野菜も大切
下弦の月さんより
リクエストいただきました。
ひなみが作ったチートなポーション類についてひなみの周りの人たち(ポーション買った人とか)のそれぞれの反応話
なんだかイクルの話になってしまいました…?
リクエストありがとうございました!
視点:イクル
「ありがとうございましたー」
「おぅ、また来るからよろしくな!」
いかつ……たくましい体の冒険者が、今日もひなみ様の回復薬を買って行く。俺はそれに簡単な返事をして、代金を受け取る。
真夏のようにからりと晴れた空は、ひなみの箱庭の集客担当のごとく客を店へ運んだ。
オープンしたての頃はあまり客足も伸びなかったが、数週間経った現在は朝一に来てくれる人もいるほどだ。とは言え、何度も足を運べるのは腕の良い、稼げる冒険者に限られるが。
ひなみ様といえば、今日は庭で回復薬を作っている。それをまろが手伝って、その間に暇な俺が店番をする。
なかなかに妥当な役割分担、かな。
「あ、そういえば向かいの定食屋にお弁当を買いに行くんだった……」
今日は回復薬作りに専念する為か、ひなみ様が「お昼はお弁当にしよう!」とはしゃいでいたことを思い出す。
適当に買ってくれば問題ないだろうから、店を一旦クローズにして向かいの定食屋へと足を運ぶことにした。ひなみ様は肉ばっかり食べているから、お昼は魚と野菜にしてしまおう。
斜め向かいの定食屋はそこそこ繁盛しているようで、店内を見渡せばほぼ全ての席が埋まっていた。店員はおばちゃんが1人、厨房におじさんが1人。夫婦経営かなと思いつつ、3人分のお弁当を注文する。
「まいどあり! あんた、向かいのひなみの箱庭の人だよね?」
「そうだけど……それがどうかした?」
「やっぱり! 実はこの前ね、熱い鉄板で大きな火傷をしちゃって。その時にあんたんとこの体力回復薬に世話になったのよ!」
あぁ、以前回復薬購入してもらったのか。簡単に会釈をしつつ、「ありがとうございます」とにこやかに伝える。
それに気を良くしてくれたのか、おばちゃんのしゃべりは止まらなかった。対応に失敗したなと思いつつ、なんとなしに聞いていれば食事中の冒険者達が話に加わって来た。
「あの回復薬なら、俺も飲んだぞ!」
「私も! すっごく美味しいのよね! お肌も綺麗になっわ!」
「それはただの思い込みよ」
「そ、そんなことないもん……」
どうやらほとんどの冒険者がひなみ様の回復薬を使ったことがあるようで、話に加わる人が増えて来た。ちょっと面倒だと思いつつ、客であるのならば対応をしておかないとと思う。こんなところでお店の評判を落とす訳にはいかないからね。
「いつもお兄さんがお店番してるけど、薬術師なの?」
「恋人いるの? でも私の時は可愛い女の子がお店にいたよ」
「俺は兄ちゃんだったぞ! 何だ、オネェのお気に入りって聞いたぞ?」
「あぁ……俺はただの店番だよ」
ここぞとばかりに色々聞かれてるような気がするが、それは聞かなかったことにする。
店で相手にする分には問題ないけど、こうなるとちょっと厄介だね。まぁ、ひなみ様が有名になるのは良いことだとは思うんだけど……何事も度がすぎるのは良くないからね。変な奴に目を付けられても良くないし。
「まぁ、今後とも贔屓に頼むよ」
「「「もちろん!」」
冒険者達に良い返事をもらえたところで、頼んでいたお弁当が出来上がったようだ。
これ以上盛り上がっても仕方が無いので、急いで店を後にすれば「またなー!」と冒険者の声が大きく通りに響いた。よくあんな大声をだすね、恥ずかしくはないのだろうか。
「ただいま」
「「おかえりー!」」
そして家に帰れば先ほどの冒険者よりも大きい声に迎えられた。
ペヤングを恋しく思いながらUFOを食べました。
カップヤキソバを擬人化してペヤングが逆ハーヒロインになるところまで妄想して終わりました。




