21話.有利を積み重ねるということ。
金曜日にワクチン三回目を摂取したんですけど、三回目でも余裕でしんどいです。
皆さんもお気を付けを。
出来るだけ休日の前の日にするようにしてください。
主人公が魔力の鎧と呼んでるものの説明?的なものを次回か、その次くらいにする予定です。
後、第四世界のラスボス?の倒し方のキー的な部分を、次回にちょっと入れたいなって思ってます。
「貴様ぁ!日付変わって日曜に投稿ちゃうやんけー」って方。
すみませんでした。
まじで、文章書くのって時間かかるやなって。
後、10~20のまとめもそのうちやろうと思ってるので、もしよければ目を通して頂けると幸いです。
初めて採取クエストをクリアしてから、三日が経った。
毎朝、冒険者ギルドに向かい、荷車を押して、夕方になる前に帰る。
そんな生活を繰り返していた。
本当に、荷車を二台借りることになるとは思わなかったが…。
時々、狼型の魔物と戦闘しつつ、一日に採取クエストを4、5回クリアする。
主に平原で薬草を採取しているせいか、狼型と言う割には群れではなく、単体で現れることが多い。
三日間で四度の戦闘をしたが、一度、二体で現れた魔物がいただけで、他はすべて一体だけだった。
狼型の魔物の多くは森にいるらしく、平原にまで出てくる個体は、はぐれ者なのだろう。
フォルクス達は相手が一体の場合の戦闘は、魔物から攻撃されない場所。
つまりは、魔物の背後か側面から攻撃することにしているようだ。
そのために、一人が攻撃に集中し、それ以外が魔物の標的になり攻撃をかわす、受け流すことで自分の位置や、魔物の向きを変えて攻撃するようだ。
今までは、攻撃役はダニエルが担当し、フォルクスとアディルスティが魔物を誘導していたらしい。
そこに、俺が加わったことで攻撃役が二人になった。
盾を持っている俺ともう一人が一番前に出て、ダニエルともう一人が攻撃役になる。
四度の戦闘の内、俺は一度目は後ろで見ていただけだが、俺を入れた三度の戦闘の結果。
攻撃役はフォルクスが二人目になることが多く、誘導役はアディルスティが担当する流れになりそうだった。
一度、誘導役になったフォルクスが、突っ込んで着た狼型の魔物の攻撃を完全に見切って、そのまま背中側と腹側の真っ二つにしまったことがあった。
人間離れした、技術的に可能なのかもわからないものを見て、俺は凄い以前に、若干引き気味で剣の耐久面の心配をしてしまった。
アディルスティは持っている武器が短剣ということも攻撃役に向かないが、魔物の前に立った彼女はいつものおどおどした表情ではなく、無表情で目が据わった状態になる。
前までは、一番前に出て魔物を誘導していたのは、フォルクスではなくアディルスティらしい。
確かに、彼女の回避技術は素晴らしく、反撃を加えられそうなタイミングも少し手が動きそうになるものの、積極的に攻撃はせず魔物を誘導することに徹していた。
最も意外だったのはダニエルで、表情や普段の立ち振る舞いからは荒々しい野生の獣を思わせる彼だが、戦闘においては全く違う印象を受けた。
戦闘中の彼は、寧ろ声どころか息すら潜め、魔物の死角から凄まじい速度で急所をひと突きして、戦闘を終わらせる。
ある意味、静かに獲物を待つ野生動物に近いのかもしれないが、暗殺者を思わせる程の静かな行動をする。
全員が普段は出さない、全力を出して行動する。
前世からは考えられないほどの距離を一瞬で駆け抜け、目で捉え切れない速度で剣や槍を振りぬく。
そして、決定的だったのがまだ五歳に満たない彼らが、跳躍すると1メートル程度は軽く飛びあがることだ。
荷車の時程度の差なら、そこまで違和感を感じなかったが、理想とは程遠いとはいえ、身体強化魔法を使った状態の俺がその半分程度跳べる程度なのだ。
違和感を感じないほうが、おかしいだろう。
もっとも、違和感を感じても、なにも改善できるわけではないのだが…。
荷車を押しながら、そんなことを考えていると、突然フォルクスから話しかけられた。
「それにしても、最近は魔物が多いね、昨日は一日に二度遭遇したこともそうだし、同時に二匹の魔物と出会ったことも初めてだったよ。」
「そうなのか、俺はてっきりそういうものなんだと思っていたよ。」
