番外編 麒麟-10
「なずな、準備はいい?」
「うむ、作戦開始じゃ!」
なずながさっきの黒い球体を作り出したのを確認し、ボクは真上へ跳躍。
「はっ!」
なずなが球体を発射。
ゴーレムに向けてではなく、ボクに向けて。
ボクは気を足に集中。球体を足場としてさらに跳躍。
「……できた」
足にダメージ受けるだけだったらどうしようかと思ったけど、うまくいった。
これを繰り返して、ボクはどんどんと空へ昇る。
「……そろそろいいかな」
下を見る。
うわ、高くてこわい。
ゴーレムの位置を確認。
次の球体を足場に、今度は下へと跳んだ。
ゴーレムへ向けて一直線に落ちる。
「グオオオオ……」
受け止めるつもりなのか、それともボクを捕まえるつもりなのか、腕を挙げるゴーレム。
「くっ……腕が邪魔……」
どっちにしろ、ボクはもう突っ込むことしか出来ない。
「邪魔はさせぬっ!」
そのとき、なずなの声が響いた。
見ると、なずなの手は黒い気をまとっていた。
「貫けぇっ!!」
その気を細く長く、槍のような形にして飛ばす。
槍はゴーレムの腕を貫き、弾いた。
いける!
「はああああっ!!」
落下の勢いをプラスし、大剣を突き立てる。
ゴーレムにではなく、ゴーレムの足下に。
大剣を通じて、地面に自分の気を送るイメージで。
「割れろっ!」
次の瞬間、地面がゆれ、がばっと大きく口をあけた。地割れだ。
うまくいった。
足場を失ったゴーレムが落ちていく。
そして……
「あ」
ボクも一緒に落ちていた。地面を割ったあとのことは考えてなかった。
「かなめっ!!」
なずなの声が聞こえる。
しかし、近くにいるゴーレムから目をはなすことはできない。反撃しようとしている。
「ガアアアアッ!」
ゴーレムのアッパー。
大剣を構え、防御。ものすごい衝撃に、腕がしびれる。
次の瞬間、おしりに軽い衝撃があった。
「……?」
気づくと、ボクは地面に座り込んでいた。あのアッパーで吹き飛ばされ、上がってきたのだ。
タイミングよく、割れた地面が元に戻っていく。
「ボクを……助けた……?」
ふとそんな考えがよぎる。
……そんなわけないか。
「かなめ、無事か!?」
なずなが駆け寄ってきた。
「うん」
「ふう、焦らせおって。まぁよい。これでしばらくは封じ込めておけるじゃろ。作戦成功、じゃな」
「うん」
気が抜けた。
ボクは寝転がり、ひとつ深呼吸をした。




