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第二話 -14
背後から響いてくる戦闘の音。
「なずな……」
後ろをときどき振り向きながらも、かなめを背負った巧は足を進める。
「おろして……」
「かなめ」
「なずな一人じゃ無理……」
「でもかなめ、その身体じゃ……」
「大丈夫、回復早いから」
巧の背から強引におりるかなめ。
たしかにさきほどより体力は回復しているようだ。傷もすでにふさがっているように見える。
かなめは地面に手をつけ、そこから五行の力で大剣を作り出す。
「巧は逃げて」
「え、ちょっ……!」
かなめは今来た道を走って戻っていった。




