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番外編 青龍 -2

「ただいまー」


「あ、静春お帰り~」


迎えてくれたのは、りんね。

カチューシャをつけたショートカットの髪。へそが見えるくらいの丈が短いTシャツに、ショートパンツ。いつもの格好だが、今日は難しい顔をしながらお金を数えている。


「どうしたの?」


「ん~、今月きびしいかなぁと思って。……ちょっとスリでもしてくるか」


「ちょっ、ダメだよ!警察とかクロスアークとか、裁きにあったりしたら殺されるよ!?」


りんねだったら本当にやりかねない。このまえ冗談で「そうしよう」って言ってみたら、マジでやりやがったし。


「警察はまだしも、他ふたつはやばいか……んじゃ、援助してくれるおじさまでも探してみる?」


うっふ~んと、セクシーポーズをするりんね。


「………」


「あっはぁ~ん」


残念ながら、おれは十二歳の女の子に誘惑されたりはしない。つーか姉弟だし!


「りんね……胸はまな板だし、腰そんなくびれてるわけでもないし、無理だと思うよ……」


「ロリってそれなりに需要あると思うのよね」


「ダメだかんねっ!?」


というわけで、二人で富士取区へと向かう。目的はラインファイトだ。まだまだ弱い方だからファイトマネーも大したことないけど、十二歳じゃ雇ってくれるバイトもなかなかないし、お金を稼ぐにはちょうどいい。おれもりんねも、五行の力に目覚めることができたのは幸いだった。五行を使えば、子供でも大人に勝つことができるんだ。




ラインファイトからの帰り――


「ねぇ、静春」


「なに?」


「髪染めてみようか。金とかに」


「唐突にどうしたの?」


「十二歳だからってなめられてる気がするんだよね~」


「油断してくれるからいいじゃん」


「それはいいんだけど……それ以上に、バカにされるのがムカつく!」


その日の夜、二人で髪を染めた。




あの家出した日――

朝になってからすぐ家に帰ったが、家は壊れていて、両親は行方不明だった。

幼かったおれ達はあの公衆トイレの一室を拠点として、使えそうな道具や食器類などを拾ってきては食べ物と交換してもらったりして生活してきた。

今思えば孤児院とかに行けばよかったんだろうけど……当時は二人で生きていくのに必死だったんだ。


そして今――

ボロくて小さいけど、家を手に入れた。……いや、空き家に勝手に住み着いただけだけど。お金はバイトやラインファイトで稼いで、学校にもできる限り顔を出すようにしている。

楽じゃないし貧乏だけど、とりあえず生活していければいい。大人になればちゃんとした仕事もして、もっと良くなるだろうから。

このときはまだそう思っていた――

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