第四話 -6
「やめろぉーーーっ!!」
巧が叫ぶ。
「……っ!?」
ガクンッ!と、オロチの大剣が朱伽の首の直前で止まった。
「うおおおおっ!!」
その隙に、静春がオロチに突進する。
「………」
オロチは無言で朱伽から離れた。
「今のは……いったい……?」
オロチが動きを止めた隙に、静春が五行を発現。『木』の気だ。
「これ以上何も……奪わせないっ!」
そして、その気が弓を形作る。
「これは……?」
「神器……やっかいですね」
突然のことに戸惑う静春。
それを見たオロチが、さらに護符で刀を出す。刃が紅いのが特徴だ。
「神器に対抗するために作られた武器、『機刀一閃』と『機刃紅桜』……その神器、破壊します!」
オロチが突進。
同時に、静春が連続で矢を射る。
「……っ!」
ギンッ!ギンッ!――とすべての矢を弾き、オロチが静春を射程範囲内にとらえる。
静春が後ろへステップ。が、オロチはさらに一歩踏み込む。
「くっ!」
そのとき、朱伽が静春の前に出て、オロチを蹴り飛ばした。
「はぁ……はぁ……」
「朱伽、大丈夫なのか?」
「負けられないのよ……はああああっ!」
朱伽の身体から炎が吹き出し、それもまた武器へと変化した。
「これは……槍?」
「それもさっきオロチが呟いてた神器ってやつなのか?」
「さあ?わかんない……けど、あいつを倒すことに変わりはないわ!」
朱伽が一瞬でオロチとの距離をつめる。
「はああああっ!」
「ちっ……!」
朱伽の槍がオロチを連続で突く。
が、オロチは二本の刀ですべて受け流す。
「なら、これでどうだ!」
静春の援護射撃。
刀の一本、紅桜を弾き飛ばした。
「なにっ……!?」
「隙ありっ!」
朱伽の槍がもう一本の大きな刀、一閃を弾く。
「くらえっ!」
「ぐっ……!」
朱伽がオロチを連続で蹴り、最後に壁へ蹴り飛ばした。
朱伽はそのまま突進。倒れているオロチに、槍を突きつける。
「あたし達の勝ちよ……」
「………」
オロチは抵抗もせず、ただ朱伽を見つめる。
「そんな……オロチ様が敗れるなど……」
「すみませんが、行かせるわけにはいきません」
後退りする教皇を静春が止める。
そのとき、なずなとかなめが合流した。
「お、おぬしら……」
「あ、二人とも」
「巧……いったい何を……?」
「やったよ!オロチを倒したんだ!」
笑顔で答える巧。
「馬鹿者っ!!」
突然なずなが叫び、かなめが大剣を構えて走った。
「オロチは――」
かなめの狙いは巧の隣に立つ男。教皇代理。
「その男じゃ!!」




