004
ーーピッ
ーーピッ
ーーピッ
ーーピッ
無機質で、一定のリズムだけが白い病室に響きわたる。
ーーピッ
ーーピッ
花瓶が置いてある台の上には林檎などが入っているバケットや雑誌、沢山のお菓子などが置かれている。
ーーピッ
ーーピッ
ーーピッ
そして白いベッドの上には身体の彼方此方に包帯を巻いた青年が横たわっている。
ーーピッ
病室には横たわっている青年の傍らで、青年を静かに見守る中年の女性の姿があった。
ーーピッ
包帯を巻かれている青年の指が微かに動く。
しかし本当に微かに動いただけだったので、女性は動いた指には気付かない。
ーーピッ
ーーピッ
ーーピッ
少しした後にまた青年の指が動いた。
今度ははっきりと、拳を握り締めようとする形で。
ーーピッ
ここで漸く傍にいた女性が青年の様子に気付いたようだ。椅子に座っていた女性が急に慌て出す。
「ーーー⁈惟吹⁈今お医者さん呼ぶからね‼︎」
女性はすかさずにナースコールのボタンを押す。
数分後に医者と看護婦が来た。
ー青年sideー
まただ。
また、目の前が真っ暗だ。
今度は一体何処にいるんだ?
(…身体が思うように動かせない。)
自分の身体なのに、まるで何かに押さえつけられているように動かなかった。
俺はなんとか手だけでも動かせるように力を込める。
(……‼︎ ……?…‼︎)
手を動かそうと何回か力を込めたが、繰り返し力を入れても一切動かない。
それでも諦め切れなかった。
また繰り返し繰り返し力を込める。
そして数十回後、
(……‼︎)
僅かであるが、指先が動いた感覚がした。
(……もっと力を強く‼︎)
俺は思いきり力を手に込めた。
確かに指先だけだけど、動いた感覚がした。
その時遠くの方で音がした。誰かが叫んでいる(?)ような気もする。
(…ああ、でも疲れたなぁ。)
久しぶりに体力を使った気がする。
お腹が空いた感じもするし、誰かが叫んだ感じもしたので遠かれ誰かいるんだろう。
(取り敢えず、誰かに何か食い物を持ってきてもらおう。)
そう思い、
俺は〈目〉を開いた