68話.私室で歓談。
まず最初に、昨日投稿出来なかった事への謝罪をします。
ごめんなさい。
次に、ブックマークしてくれた人へ。
評価をくださった人へ。
ありがとうございます。
これを言うと、ブックマークを逆に外されたりするのかなと思ったりしているんですけど。
それでも、やっぱり感謝しかないです。
最後に、今回に関してですが。
いいんじゃないですか?
今回。
いいんじゃない?
って感じです。
戦闘とかではないですが、半分ネタ晴らしみたいな所があるので、やっと言えたーって気持ちでスッキリです!
仕合を終えたフランクはノエルと合流して、王の私室。
もとい、娯楽部屋兼、仕事部屋に招かれた。
国の権威を示す場でもある、謁見の間ほど仰々しいわけではないが、それでも王が特別気に入った客人を招く場所だ。
公的に会うべきでない人物に会う必要がある時などにも、密談の場所として用いられるこの部屋には独特の空気感があった。
ノエルは僅かな物しかないはずのその部屋に入ると、何故か肌が引き締まるような緊張感を覚えてしまう。
或いはそれは、部屋に入ったことだけではなく。
王の隣に立つ宰相、ディゼル・クロウと近衛騎士長マルク・フォードの威圧を感じたからかもしれないが。
「ふぅむ、何から話すか…。そうだな、ドウェインは息災か」
二人が席に着いたのを確認した後、暑苦しいマントを脱ぎ、お気に入りの椅子に腰を据えた王はそう尋ねた。
だが、その王の態度とは対照的に二人の、特にノエルはその名前に目を大きく見開いた。
「先生をご存じなのですか!?」
半ば席から立ち上がっているノエルを、どこか冷めたような、慈悲や憐憫の瞳で見た後。
王は当然とばかりに、そして僅かな苛立ちを感じさせながら深くうなずいた。
「ふん!『先生』か…。それは、そうだろう。少なくとも王都で奴を知らぬものなど…。」
何かを思い出すように、深々と瞼を下ろし、長話を始めようとする王に割って入った者がいた。
「陛下…。その話は。」
宰相のディゼルだ。
凡人であると自称しながら、この国の内政を一挙に担いうる能力を持つ男。
王が戦場に出る以上、王不在の期間この男が政を取り仕切るのだ。
その負荷は、常人ではとても想像の付かないものだ。
ただ、王が領土を広げると同時に、五年の歳月とはとても思えないほど、彼の頭皮の露出も広がっていることから、それを窺い知ることは出来る。
その男が、この話題を止めた。
「…。そうだな。まずは、ノエル。貴様が『過去への断罪』を逃れたのは知っている。それを知れば、とやかく言う物も居ろうが、余は貴様の存在を認めよう。」
ノエルが『過去への断罪』から逃れたのは、この王都でのことだ。
その日の内に報告が上がって然るべき案件だ。
それを王が、国の長が内密の場所とは言え、許すと言ったのはノエルにとっては大きい。
教会の人間からすれば当然ではあるが、神罰を受けるべき者が受けていないなど許し難い事だ。
しかし、この発言を王の真意とするならば、公然と、完全なる正義を持ってノエルを襲う名分を教会は失ったことになる。
「はい。ありがとうございます。」
その意味に気付いたノエルは、王の口から『過去への断罪』の言葉が出た時から、今すぐここで王の手ずからなどと想像していたノエルは、ひたすらに安堵を込めてそう言った。
「…。確か、報告では貴様は腹を貫かれると言う致命傷を負ったはずだ。」
確か、王はそうは言ったがその言葉には迷いなど一切なかった。
ノエルはその時のことを、思い出し定期的に痛みを伴う腹部を抑えた。
それは、本当に僅かな間ではあったが、返答するには不自然な間であり、最早騙そうと動くには遅いと逡巡したノエルは正直に言う事にした。
「はい、先生が…。」
ノエルの言葉は短くはあったが、それでも王にはその言葉が意味することは伝わったようだ。
ノエルが伝えようとしたこと、それ以上に。
