第三話 -14
「話も決まったみたいだし、私は帰るわ」
「いえ、女の子が夜出歩くのは危険ですから」
三森の静止も聞かず、鈴音が玄関へと向かう。それを追う三森。
リビングには、巧達だけになった。
「巧、わしは感動したぞ。オロチ討伐にやる気をみせてくれるとは」
「いや、やらなきゃいけないことって、瑞穂ちゃんを連れて帰ることだからね!?」
「照れずともよい」
「照れてないから!」
「まぁとにかく、明日も忙しくなりそうじゃ。わしはトイレに行くから、二人は部屋に行っておれ」
なずなが二人を立たせ、背中を押す。
ちょうど三森が部屋に向かうのが見えた。鈴音の説得に失敗し、巧達の布団を敷くのだろう。
「三森さんを手伝おう」
「うん」
巧とかなめも部屋に向かう。
なずなはそれを見送り……玄関へと向かった。
「来るんじゃないかと思っていたわ」
「何をしておるのじゃ……?」
「あなたを待っていたんだけど?」
「茶化すでない!」
「ふふ……私にも目的があるの」
「……何が目的じゃ?」
「あなたには関係のないことよ」
「………」
「大丈夫、邪魔をする気はないわ」
「……朱伽……か?」
「余計な詮索は時間の無駄よ。早く寝なさい?じゃ、おやすみ」
「待てっ!……ちっ」




