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第二話 -22
なずなが巧に馬乗りになり、動く。
「ふっ……んっ……どうじゃ、巧……?」
「う……あ……気持ち……いい……」
「そうか……ん……よかった……」
「なずな……もう、限界……」
「ん、そうか……なら……終いとしよう……構わぬ……そのまま――」
そう言いながら、なずなは巧の背中を大きくなでるように揉みほぐす。
「そのまま寝るとよい」
その後しばらくマッサージを続けたあと、なずなは巧の背から降りた。
「ふぅ……どうじゃ?小さい頃から父上の肩を揉んだりしてたからのぅ。マッサージは得意なんじゃ……って、もう寝てしまったか」
なずなは巧に布団をかける。
「ゆっくり……今はゆっくり寝るがよい……」
そう言うなずなの微笑みは慈愛に満ちていて、
「さて……わしも部屋にもどるか。おやすみ、巧。うつぶせで寝て、首を寝違えるでないぞ?」
そう言いながら無邪気な笑顔に戻ると、自室へと戻っていった。




