39話.魔眼授与
なんか前回、書き終わった違うなぁって思ったんですけど、後日読み直すとそんなおかしくもないかって感じもしたんですよね。
だから、今回のなんか違うなぁってところがあるけど、まぁ行けるやろの精神で行きます。
元々続けることが目的みたいな部分あるんでセーフと言うことで。
次回は三年くらい経って、冒険者として活動するところを書きます。
こっから五十話までほぼどの話でも戦闘してる感じになれれば、目標通りなんですけど。
どうなるんですかね。
「どうって…。」
飛行魔法を使って移動していた師匠が、急に着地したかと思うと、何やら真剣な表情した問いかけに、俺は困惑していた。
「どうやって着いてきている」と聞かれても「魔法で体を強化して、走ってます」としか答えられない。
だけど、そんな程度のことは師匠も観れば分かることだ。
つまり、質問の答えとして期待しているもの、質問の意図とはズレた答えになることは目に見えている。
そもそも、師匠が俺の魔法で付いていける程まで、飛行魔法の速度を落としているから、俺はついていけてるだけだ。
だから、心に正直に答えるなら「あんたが俺が付いていけるぐらいまで速度を落としているからだろ。」と答えてしまいたい。
もちろん、もし言うにしてももう少し言葉は選ぶが、そんな内容になるのは間違いない。
様々な考えが頭をよぎり、その全てが自分の頭の中で否定されていく。
しばらく、師匠の求める答えを考えてうんうんと唸って、俺は一つの答えに辿り着いた。
「何のことかわかりません。」
即ち、開き直って素直になってしまおう、と言うことだ。
より詳しく何が聞きたいのか、質問を重ねてくるだろうと予想してたが、今度は師匠が首を傾げ始めた。
眉を顰め、さっきまでの俺と同じように、うんうんと唸り始めてしまった。
「走っている時、魔法は使っているだろう?」
しばらく唸った師匠は、基本的な確認から入ることにしたらしい。
「え?ええ、はい。体を強化して走る速度は上げてました。」
俺は素直に自分の使っていた魔法について説明する。
この世界の人間の誰もが強弱の差は有れど、無意識に使っていると、俺に教えてくれたのは師匠のはずだが。
「お前…、実は前世で武術の達人だとかで、気配とかいうわけのわからないのを感じる輩じゃないよな。」
幽霊でも見るかのような視線を向けながら、変なことを確認してくる。
「気配…?いや、違いますよ。」
気配なんてオカルト臭い、と思ったが、魔法がある世界で言う事ではないのだろう。
だが、気配と言う単語から、何となく師匠が聞きたいことが分かった気がする。
「なら、俺が進行方向を変えた時、どうやって俺についてきたんだ?こちらを見ていたわけではないだろう。」
最初の質問から、少し言葉を変えただけなのに何を聞きたいのかはっきりした。
俺はずっと自分の移動速度や、木を飛び回る移動方法のことだと思っていた。
「あぁ、なるほど。…。」
魔法とは魔術を使って、世界に何らかの作用を起こすものの事だ。
そこには必ず、魔力やマナの消費がつきもので、俺が使っていた技術にはそういった消費はない。
些細な技術であり、師匠からすればその程度の事かと呆れられる可能性もある。
「…。代わりに、師匠も何か具体的な魔法を一つ教えてくれませんか。」
だから、最初に言質を欲してそう言った。
それに対する師匠の反応は予想通りで、苦虫を嚙み潰したような表情をしてこちらを見る。
「それは…。お前がやってることが、どの程度有用かによるな。」
師匠から帰って来たのは、先に情報を出せと言う返答だった。
あまり、そういう交渉みたいなものは得意ではないのだ。
魔法についての事ではあるし、師匠は言ったことを曲げることはないだろう。
「わかりました。」
そう言って俺は、魔法の練習を始めた当初に見つけた、マナの感知を使った物体の間接的な感知であること。
スリガラス越しに何かを見る程度の精確性しかない技術だが、師匠の向き程度なら分かったことを伝えた。
「ハッハハ。なんだそれは。」
それを聞いた、師匠は突如笑い始めた。
それから、師匠は話を始めた。
曰く、師匠が転生してきた多くの世界では、魔法で敵の位置を把握することは必須技術であり、複数の人間が組織として行動する場合、敵の位置を把握する役割の人員が一人は居る世界だったらしい。
当然その組織が大きくなると、敵に位置を誤認させる、敵に位置を知られたことを知るための役割などが必要になってくる。
当然、師匠はその探知の魔法も、それを阻害する魔法も知っているのにも関わらず、俺に位置や向きを知られて事は驚くを通り越して、笑ってしまうようなことだったらしい。
探知魔法の基礎どころか、魔法にすら満たないこの技術は、相手に感知されてたことに気が付けない。
少なくとも、師匠は気付なかったと言った。
そう話している間の師匠は、かなり珍しいレベルでテンションが高く、体全部を使ったジェスチャーまで見たのは初めてだった。
「そうなんですか。」
かなり上機嫌な様に見える師匠に、俺はそう返すしかなかった。
恐らく、師匠の中で大きな発見とも言えるのだろうが、俺としてはそういう世界もあるのかと言う感覚しかなかったのだ。
何となく自分の見つけたものが評価された嬉しさより、その自分よりテンションの上がった師匠に若干引いてしまっていた。
「そうなんですか。って、その世界で俺の組織とお前の組織が戦ったらお前の組織が勝つってことだぞ。」
師匠は少し呆れた、というか疲れた様子で言った。
「なんか、それで勝っても勝った感なさそうですけど。」
そういう感覚を求めているわけではないが、どうせなら自分が活躍して勝ちたいと思ってしまう。
「まぁ、それは良い。しかし、これは面白い。これ以上の発展性はかなり少ないが、それは魔法ではないから仕方ないとして。こんなもの、自分が動いたことで発生した風を感知されるようなものだ。ハッハハッハ。」
名前もない技術にまた師匠が夢中になり始めそうだ。
「それより、これは師匠にとって有用ってことでいいですよね。」
これだけ熱弁したのだ、有用でないとは言わないだろう。
その熱弁に誘われたのかは定かではないが、話の途中で何回か魔物にも襲われたりもしたのだ。
もっとも、その魔物達は師匠が話しながら発動した魔法で、跡形もなく吹き飛んだが。
「あー、まあ、そうだな…。まぁいいか。」
師匠の声は急に冷や水を浴びせられたみたいに、どんどんとしぼんでいった。
「そうだな。これから、お前に魔眼を授けてやろう。」
読んでくれている人がいるとわかるとテンションが爆上がりします。
星1でもいいので評価していただければ幸いです。
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何卒、何卒ぉ




