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孤児院にいたころから、この呼び方だった。
いずれ二人で一緒に暮らすことを夢見ていた。
今の家族に不満があるワケじゃない。
だけどやっぱりアタシ達は双子で、離れてはいけなかった。
高校までなんて待つんじゃなかった!
こんなことになるなんて、夢にも思わなかった!
後悔が涙として、溢れ出てきた。
アタシはすでに、罰を受けている。
『みぃ』という存在で。
恐らく妹は、自分が双子であることを黙っていたんだろう。
いろいろと複雑なところがあるし、今の家族にも悪いと思ったんだろう。
だけどその存在は黙っていられなかった。
だから『みぃ』という存在を言い出した。
そのせいであのコはっ…!
クラスメート達から『みぃ』のことを聞いた時には、心臓が止まるかと思った。
まさか近くにいない自分が原因で、妹がイジメられていたなんて思わなかったから…。
けれど結局、アタシは『みぃ』を利用し、担任とクラスメート全員に復讐をした。
それまで担任やクラスメート達に起こった不幸な出来事は本当に偶然の連続。
噂が勝手に一人歩きを続け、恐怖を感染させ、連鎖させていったのだ。
だけど彼らは全員、『みぃ』の復讐を受けたのだ。
すでに『みぃ』はアタシのもう1つの呼び名ではなく、恐れられる存在の名と化した。
「…コレも自業自得、ね」
アタシは自らの罪からは逃れない。
アイツらとは違うから。
だからアタシは生きる。
全ての罪をこの身に背負い、生き続けてやる。
【終わり】