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「おっおい!」


「受験ノイローゼは、先生とクラスメート達のでっち上げだったんでしょ? イジメを受けて暗くなっている彼女を、そういう風に解釈してもらうために」


担任の顔色が、青ざめる。


多分口裏を合わせずとも、みんな同じことを言ったんだろうな。


中学三年生ならば、ありえないことじゃないし。


「で? 『みぃ』という存在は何なんですか?」


「あっああ…。それは篠原自身が言っていたことらしい。自分には『みぃ』という存在がついていて、守ってもらっている。だからこそ、自分は明るくなれるんだって」


「それで守護天使なんて言われているんですね。中学生にしては、随分子供っぽいことを口にしてたんですね」


「篠原は…それで明るかった。だがそれをクラスメート達は快く思っていなかったんだろう」


「受験ムードでピリピリしている中、彼女の天真爛漫な明るさが気に入らなかったってことですか…。でも何でまた、『みぃ』が復讐をしているなんて言われているんですか?」


「…篠原が亡くなって以来、クラスメート達に次々と不幸が起こっているからだ。その中の1人が、言い出した」



自分達は『みぃ』に復讐されている!―と。



「ちなみにどのような不幸なんですか?」


「一つ一つは偶然のこととも言える。両親の離婚や、親のリストラ。財布や携帯電話の紛失、ケンカに巻き込まれただのが、連続して起こっているんだ」


「それって…偶然が重なっているだけなのでは?」


「俺もそう言っている。だが一度騒ぎ出すと、中々収まらないんだ」


「はぁ。それで祟り、ですか。…ちなみに先生は何かご不幸がありましたか?」


「…婚約を解消された」


「あらま★ また何で?」


「自分の受け持ちの生徒が自殺してしまったんだ。相手のご両親が大反対してきたんだ」


「そりゃ仕方ないですね。厄介ごとを見てみぬフリをすれば、後に倍増して厄介ごとは降りかかるものですし」


「見てみぬフリなんかしていない! 動き出そうとしていた矢先に死なれたんだ!」


「ですが動き出すまでに時間がかかったのは事実なんでしょう? イジメを知ってから動き出すまで、何日過ぎたんですか?」


「ぐっ…!」


…この様子だと、本当に動き出そうとしたのかも怪しいな。


結婚が控えていたなら、余計な騒ぎは起こしたくなかったハズだし。


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