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この世界の評価は如何でしたか?  作者: シロナガスハラミ
第一章.人生に色彩あれ。
31/84

28話.過行く日々に、変わり行く人と、変わらない人。

まずは、ブックマークしてくれた一人増えたことが、この一週間で嬉しかったことのかなり上位に入りましたことをここにお伝えいたします。


以前、ブックマークして頂いたときも、アンバーの話を書いた後のような気もしますね。


ちなみに、一番嬉しかったことは、どれくらいの人が読んでくれているんだろうと確認した時に、直近七日間で、アクセスの件数がゼロの日がなかったことに気が付いた時です。


どこかのタイミングで、毎日読んでくれる、興味を持ってくれた人がいたって事ですからね。

めちゃめちゃ嬉しかったです。


今回はキャラ同士の会話はほとんどないですが、楽しんでいただければ幸いです。


追記

この話で主人公は十三歳になっているにもかかわらず、五歳の時に出会ったマリウスの姿が、七年前と変わらないとか書いていたので、変えました。


算数が出来ないことが、ばれましたね。

 冒険者ギルドで、アンバーの登録をした日から、数か月でアンバーは王都の学院に行った。

 ただ、アンバーが入学したのは、王立魔法学院の方だった。


 どうやら、両親と話し合い、入学先を変更して貰ったようだ。


 意外だったのは、ロバート達がそれを受け入れたことだった。

 貴族の長女として産まれた者が、貴族としての道を外れることを、すんなりと容認したと言うことだ。


 公爵家のような、権力を持った家であれば、敵対貴族からの批判されること必至だが、良くも悪くもヴァーミリオン家は男爵家で、子が家を継ぐことが出来る内では、最も低い位の貴族と言うことも関係しているのかもしれない。

 それでも、他の貴族が批判してこない保証もないし、貴族として生きていくことがアンバー自身の負担になるとしても、安泰ではあるのだ。

 貴族としても、親としても、なかなか認めないだろうと思っていた。


 それを知ってから、俺に出来ることを考えて、マリウス宛の手紙をアンバーに渡した。

 王立魔法学院は、一年目に基礎を学び、二年目にどこかの先生に弟子入りして、卒業まで、あるいは卒業以降も魔法を学ぶらしい。

 俺は、ほとんどマリウスを師事することが確定している。


 だが、アンバーが何の魔法に興味を持つかは、魔法学院にはどのような先生がいるのか知らないため、俺には分からなかった。

 故に、マリウスへの手紙には「アンバーが困った時に、助けてあげて欲しい」という内容になった。


 アンバーが入学して一年後に、オーランドが王立貴族学院を卒業して、家に帰ってきた。

 ロバートの元、家を継ぐために仕事を覚えていっているようだ。


 驚いたことは、妹のケイトが四歳から貴族のパーティーに参加して、それを楽しんでいたことだ。

 パーティーに参加するために、ドレスを着るたびに、くるくると回って「お兄さま、どうですか。」と見せてくる。


 おバカな子だと思っていたが、その無邪気さと、屈託のない、なんでも楽しむことが出来る精神からか、貴族のパーティーにおいては評価されているようだった。

 五歳の時に参加した、王都の舞踏会では、今までのパーティーで作った友人から、更なる交友関係を広めていったようだった。


 帰ってきたときには、アンバーが王都の舞踏会から帰ってきた時とは打って変わって、満面の笑みだった。


 アンバーも家に居なくなってしまい、数年間、ほぼ一人で自分の魔法の出力を上げる練習をしていた。

 特に身体強化のような魔法は、出力を上げてしまうと自分の体が壊れてしまう程の、筋力を出すことは出来ていたが、筋肉自体が壊れてしまうこともそうだが、腱や骨、血管に至るまで体全体の耐久力を強化しなければ、魔法としては意味がない。


 マリウスが刻印魔術の話をした時に、この世界で一般的に使用されている、イメージによる魔法は、使用者の無意識を大きく反映する、と言った内容の話をしていた。

 その事を思い出してからは、日常的に出力の弱い身体強化の魔法を使うようにすることで、俺自身が持っている人間が何メートルも筋力だけで飛ぶはずがないと言った、前世の知識、常識に阻まれた部分を少しずつ解きほぐすようにしていった。


 自分は今、異世界の住人であるのだと、出来うる限り意識するようにした。


 それ以外にも、剣を振るなどのこの世界で広く知られる鍛錬に加え、腕立て伏せや腹筋運動など、前世の筋力トレーニングをしていた。

 そのどれもが、効果があったとは言えないが実際に、身体強化の魔法の出力は、日を追うごとに徐々にではあるが増していった。


 幸いと言うべきか、前世の様に娯楽にあふれた世界ではないため、知識をつけるか、鍛錬をして、自分の技術を高め、それを楽しむことしかやることがなかった。


 王都の舞踏会から帰って来た、次の日からそんな生活を魔法学院に入学するまでの七年間、続けていた。

 普通の身長が伸びる成長に加え、筋肉がついてきたことで、体格も良くなってきた。


 持っていた剣も子供用の物から、大人用の物に変え、足りない筋力を身体強化の魔法で無理やり振り回して、魔物を倒すようになっていった。

 鎧も伸縮性と防御性能の高い膝当て意外は、駄目になったものから、革を継ぎ足したり、別の物を買ったりした。

 ただ、盾だけは元から体を覆うほどの大きさがあったことと、特殊な設計から、王都のあの鍛冶屋に行かなけば買い替えられず、様々な魔物を殴りつけ、もうベコベコと凹みが目立ち、少し小さく、軽く感じるものの、そのまま使っている。


