プロローグ① 光る玉
※異世界ファンタジーです(後に恋愛と少しのバトルあり)
願った事を叶えてくれる世界があるとしたら
私はーーー
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「そろそろ起きたらどうだ」
ふと、声が私の耳に入る、瞬間目が覚めた
私はいつ寝てしまっていたのだろう
それに今の声は……
声のした方を見上げる、そして気付く
「ここ、どこ……」
眼前に広がる空間は広く、ほのかに黄色い、いつもの見慣れた自分の部屋ではないとすぐにわかった
目が覚めたと思ったのに変な空間にいる???
あ、これが噂にきく「夢と認識した」って事かな
本で「好きな夢を見る方法」を調べた時に書いてあったはず
なるほどです、と納得している私の少し前にふわふわと浮かんでいる玉?が輝いているのに気付く
何だろう、とおそるおそる手を伸ばし触れようとする
「おい!」
「きゃああ!!!!」
光の玉?から声が発せられた
男の人の声!?!?
驚き後ずさる私に光る玉は近づいて来た
「そちらが願ったとはいえ、こちらが連れて来た手前待つつもりではあったのだが……それにしても目覚めるのが遅いのではないか?」
「えっと……はい、すみませんごめんなさい……?」
夢で目覚めるのが遅いって怒られる事ってあるんですね……と感心してしまった
「……まあいい、で、どのようになりたい?なるべく要望は叶えるように努めるが」
光る玉がそう言うと、私の前に光る紙が飛んできた
どうやら契約書のような物?らしく、私は目を通す
・契約に基づき願望を叶える事を約束する
・契約後、内容の変更、追加、破棄は不可
・契約後、◆◆◆するまで己の世界への帰還は出来ない
簡単に搔い摘むとこのような契約らしい
願望を叶える? 帰還は出来ない?
最後の文章に至っては何をするかが読めないのは
契約書として成り立っていないような気がしますが……
それにしても「己の世界」まるでこの場所が異世界と説明するような文章
最近ファンタジー小説ばかり読んでいたから夢にも影響があったのかなとぼんやりと思った
そしてどうやら先程の光る玉の発言と、この契約書の文章を読む限り
私の願望を叶えてくれる……?
ー本当に?
「で、決まったのか?」
痺れを切らしたかのように光る玉は聞いてきた
「は、はい、えっと……あの、その、願いってどのような……どのように……」
「はぁ……ハッキリしろ、目を閉じて願えば良いだけだ」
私がハッキリと喋らないからか、ため息をつき、語気を強めた
流石私の夢だって思った
ずっとずっと、私が欲しかったもの、願ったもの
なりたかったものがある
夢の中だけだとしても、それが叶う?
夢の中でなら……一時の夢でも、願いが叶うならーーー!
「ね、願い……ます!」
勢いよく宣言して少し舌を噛んでしまった……
こんなに大きな声を出したのは何時ぶりだろう
宣言すると私の元にキラキラと光るペンが現れ、先程の契約書のような物にサインをした
そして目を閉じ願った
可愛くなりたい、もう乏しめられたくない
少しでも明るくなりたい、人前でつっかえずにお話したい……!
好きなものは好きってちゃんと言いたいよ
瞬間目の前にバチッと閃光が走る
そして私の意識は途切れた
(続く)
初めまして、読んで戴きありがとうございます
色々ありますが楽しんで戴けるお話にしていきたいです