プロローグ④ 女と騎士団
「な、何?!」
声がした方を見ると大柄な男の人1人と若い女の人が2人
「他のお客に迷惑かけんのはやめて貰えるかい!」
大柄な人と紫の髪をした若い女の人がどうやら揉めているようだ
「その女は元々俺の女何だぞ!?
そいつが別れたいって言いやがるから、ちょっと文句いっただけだろうが!」
大柄な人がもう1人の女の人の方を指差す
「はぁ……文句ってねえ……殺すとか殴るとか物騒な単語が聞こえてきたけど、
あたしの気のせいって事かい? 別れ話で出てくる単語じゃないだろうに……」
「うるせえ!」
やれやれと言ったように女の人はそう言うと指を差された女の人に近づく
「正解だよあんた、これと別れて」
その言葉が癪に障ったのか
顔を真っ赤にした大柄な男は女の人に襲いかかりそうな雰囲気だ
警察を呼ばないと……!?って! スマホが無いんだった!
「あの!!」とお店の人に言うと「大丈夫だよ」と微笑んでいる
そんな!?と、再度見ると、
大柄な男が叫びながら殴りかかろうと拳を振り上げたのが見えた
「甘いさね!!!!」
ーその瞬間、大柄な男は「ぐるん」っと回転し、地面に叩きつけられた
今まで周りで静観していた人々が「おおおぉぉ!」と歓声をあげる
な、何が起きたの?????と呆気に取られた
「はいはーいストップストップー!騎士団のお出ましだよー!道をあけてねー?」
周りの人々の間から甲冑を着た金髪の若い男の人が先頭を歩いてくる
その後ろには、帽子とローブを纏った人
帽子を深く被っているから性別はわからない
騎士団?
(続く)