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55話.目的のために。

話が進まない…。


補足です。

森や平原など普通の場所に現れるやつを魔物、ダンジョンに現れるやつをモンスターとしてます。

自分でもちょいちょい間違えてる気がしますけど、間違えててもドンマイ的なマインドでお願いしま

す。

「大丈夫か?」


 ノエルが目を覚ますと、フランクがそう声を掛けてきた。

 フランクは普段と変わらない様子で、ノエルの寝ているベッドの隣に持ってきた椅子に腰かけている。

 それでも、ノエルにはフランクのほんの小さな変化から、一睡もすることなく自分を見ていたことを理解した、


「うん。ありがとう。」


 未だ顔色はすぐれないだろう。

 汗を吸った前髪は未だ乾ききらず、肌に張り付いて不快だが、痛みも冷や汗も収まっている。


 フランクはそれを聞いて安心したのか、一つ大きなあくびをした。

 どこか抜けているように見えて、いつも張り詰めているフランクのそんな様子に、ノエルは思わず笑みを浮かべる。


「ふふっ。一旦寝る?」


 湿った栗色の髪の毛を耳に掛けながら、フランク用のもう一つのベッドを視線で示す。

 それにフランクは、旬陣するかのように視線を動かすも、首を横に振る。


「…いや。ここからは余裕があるとはいえ、まだ余裕がある訳じゃないし、行こう。」


 フランクのこの発言は、賜呪地での彼を知っている者は誰でも驚くだろう。

 

 彼は賜呪地の森で魔物と戦う時、常に今出来る万全の状態を求めていた。

 確かに、幼少期から賜呪地に居たのであれば、そこに行き着くための大きな失敗には事欠かなかったことだろう。


 それに加え、彼はこの旅の目標や予定に対して、あまり興味を持っていないこともすぐに分かることだ。

 元より彼は、唯一無二の友人を得られればそれで良いと言っていた。

 ノエルがいる以上、彼がこの旅自体に興味を持つことがないだろう。


 同時に、そのノエルがこの旅に積極的である以上、フランクは旅を続けざるを得ない。


 気を失いかけながらでも、予定通りに旅を進めようとしたノエルを見て、自分も多少の無理は許容することに決めたのだろう。


「…そっか。じゃあ、今日はどこかのダンジョンに行こうか。」


 ノエルもフランクが自分を曲げた事に、その原因が自分にある事に気付き、ある種の申し訳なさと嬉しさを感じていた。


 ダンジョンに潜るにしても、二人はそれがある場所すら知らない。

 何をするにしても、二人はギルドで知識を得なければならない。


「なら、探索者ギルドに行くか。」


 フランクもそう考えたのだろう。

 普段の彼より、少しだけ緩慢な動きで椅子から立ち上がる。

 ノエルも、いつもより少しだけ気怠い身体を起こして、探索者ギルドへ向かう準備を始めた。


 朝の探索者ギルドには人が少ない。

 正確には、起きている者は少ない。

 ある者は机に突っ伏して、ある者は壁にもたれかかる様にして、またある者は床に直接寝転がって寝ている。


 帝都であればいざ知らず、このような辺境の村の探索者など、他の村から追い出された者や、孤児などが多いはずだ。

 探索者になりたての頃の気持ちは少しずつ消えて、ある程度安定して稼げるようになってしまえば、夜まで酒を飲み、昼が来ればまたダンジョンに向かうだけの生活が始まる。


「ここなんか、良いんじゃない?」


 ノエル達はそんな朝の探索者ギルドで唯一起きていた、受付嬢のロゼットに声を掛けた。

 ロゼットは二人の言うことを予期していたかのように、事前に机の上まで持ってきていた、近辺の地図と、ダンジョンの情報が書かれた紙を手渡した。

 それらを二人で分担して読みながら、隣に座るフランクに肩を寄せて、一つのダンジョンに書かれた紙を見せる。


「『不死者の洞窟』…?」


 出てくるモンスターと、ダンジョンの特徴からそう名付けられたダンジョンだ。


「うん。地図で言うと場所はこの辺りで、アンデット系のモンスターが出てくるんだって。」


 ノエルは思わず「僕たちが来た方」や、「賜呪地の方」と言いかけた自分を抑えた。


「一層で出てくるのはスケルトン。人型で武器は持っているが錆びているか、折れている剣か槍しか持っていない…か。」


 フランクは更に書いてある内容を読み進めながら、右手の人差し指で顎をこすりしばらくの間、何かを考えた後に一つ大きく頷いた。


「うん。いいんじゃないか?子供でも走って逃げることが出来るくらい動きが遅いらしいし。」


 ノエルが読んだ情報の中には、一層から犬型のモンスターが出てくる場所もあった。

 ノエルと出会うよりも更に前に、フランクは一度逃げ切るつもりだった魔物から追いかけ続けられたことがあるようだ。

 それから、フランクは自分が相手に本気で追いかけられたら逃げ切れるか、それを重視するようになったと語ったことがある。


 当然ノエルはそのことを知っており、始めから足の遅いモンスターが出るダンジョンだけを探していた。


「ねえ、ロゼットさん。このダンジョンに潜るのに、何か条件は有るの?」


 目標へ確かに進みつつある。

 その高揚感がノエルを自然と笑顔にした。

 無意識のうちに口調は、柔らかい物になっており、それらを向けられたロゼットは眉をひそめた。


「あの、そちらの方は本当に男性ですか?虚偽の申告であれば登録を抹消いたしますが…。」


 どのような者であれ、探索者の登録を望むものをギルドは断ることが出来ない。

 それは帝国法で定められたことであり、それ故に登録の際の質問は茶番じみた物になっている。

 だが、その質問に限らずギルドへの虚偽申告による登録抹消も、ギルドの規定として定められたものだ。


 それ故に、ロゼットは改めて確認をしたのだろう。


「えっ…。はい。えっと、どうしよう…。」


 普段であれば、憤りを覚えるはずのノエルだが、ロゼットの淡々とした口調に視線を泳がせた。

 ノエルが思いつく限り、唯一の証明する方法を実行する訳にもいかず、俯きながら時折フランクに助けを求める視線を送る。


「いえ、本人から聞ければ十分です。ご質問についてですが、そのダンジョンに潜るためにはこちらをお持ちであれば問題ありません。」


 そう言いながらも、ロゼットは二つの銅板の付いたネックレスを取り出した。


「昨日渡す前に帰られてしまったので。」


 本来であれば登録完了後、しばらくの時間を置いて渡されるはずの、探索者としてのランクを示すギルド証だ。

 言われるまで出さなかったところを見ると、このロゼットと言う受付嬢は優秀ではあるが、仕事に熱心と言うわけではないようだ。


「神へ至る為か…。」


 宝石を見るかのように目を見開き、ギルド証に夢中になるノエルの隣で、フランクが小さくそう呟いた。

読んでくれている人がいるとわかるとテンションが爆上がりします。


星1でもいいので評価していただければ幸いです。


ブックマークをして頂ければさらに喜びます。




何卒、何卒ぉ

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