、わかってるつもりだよ」
やれやれと呆れるイクルだけれど、その瞳に悔しさが浮かんでいることくらいはわかる。
そういえば、イクルは冷静に分析できるといことも大きな武器だ。
そこそこ強いけど、イクルの強さは中堅の冒険者に少し届かないくらい。でもそこにイクルの冷静な判断を足せば……能力的には中堅の冒険者を少し超えるくらい。
ちなみに私は上級以上なのであるっ! ひなみは、言わずもがな。
「……ようし、そんな健気なイクルには! 特別に私が特訓してあげるのであるー‼︎」
「は? いらないし」
「がーん! でもやったもん勝ちであるっ!」
いらないと言うイクルに向かって氷の塊を作り出して、思いっきり投げつける。
ちょっと顔が引きつっている気がするけど、そんなのは気にしないのであるっ‼︎
「覚悟するのである〜!」
「ちょ、このっ!」
どこどこ氷の塊を投げつけて、もっと強くなればいいと思う。
何があってもひなみを護れるくらい強くなってもらわないと、リグリス様だって心配だからっ!
まぁ嫉妬もすごいんだけどね。私にイクルとくっつけとか言うくらいだし。
しかし残念ながら、私とイクルの相性はあまりよくないのであるっ!
強くなーれと、イクルに再度氷の塊を投げつけてやったのであるっ!
私の勝ちっ‼︎
リグリス「まろパンツ見えてたよ。一応女の子なんだから気を付けなさい」
まろ「ガ━━Σ(・ω・;)━━━ン 」
リグリス「まったく。あ、ひなは今日も可愛いなぁ……」




