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プロローグ③ 街の中へ



草原を抜け、先程見えた街に着く


「うーん、草原から見えた時も思ったけど……」


目の前には門、その奥に見えるのは人、人、人、人、たくさんの人

それと洋風の建物がたくさん並んでいる


夢でこれだけの規模の街って……

私の想像力なのか深層心理なのかわからないけど想像力凄いなあ

全部ファンタジー調なのは、やっぱり最近読んだ本の影響なのか


あ、いやでも最近買ったゲームの影響も入ってるのかもしれない……


「あの」

「え?」


あれこれと1人でぶつぶつ言っていると声をかけられた


「失礼しました、私はここの門番です、

見るからにこの世界に来たばかりの来訪者さんですね」


「え?はい、この夢……って言っていいのかな?見るのは初めてです」


お辞儀をする門番さんに向かってこちらも同様に挨拶する


「ははは、来たばかりですからね、まさに今、夢のような高揚感と言う事ですね、わかりますよ」


「は、はははは……」


ツボに入ったのかひとしきり笑うと、入国許可証にサインを求められた

あの契約書といい、律儀(りちぎ)な夢だなあ……


「あ、名前は本名でも今の名前でもいいですよ」

「今の名前?」


「ええ、そうです、折角なりたい自分になれたのですから、

名前も変える、ありだと思いますよ」

「えっと……」


夢の中とはいえ(多分)顔が違う、それならゲームのアバターの感覚で

ハンドルネームを名乗って楽しむって事???


それなら、と「ミア」とサインした、これは本名をカタカナにしただけのもので

ゲームをする時にも実際使っていたから迷いはなかった


「はい、これで大丈夫です。ようこそ、ミアさん、始まりの町「アンファング」へ」


ありがとう、と返し門の中に入る


外から見た時同様に人がたくさんいる、のはそうなのだが

よく見るとちらほらと和風の服の人も獣人のような人もいる事に気づく


ぽよぽよと跳ねるぬいぐるみのような物もいるけど、誰も何も騒がないのはこの街では普通の事何だろうか


「種族にも結構バリエーションがあるのね」


おっと、と当初の目的を思い出し、キョロキョロと辺りを見回し姿を確認出来る物を探す


お店のショーウインドウがあり、そこへ駆け寄ると薄っすらと映る自分の姿を確認する事が出来た


「可愛い……」


茶色く長い髪の毛に、パッチリとした目は確かに自分の望んだもので

くるっと1回転する度に揺れる髪が凄く嬉しい


「これだったら……」


正直、願っていたとはいえ、姿が変わってしまったのにはやはり戸惑いはある

でも、この姿なら誰かに何かを言われる事も、自分を卑下(ひげ)する事もしなくていい


そう考えると、どうしても嬉しさの方が勝ってしまった

それに夢なのだから、起きてしまえば消えてしまうのだろう


なら、今この一時の時間位楽しんでいいんじゃないかな?


でもこんな夢は初めてで、しかも1人で一体何をしようか……

とりあえず何か食べたいな、と念じてみたけど何も出てこない


夢って認識したら自分の思うように出来るとか本に書いてあったけど

ご飯とかそう言うのには適用されないのかな


ちらっと並ぶお店に目を向けると美味しそうな物がたくさん売っているのが見える

「うー美味しそう……」


お店のメニュー看板に近づいてみる、見たこともない通貨だ

何なの「4ゴル」って…私の夢何だから、わかりやすく「円」にして欲しいよ


って、そもそもお金を持っていないんだった……


夢だし、そのまま入店しても良いんじゃないかなと思うけど

看板に価格表記があるのなら払わないつもりで入店は抵抗があるし……


「串焼き、2本ね」

「はい、2ゴルです!」


隣の屋台で男の人が串焼きと硬貨とを交換している


あれ? あの人が支払ったお金?って……

ポケットに手を突っ込み、先程のメダルを取り出し、見比べる


やっぱり、これと一緒だ

これ1枚が1ゴル?


と言う事は、私の手持ちは10ゴルと、少し大きなメダル10枚も多分お金なのだろう

お札も4枚あるけど、多分これもお金かな


とりあえず

「すみません、私も串焼き1本下さい!」

「はい、1ゴルです!」


串焼きを受け取り、お店の横にある飲食スペースに座り、1口食べる

「お、美味しいーー! 何これー!?」


お肉っぽいのはわかるんだけど何のお肉だろう?

厚みがあるのにやわらかく口の中でとろけていくのが癖になる


最高だよーーと堪能し、もう1本おかわりを戴こうとすると



「何しやがる!!!」



後ろの方で叫ぶ声が聞こえた





(続く)



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