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あうぜっ

 図らずも、ニャンドロスの移動要塞と遭遇したサカイ達一行。

 今は停戦しているが、いつでも戦争が再会しそうな気配を感じたのである。 


「ダイブアウト」

「ダイブアウトー」

 

 四角く武骨な艦体。

 後部左右には支柱でつけられた四角いエンジンブロック。

 艦体の周りにリング状のレール。

 レールには、三連装、宇宙戦艦大和型主砲一基。


 宇宙戦艦、”やまとん”が三次元《海上》に銀色の波を立てながら、ゆっくりと浮かび上がる。

 ダイブワープが終了した。



「ここが、指定された合流地点ランデヴーポイントね」

 マリアが、三次元レーダーで座標を確認しながら言った。


 前方に広がる小惑星帯。

 小さな岩石が多数漂う。


「懐かしいなあ」

 やまとんの艦橋ブリッジでサカイがしみじみと言った。

「? 知っているのですヮ?」

 隣に立つレイカだ。

「ああ、ここにガゼフ解放戦線パルチザンのアジトがあったんだ」

「アジトなのね」

 マリアが答える。

「ああ、ここで宇宙戦闘機の操縦訓練をしたんだ」

 小惑星帯で大型の艦船や移動要塞は入りにくい。


 ――シャルロッテ王女も相変わらずか


 ピコ――ン


 涼やかな電子音が響く。


「四次元《海中》ソナーに感」

「船が三隻、ダイブアウトしてきます」


 艦橋の四角い窓ガラス。

 その先に銀色の波を出しながら三隻の戦艦がダイブアウトしてくる。


「艦種識別信号、出ました」

「ガゼフ王国船籍、戦艦、”文福茶釜”と駆逐艦、”豆狸マメダヌキ”二艦です」


 ――文福茶釜か…… シャルロッテ王女の座乗艦だ


 

 三笠級宇宙戦艦、”文福茶釜”。

 黒須重工製のシタデル構造を持つ重装甲艦だ。

 特徴的な平型艦橋。

 前後には、40口径、30.5センチ二連装砲塔二基。

 ”文福茶釜”とは、東和に古くから伝わる、強力な守護精霊獣の名前である。

 今は失伝しているが、さぞや、おごそかでかっこいい姿かたちだったに違いない。

 ”豆狸マメダヌキは文福茶釜の眷属だと言われている。


 美しい艦体は、白色に銀色の螺鈿模様が施されていた。



「きれいな艦だね」

 サクラギが、メインモニターに特に大砲部分をズームしながら言った。

 三艦が完全にダイブアウトしたその時、”文福茶釜”から小さなバーニア炎が見えた。


「”文福茶釜”から艦載機発進」


「あれは、零式艦上宇宙戦闘機」

 俗に、”タイプゼロ”もしくは、”ゼロ戦”と呼ばれている機体だ。


「……サカイ様の元愛機……あの機体で戦い抜かれたのでショゥ」

  地獄のニャンドロス宙域戦をである。

「ああ」


 高速で近づいてくる。


「サカイ師匠~~」

 タイプゼロのパイロットの通信画像が出た。

「久しぶりだね…… シャルロッテ王女」


 コックピットには、パイロットスーツをきたシャルロッテ王女が座っていた。

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