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プロローグ

本作は柴野いずみ様主催「ざまぁ企画」参加作品です。

プロローグ

◇想い出◇ 



 時折、母は私を海辺へ連れて行った。

 凪いだ波の音は心地良く、私は花びらの様な貝を集めて喜んでいた。


 ある日のこと。

 いつもの様に、母は海の彼方を見つめ、私は砂浜で遊んでいた。


 すると、波がいきなり立ち上がり、水しぶきの中から一人の男性が現れた。

 男性は海の色を写したような青銀の長い髪と、濃い深海の色の目をしていた。

 上半身は裸だったが、腰から下の衣服は、王族よりも見事な宝石を連ねていた。


「約束の娘か」

「ええ」


 男性と母は、何か話をしていた。

 男性は海水を掬う。


 チャポン……。



 小さな水しぶきを上げ、子どもが一人砂浜に飛び出した。

 肩まで伸びた青い髪の光沢は、母の側に立つ男性とよく似ていた。

 女の子かと思うほど、愛らしい顔をした少年だ。


 トコトコと彼は私の方へやって来て、何かを差し出した。


「☆#$%&♪」


 言葉は分からなかったが、私に差し出した物をくれるようだ。

 それは貝殻よりも薄く、透き通った碧色の鱗。

 木の葉のような形をしていた。


「あ、ありがと……」


 私が受け取った瞬間、青い稲妻が走った。


 肌が粟立つ位、美しい稲妻だった。


 この時、私は恋に落ちていたのかもしれない。

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