38話.新たな発見
マリウスが情緒不安定になっちゃった感があったので、こういう気持ちだったてきな解説と。
世界観の解説と物語の進行をしようとしたら上手く纏まる気がしなかったのでちょっと短くなりました。
ごめ~ん、上手くいかんかったー。って感じです。
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<マリウス視点>
大量発生したオークの調査にフランクを半ば無理やり行かせたしばらく後、冒険者として一緒に調査に行っていたらしいアンバーが取り乱した様子で、俺の部屋に来た。
その様子で大体何が起きたかは想像できたが、話を聞くだけ聞いてやると、オークの進化個体であるオークウォーリアーが現れ、撤退を余儀なくされた、その時オークウォーリアーと戦っていた冒険者を助けるためにフランクが一人残った。
アンバーの話をまとめるとそんなことを、二度、三度繰り返していた。
その話を聞いた時、正直俺はフランクのことを心配はしていなかった。
あいつのマナや魔力を考えれば、いくら使える魔法に制限が有ろうと、オークウォーリアーに苦戦するとは考えられなかった。
いざとなれば、魔力によるゴリ押しで高出力の魔法を発動させてしまえばいいだけなのだ。
アンバーが四度目の話をはじめそうになったところで、とりあえずアンバーを抑えるために、「俺が見に行ってやる。」と言ってみたが。
「なら、私も連れて行って。」
なんて言い始めた。
俺の予想ではフランクは既にオークウォーリアーとの戦闘を終わらせて、王都に帰ってきている頃だ。
見に行ってやると言ったものの、俺は王都の門の前までしか行く気はなく。
魔法で空を飛ぶことも出来ないアンバーを連れて行けば、時間を掛けて森の中に入った挙句、フランクと入れ違いになるという最悪のパターンが想定された。
「…。」
そこで、めんどくささが頂点にまで達した俺は、アンバーを魔法で眠らせて、横になる。
「えっ?行かないの?」
隣で話を聞いていたセレナが、驚いた表情で俺を見てくる。
「あいつがオークウォーリアーに苦戦するとは思えない。もうちょっとしたら、帰りぐらいは見届けに行ってやる。」
アンバーは置いておくとして、フランクは前の弟子から数えると、四、五回転生したぶりの、俺の弟子だ。
フランク自体が一度目の転生なため、戦闘力は他の転生者よりも圧倒的に低い。
だが、一度目の転生であるが故に、他の転生者とは違う発想で魔法をとらえる。
その大半は夢物語のような物だが、時折、何十回も転生した俺には最早出来ない発想をする。
魔法を極める、と言う点において、本来邪魔にしかならないはずの者を弟子にするのは、そういう瞬間の為だ。
「ふーん。でも、マリウスが自分から部屋を出るなんて珍しいじゃん。案外、弟子の活躍を楽しみにして居たり?」
そのセレナの言葉に確かに、浮かれているというか、何かを期待している自分がいることに気が付く。
元ゴブリンである俺は、人として転生した今でも薄暗い洞窟のような明るさの部屋を好み。
滅多に、部屋から出ることはなく、確かに自分から必要もなく部屋を出ようとするなど、いつぶりかわからない。
「…。」
自分でもセレナの言葉通り、フランクの活躍を期待している部分があるという結論に行きつき、何とも言えない感覚に黙ることしか出来ない。
その後何となく居心地が悪くなって、アンバーの世話をセレナにまかせて想定より早く部屋を出た。
早く部屋を出た分、ゆっくりと移動するために街を歩く。
途中、オークキングが出たと言う話を聞いて、一度足を止めたが、ピンクの髪をしたモヒカンの男が相手をしていると聞き再び足を動かし始めた。
あいつもフランクとは別の意味で面白いものだ。
初めて目にした時は、気でも狂っているのかと思ったが、そのような振る舞いは見せず、安定していた。
少なくともあの人間がオークキングに負けるとも思えなかった。
考えも煮詰まったころ、フランクが帰って来た。
だが、そこでフランクから聞いた話は、俺が期待していた物ではなく、フランクがオークウォーリアーに苦戦したと言う内容だった。
自分でも想像していない程の、歯がゆさから、普段はしないアドバイスのようなものまでしてしまった。
元々、俺が弟子を取る理由は、魔法、魔術の基礎を教えることで、俺に出来ない発想を持ってその応用を弟子自身にしてもらうためだ。
凡人でしかない俺には新しい物の発見はできない。
それ故に、それを誰かにやって貰っているのだ。
弟子に何を教えれば自分にプラスが帰ってくるか、それが弟子にした者に対しての物を教える基準だった。
フランクも他の弟子も、しばらく魔術を教える内にそれを察した。
「はぁ?戦闘に使える魔法を教えてほしい?」
だから、オークの調査から帰って来た次の日のフランクの発言に驚いた。
使える魔法と言うものはつまりは、応用の余地のない、発想の余地のない完成したものだ。
それを俺に教えろと、そう言った。
「お前が求めているのは、魔法の種類、完成形ではなく、それを使った戦闘方法だろう。」
オークウォーリアーに苦戦した自分を変えたいのだろう。
だが、フランクの魔力量を考えれば、魔法を多用する戦闘スタイルであればオークウォーリアーに苦戦することもなかっただろう。
「…なんか適当に依頼を受けてこい。お前が戦っている所を見て治せそうなところを言ってやる。」
(面倒なことこの上ないが、そこからこいつが新たな魔法を考えることもあるだろう。)
そんなこともそうそうないだろうが、何とか自分にやる気を出させるために、俺が納得できそうな言い訳を考える。
それを聞いた、フランクは走って冒険者ギルドへ走って行った。
その後、帰って来たフランクが持ってきたのは、森の辺縁まで広がったオークの残党狩りを目的とする討伐依頼だった。
オークキングも討伐で来た訳ではないらしく、あの森はオークの支配領域となることは明白だ。
それによる被害を人に向けさせないための依頼だ。
「もう少し苦戦しそうな依頼を持って来るべきだったが、まあいい。」
フランクは、善性に満ちたこの世界の常識に染まりすぎなのだろう。
ほぼすべての人間が、ほぼ百パーセントの善意を持って生まれてくるこの世界は、他の世界の価値観から見ればぬるいと言われる常識だ。
かなりの高度を飛んで移動する俺に、フランクは走って並走する。
木と木を飛んで移動する姿を見ながら、器用なものだと感心する。
そうやって、しばらくフランクの移動と戦闘を観察していると俺はあることに気が付き、フランクの隣まで降りて問いかける。
「お前どうやって、俺の移動に付いてきている?」
読んでくれている人がいるとわかるとテンションが爆上がりします。
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何卒、何卒ぉ