魔物については徐々に調べているものの、そういう細かい情報と言うのは書物には書かれていない。
「うん、また複数の魔物が出たら、前回と同じようにフランク君に一体任せて大丈夫かな。」
この任せると言うのは、倒せと言うことではなく、時間稼ぎを任せるということだ。
俺が盾を持っていることもそうだが、疑似的にフォルクス達が相手する魔物が一体になるため、フォルクス達も今まで通りの立ち回りで速やかに魔物を倒せる。
そうすれば、一人で時間稼ぎする俺の疲労も少なくなるだろう。
「毎日魔物が出ると、臨時収入にはなるけど、武器の手入れが微妙に面倒なんだよな。」
ダニエルがため息交じりにつぶやく。
俺とアディルスティは、結局一度も魔物に武器を振ることなく戦闘が終わってしまっているため、絶妙に共感が出来なかった。
「確かに。ちゃんと討伐クエストをやるようになれば、それも毎日の一部になるのかもしれないけど。」
苦笑いをしながらのその発言に、真面目なフォルクスでも面倒と感じることがあるのかと、少し親近感を感じた。
「剣と槍ならどっちが手入れ楽なの?」
単に興味本位か、アディルスティがダニエルに聞く。
「わっかんねぇけど、普通は槍なんじゃねかな。刃の部分が少ないし。ただ俺の使ってるのは持ち手まで金属だったりで重いし、魔法的な強化のために細かい装飾とかついてるせいで、ちゃんと塗り残しの内容に錆止めとか塗らなきゃいけないのがなぁ。良いもん使わせてもらってるのは分かってるけど。」
ダニエルが眉を寄せ、頭を掻きながら答える。
初めて会った時、ダニエルが槍を持っていなかったのも、それが理由なのかもしれない。
(魔法的な強化…。そんなのもあるのか…。今度、調べよう。)
そこから、話は各々の家の話になっていった。
そうして、目的の薬草が生えている場所が見えてきたころ。
「「グルルルゥルルゥルルッ!」」
目の前に二匹の狼型の魔物が飛び出してきた。
種族としては、レッサーグレイウルフだろう。
今まで出てきたやつらも、全部この種族だった。
「チッ」
ダニエルが一つ舌打ちをするものの、それ以上何かを言うわけでもなく静かに武器を構えて、隙を探し始めた。
俺とフォルクスも押していた荷車から手を放し、それぞれ魔物の方へ走りながら、ダニエルとは逆にむしろ注意を引くために、あえて大きな声で話始める。
「なんでこいつらは!いつも前からしかこないんだろうな!魔物なら!不意打ちとかしてきそうなのにな!」
剣を抜いて盾を構えながら、魔物の一体が完全にこちらに、くぎ付けになっていることを確認しながらじりじりと斜め後ろに下がって、魔物とフォルクス達との距離を徐々に開けていく。
「レッサー種は普通の動物より!力はあっても!頭は良くないことが多いみたいだよ!案外!騎士道精神かもしれないけどね!」
フォルクスは魔物の攻撃をいなしながら、冗談を言う余裕まであるみたいだ。
俺は常にフォルクス達を視界に入れながら、時間を稼ぐことを徹底する。
フォルクス達を視界に入れることは、戦闘中はすべての敵を視界に入れて置けるようにするということもそうだが。
何より、一体魔物を倒し終えたフォルクス達が近づいてくる時に、俺と相対している魔物の死角になるようにするためだ。
もう、わざわざ大きな声で話す必要はない。
目の前の敵に集中するだけだ。
俺は盾を前面に突きだし、攻撃が当てられそうなタイミングであろうと、剣を振らないようにする。
後ろに下がることはあっても、決して前には出ない。
その異常な力で、こちらに飛びつき噛みつこうとしてきた魔物の頭を、盾で殴りつけ左右にずらす、あるいは上に押し上げたり、そのまま跳ね返す。
下に攻撃をずらしてしまうと、そのまま脚に噛みつかれてしまう可能性もあるため、極力避ける。
脚には防具をつけているが、わざわざ必要のないときに喰らってやる気もない。
俺は基本的に動かずに、どっしりと構えて盾で受け続ける。
そうしなければ、レッサーとつくものであろうと、完全に力負けしてしまう。
フォルクス達の戦闘が終わるまで、傍目から見れば、単調でつまらない戦闘だろう。
だが、それでいい、単調でも敵が行動するたびに、同じ行動を返し続けるだけで、有利が積み重なっている現状を動かす理由はない。