「なるほどな、奴はまた禁術に手を出したか。その体では、さぞ生きづらかろう。」
ノエルの身体の状態を理解した、いや、その体に施された術式と同じ術式を行われた被検体の状態を、理解していた王は先程にも増して憐憫を浮かべた。
その理由を察したノエルは、笑顔でその言葉を否定する。
「いえ…。時折、辛いときは有りますが…。基本的には魔法で解決しています。それに…、僕には助けてくれる友人がいます。」
ノエルは決してそちらを見ることはなかったが、それがフランクの事だと、その言葉を聞いた者はすぐに理解した。
「ふむ!友人か!それは羨ましいことだ。それに…。なるほど。解決策が出来たのであれば、禁術から技術として扱うべきやも知れぬ。他人の内臓を移すなど、上手く行って関わった双方が常に不調を抱えるか、悪くて双方が息絶えたのだが…。いや、苦しんで生きることを考えればどちらが良いかも、余には判断つかぬな。」
国としての議題に頭を悩ませ始めた宰相を放って、ならば良いと王はにこやかにノエルに告げた。
「次にフランク…。貴様の出自は敢えて聞かぬ。それよりも我は貴様とはもっと話したいことが有るのだ。」
フランクの出自を尋ねてしまえば、国として対処を迫られる。
本来は今すぐにでも取られて、極刑に処す案件であり、そして聞くまでもなく明らかだからだ。
もし、あの仕合でフランクが王の眼鏡に適わなければ、あの場で聞かれていたことだろう。
だが、それも最早杞憂。
王は一人称が変わるほど、大層フランクを気に入った様子だった。
それもそのはずで、他国を含め、未だまともに王と命の取り合いをし得ると思える人物が。
要は、王の全力に単騎で、ついて来れるものなど皆無だったのだ。
「ほお、貴様は弓も使うのか。」
仕合中のあの一瞬がどうだ、フランクの「断塊剣」には驚いたなど。
一通り、仕合の内容を話し終え、普段の立ち回りにまで、その食指が伸び始めていた。
その頃になると、ノエルと宰相は上の空と言うべきか、最早別のことを考え始めている様子だった。
「はい。と言っても、魔法を使う補助としての使い方ですけど。」
フランクはその言葉に付け加えて、魔法使いが杖を介して魔法を使うように、フランクは弓を介して魔法を使うと説明した。
王と同様に、全力を出すことなどほとんどなかった、フランクもある種共通の、溜まった物を吐き出すかのように二人の話は弾み、同時に、スッキリとした笑みを湛えあっていた。
「なるほど。剣技や筋力が主体なのかと思ったが、貴様は魔法が主体の戦い方をしているのだな。ならば、その外見に見合わぬ、あの怪力も魔法による産物と言う事か?」
自身に強化の魔法を掛けるのは、推奨されていない。
剣と魔法、それらを同時に鍛えるより、それぞれ特化した人間を二人用意してしまった方が効率的であると考えられているからだ。
特に、この国では王と言う、強化魔法の必要すらなく無双の化身のごとく軍を蹂躙する者がいる以上、それらに対する考えは他国に比べて遅れている。
「はい。貴方も魔法を使っている。いや、使わせているのでは?」
フランクのその発言を聞いた者は、何を根拠に、と首を傾げた。
「?何のことだ。」
その質問を受けた張本人は特にその疑問が大きかったようだ。
だが、フランクは確固たる証拠があると言わんばかりに続きを述べた。
触れてはならない所だったか、と顔を顰めながらではあるが。
「え…?戦っている時に近くで観察してようやくわかる程度ですけど。外から貴方に向けて確かに魔法が使われていますよね?」
一拍。
二泊。
三拍ほど置いて、ようやく。
「は…?」
国の長に対して、何者かが気付かれることなく干渉していると言う内容にようやく、宰相、ディゼル・クロウが何とか声を上げた。
読んでくれている人がいるとわかるとテンションが爆上がりします。
星1でもいいので評価していただければ幸いです。
ブックマークをして頂ければさらに喜びます。
何卒、何卒ぉ




