44話.再会の予感
戦闘までは入れなくて草
この後、短編?も上げてみる予定なんでそちらも見ていただければ幸いです。
俺とアンバーがオークウォーリアーを討伐してから、数か月後に護衛依頼中の冒険者達がオークウォーリアーが率いるオークの集団の襲撃を受け、返り討ちにしたことを皮切りに。
それから二年の間に、徐々に数組の冒険者達がオークウォーリアーを討伐した報告が上がって行った。
現在の王都周辺は、森の中で増え続けているオーク達と人間という、二つの種族の戦場と言えた。
王都の以外からも、何人かの冒険者達が救援として王都に来た。
冒険者ギルドでも森でのや、オーク種に対する戦闘の指南を受けられるようになった。
冒険者以外にも、学生や、食料や装備の材料を生産する者、それを運ぶ商人などを含めた人間全体の、総力戦とも言える雰囲気が王都に満ちていた。
前世でも命と言わずとも、今後の人生を大きく左右するとわかっている試験などでは、多くの人間がその程度に差はあれど、努力していた。
実際この世界でも、オークと言う目に見える脅威が、自分の知り合いや、仲間を傷つけたところを目撃した者なんかは自分に出来ることはないかと、探していた。
そんな中で、冒険者ギルドでアンバーを待っていた俺に一つの情報が入ってきた。
「すごく強いオークウォーリアー?」
魔物には、人間と同じように、同じ種族であっても行動や、発想に違いがありそれによって当然強さも違う。
それでも、種族ごとに上限と下限が恐らくあり、その壁を超えるのは為に進化すると言うのが、最近の一般論だった。
だからこそ、噂になるような程強い魔物と言うのはなかなか存在せず、俺の気を引いた。
「そうなんです!腹は脂肪は少なく筋肉質で、片眼が切り傷のようなもので潰れているらしいんです。」
オークウォーリアーを討伐した経験のあるチームに所属する、話好きの青年が言った情報に、俺は心当たりが有った。
「それって、あなたが逃がした個体じゃないの?」
いつの間にか用事を済ませて帰ってきていた、アンバーも同じことを思ったのか俺の後ろから声を掛けてくる。
「うん。多分僕もそうだと思う。」
恐らく、以前大量発生したオーク達を調査するための依頼を、師匠に丸投げされたときに戦った個体だ。
腹の肉は俺の魔法で飛ばしたものが再生しきれずにその下にあった筋肉が、皮膚の下に来ているのだろう。
そして何より、片眼に傷があると言う点。
俺の中であの時に仕留めきれなかったと言う後悔にも似た、何かモヤモヤとした心残りが、あの時の個体であってくれとすら思わせる。
アンバーと自分の命を真っ先に考える様にと、していたにも関わらず、他の町に移らず冒険者を続けていることは、もしかするとその心残りが原因なのかもしれない。
「フランクさんが戦ったのに、逃がしたんですか…?それなら、噂になっていても不思議じゃないですね。」
本当に驚いた、といった表情の青年に俺は思わず苦笑した。
「本当に同じ奴かはまだわからないし、戦ったのは結構昔なんだけどね。もし同じ奴ならその時もオークウォーリアーだったから、強さは大きく変わっていないはずだよ。」
次戦えば勝てる。
そう言う意識を強く持ってそう言った。
種族と言う縛りの中で強さが決まる魔物と違い。
人間は成長と努力によって強くなっていく。
あの頃と強さが変わっていないなら、今の俺なら絶対に逃がすことなく仕留めきれる。
「なるほど…。でも、戦ったのが結構昔ってことは、多分もう戦闘経験は十分のはずってことですよね…?それで進化出来ていないってことは…。」
顔を少し下に向けながら、自分に呟くかのように言う青年に俺は首肯し続ける。
「なにか精神的な壁を越えられていないって事だろう。現状で強いのなら、進化される前に何とか倒しておきたいところだね。」
俺の発言に、青年は顔を上げ少年のような明るい笑みを浮かべた。
「そうだ!それを言おうとしてたんです。今度、そのオークウォーリアーの討伐を目的とした指定依頼を魔術塔だけでなく、学園や騎士なんかも含めて出すらしいですよ!」
いったいどこから知った情報なのかは不明だが、彼が言うならかなり確かな情報なのだろう。
「学園はまだしも、オークウォーリアーに騎士や魔術塔の戦力は過剰な気もするけど。」
それらはどちらかというと、王都を守るための戦力であり、最低でも中堅の冒険者程度の戦力として見込めるらしい。
もっとも依頼である以上、それを受けるのは個人の自由ではあるで、組織としての役割を果たせなくなるほどの人数が来ることはないだろうが。
「冒険者がメインターゲットと戦って、騎士や魔術塔の方々はその周囲で増援に来る可能性のある群れを抑えていただくらしいです。」
俺は参加したことはなかったが、ここ数年で冒険者側がオーク側に攻め入る作戦を立てたことが何度か有った。
だが、その度にオークの増援が来て、満足のいく成果を得られていないと言う話は聞いていた、
今回の過剰とも思える戦力は、そう言った経験からの判断という事らしい。
「なるほど…。アンバーさんはどうする?」
今までの作戦に参加しなかった理由は単に、リスクが大きいと判断したからだ。
だが、今回は人間側の戦力は十分だろう。
そう思って、アンバーにこの作戦に参加するかどうかを聞いた。
正直に言うなら俺とアンバーなら、今のまま危険な依頼など受けずに、オークを狩る日々をおくれば十分に生活できる。
だから、アンバーは難色を示すと思っていた。
「どうするって、あなたは行きたいんでしょう?いいわよ。行きましょうか。」
そんな俺の予想は大きく外れ、アンバーは微笑みすら浮かべながらオークウォーリアーの討伐依頼に参加すると言った。
「わあ!本当ですか?実は僕らのリーダーも参加するつもりみたいで、僕も出来るだけ強い人に参加してもらえるとありがたいんですよ!」
笑顔で青年そう言った。
不安と焦れるような感覚を抱えながら数日、何故か上機嫌なアンバーと共にいつも通りオークを狩りながら、オークウォーリアーの討伐依頼が出るのを待った。
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何卒、何卒ぉ




