第五話 -2
「すみません……」
「大丈夫……というか、あなたが謝る必要はない」
稽古を中断し、人のいなくなった道場で、巧は布団に寝ていた。
謝る陽芽を、かなめが止める。
「がっはっは!すまねぇ!まさかこんなに弱いとは思わなくてよ!」
「反省の色がみえない……!つーかうるさい!巧が起きる……!」
白宗をにらむかなめ。
「ほんっとすみませんっ!もう、白宗さんはどっか行っててください!」
白宗の背を押す陽芽。
「大丈夫だとは思いますが、一応お医者様を呼びましたので。そのままお待ちください」
そう言って、陽芽も道場から出ていった。
「………」
静寂――
「すぅ……すぅ……」
巧の寝息が聞こえる中、かなめは巧の顔をぼーっと見ていた。
もともとのんびりな性格のかなめにとって、こういう静かな時間は嫌いではない。もちろん、巧やなずなと過ごす時間も大切だが。
そのとき、足音が聞こえた。
「こんにちは~」
女性の声。かなめが振り向く。
タイトなミニスカートに黒いニーハイソックス。上半身はレザーのジャケットに、インナーは水着のビキニだろうか。腕もおなかも露出しており、青っぽい長いストレートの髪が妖艶さをさらに増している。
「……医者……?」
かなめの疑問も当然だろう。ぜんぜん医者っぽくない。百歩ゆずって、セクシーなナースといったところか。
「ん?んー……んじゃ熱計ろっか?」
セクシーナース(?)はかなめに近付き、かなめのおでこに手のひらをあてる。
「あら、熱あるんじゃない?しっかり寝てないと」
「あ、ボクじゃなくて……っ!!」
かなめが何かに気付いたが、遅かった。セクシーナース(?)がかなめのおでこにキスをすると、
「くっ……」
次の瞬間、ひどいめまいと眠気に襲われ、かなめは倒れこんだ。
「う……おまえ……オロチの………」
それを見て、セクシーナース(?)が微笑む。
「ちょっと顔合わせただけなのに、よく覚えてたわね」
かなめがよろよろと立ち上がる。
「無理せず寝てなさい?この男の子、ちょっと借りるだけだから」
「巧は……渡さ、な………」
かなめの意識が途切れた。