 アンバーも入学してから、オーランドと同じ様に、定期的に手紙を送って来てはいたが、三年で帰ってくることはなく、学校の友人と、冒険者ギルドで見つけた人の、三人で冒険者をしながら、より深く魔法を学ぶことにしたみたいだ。


 俺もアンバー同様、魔法学院の方に入学し、一年を過ごした。

 その一年はアンバーも俺も王都にいたため、暇なときに会って、冒険談を聞いたり、あの先生はどうだと、学院の話をしたりした。


 学院の授業は魔法のことについてしかやらず、俺が勘違していたことは、魔法が使えるのであれば、魔法学院の方は貴族でなくても入学が出来ると言うことだ。

 むしろ、貴族としての権力や常識を平民に押し付けてしまうことで、将来の優秀な研究員が減ること懸念して、貴族的な振る舞いは嫌厭されていた。


 魔法学院に入学して最初の授業どころか、入学の時点で、貴族だろうと平民であろうと、魔法を使える者を輩出する割合や、その威力に大きな差がない事を教えられる。

 故に、権力を持っているから、あるいは持っていないからと言う理由で、慢心も絶望を感じる必要もなく、各人、努力を積み重ねていけばいいと言うのが、学院の方針であると説明された。


 魔法学院に入学してからの一年で、様々な学友と話し、各々の興味のある魔法について話し合った。

 特に、貴族でない者の実力の伸び方は驚愕の一言に尽きる。


 俺がそうであったように、貴族達はその豊富な財源で、家庭教師や書物を幼少の時から与えられていたのだ。

 そうでない者達は、一冊の書物か、たまに来る冒険者達から話を聞いたりしただけで、学園への入学を果たしたある種、天才とも言える者達で。

 そこに、学院の豊富な蔵書と、優秀な教師陣を与えられれば、凄まじい成長をなすのは必然と言えたのかもしれない。


 更に、魔術塔という、魔法使いが研究に専念するための施設に篭り切りと言われる、マリウスが平民でありながら、国に多大な貢献を齎す研究成果を上げているため、ここ十数年の魔法学院における平民の評価は急上昇していた。

 最も、マリウスからすれば、何度も転生した内に手に入れた知識の一部を披露しているだけ、なのかもしれないが、とにかく彼は話題に困らない人間のようだ。


 彼の研究室に入ることが出来るのは、現在彼を含めて三人だけと言われており、その高い実力から弟子になりたいと願う者は多かったようだが、その全てを断っていたようだ。

 だが、その弟子を取らない彼にも、最近例外が出来た。


 俺がアンバーに渡した手紙は、無駄ではなかったらしく、アンバーがマリウスと言うこの世界で一番の魔法使いの一番弟子として認められたらしい。

 そのことは、アンバーが送って来た手紙で書かれており、俺の手紙を読んだマリウスは、わざとらしく深くため息を吐いてから、アンバーの弟子入りを認めたらしい。


 そして、俺はその彼の弟子になりたいと願う者達と同様に、彼の研究室の扉を叩いた。


 すると、彼の研究室から出てきたのは二十台中盤と言った年齢の、茶色い軽いカールのかかった女性だった。

 おそらく、彼の研究室に出入りできる、マリウスと、アンバー以外のもう一人、マリウスの助手と言われる人だろう。


 噂だけは流れて来ていたが、もっと大人しそうな女性を想像していたが、どちらかと言うと、ギャルと言った印象を受ける女性だった。

 その人は、俺を見ると少し申し訳なさそうな顔をした後、要件を聞いてきた。


「あー、学生さん?ここはマリウスの研究室です。どんなご用件ですか?」


 丁寧な口調は少し無理しているのだろうか、言葉の間に言葉を選ぶような、一瞬だけ考えるような間がある。

 きっと、何度も弟子入りしようとする生徒の話を聞いてきたのだろう。


(そこで、うんざりした表情ではなく、申し訳なさそうな顔をするこの人は、たぶん良い人なんだろうな。)


「はい、私はフランク申します。マリウスさんに、約束を果たしに来た。とお伝え願えますか。」


 女性は、今までの者達とは違い、既に俺とマリウスに面識があることを理解したのか、少し驚いた表情をした後、了承したことを俺に伝え、扉を閉め研究室の中に戻って行った。


 しばらく、扉の前で待っていると再び扉が開き、八年前と変わらない姿のままの、マリウスが俺を出迎えた。


「よう!お前、遅かったな。」


 彼は初めてであった時の様に、新しいおもちゃを貰った子供のような笑みで、俺を見てそう言った。

読んでくれている人がいるとわかるとテンションが爆上がりします。


星1でもいいので評価していただければ幸いです。


ブックマークをして頂ければさらに喜びます。




何卒、何卒ぉ

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