(これだけ殴ってりゃ、脳震盪みたいなのが起きそうなものだけどな。)
魔物と言うのは、つくづくわからないものだ。
多少のダメージが蓄積してきたせいか、あるいは疲労だろうか、魔物の攻撃の手が緩やかになって来て、そんなことを考える余裕が出てきたころ。
フォルクス達のほうの戦闘が終わったようで、声も上げず三人が凄まじい速度で、こちらに向かって来ているのが視界に入った。
最も前を走っていたダニエルが、姿勢を低くして突撃の姿勢に入ったのを確認してから、盾を少し引く。
(あの距離から届くのか…、届くんだろうな…。)
前世であれば、優れているなんてものではなく、出鱈目と言われるほどの距離だろう。
戦闘中にも関わらず、思わず口角が少し上がってしまう。
魔物が飛び掛かった、瞬間。
俺もこの戦闘で初めて、前に出る。
先ほど引いた分溜めた力を乗せて、力の限り魔物の頭を殴りつけ、頭だけではなく体ごと無理やり横を向かせる。
普通の動物なら、中型動物ならどこに当たっても致命傷になると思えるほどの一撃だが、魔物相手では数瞬の隙にしかならない。
だが、その数瞬をダニエルが見逃すことはなかった。
とてつもない速度で移動したはずなのに、音も、風すらなく、その槍で、魔物の首を貫いている。
これは完全に、仕留めただろう。
「ッシー!」
鋭い瞳を残したダニエルが、静かに歯から抜けるように息を吐く音は、蛇の鳴き声を思わせた。
「よし!とりあえず、終わったね。みんなお疲れ様。特にフランク君は一人で耐える役をやって貰って、助かったよ。」
フォルクスが戦闘終了の号令をかける。
「薬草の群生地も近いし、このまま荷車をに乗せて回収しちまおうぜ!」
先ほどの鋭い表情から、普段の雰囲気の戻ったダニエルが提案する。
まだ目的地も遠い状態で、遭遇した魔物の死骸は、運搬中の重量の増加による、時間と疲労の増加を警戒して回収しないことが多く、戦い損になるらしい。
「そうだね、この距離なら問題ないと思う。アディルスティとフランク君はどう思う?」
ダニエルの提案に賛成したフォルクスの問いに、未だ目の据わったままのアディルスティは静かに頷いた。
「うん、良いと思うよ。」
アディルスティの雰囲気に苦笑いしたまま、俺も答えた。
「よぉっーし!んじゃ!さっさと回収して薬草集めて帰ろうぜー!」
戦闘後だからだろうか、いつもよりテンションの高いフォルクスに従って、倒した魔物の死骸を回収して、薬草を集め、王都へと帰り着いた。
それから数日、何度か魔物と戦闘しながら、様々な種類の薬草の採取クエストを達成していたある日。
その日はいつもより森に近い、と言うより半分森に入ったところに、生えている薬草を採取していた時のことだった。
突然、俺の近くの茂みが揺れて、緑の肌をした小さな人型の魔物が声も上げずに飛び出してきた。
完全な不意打ち、偶然か狙ったのかは分からないが、盾を装備していない右側からの奇襲、咄嗟に右腕を出してしまったが、明らかに防御としては不十分だ。
(やばい!この状況で俺にできることと言えば…、「魔力の鎧」!)
以前、家庭教師に教えた時に判明したある致命的な弱点のせいで、ほとんど使っていなかったものだが、突き出した右腕に展開することが出来た。
だが、その鎧も結局役に立つことはなかった。
俺に襲い掛かってきた魔物が、攻撃を行う前に、派手な音と衝撃と共に跡形もなく弾け飛んだからだ。
(うるさ!ていうか飛んでくる小石が顔に当たって痛え。)
一瞬しか見えてないせいで正確ではないが、おそらく襲ってきた魔物はゴブリンと呼ばれるものだろう。
その脅威が去ったことを理解した、俺は割と呑気な考えをしていた。
「よう!お前、今面白そうなことしようとしてたな。」
上から降ってきた声に、反射的に視線を向ける。
そこには、12~3歳程度の青い髪の毛をした、強い理性を感じさせる、凛々しい顔立ちの少年が、空中に浮いていた。
読んでくれている人がいるとわかるとテンションが爆上がりします。
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何卒、何卒ぉ




