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この世界の評価は如何でしたか?  作者: シロナガスハラミ
第一章.人生に色彩あれ。
19/84

17話.防具と友人候補と

 ふくらはぎって脹脛って書くんですね。

 初めて知ったし、ぱっと出てきても絶対に読めない自信がありますね。

 

 モンハンで言うなら下位クエストで膝当だけ上位とかG級装備って感じですね。


 次回は主人公の謝罪からになることが、確定する終わり方になりましたねw

 防具の購入を決めてからも、サイズの微調整やなんやらで一時間程、店の中で待つことになった。

 基本的に店内で座って待っているだけだったが、時々オヤジが店の奥から出てきて微調整した防具を試着して軽く動くように指示されたりした。

 これまで防具をつけたことはなかったが、実際につけてみると思っていたよりも動きやすいと感じていた俺は、それほどこの調整に意味を感じていなかった。

 ただ、特注のものでもないし、ズボンでも裾上げや裾だしみたいなものかと思ってプロに任せることにした。


 実際に買うことになった防具は、盾に加えて、肘に届かないレザーグローブ。

 足を守るための脛当と腿当と膝当と細かくわかれていた。

 確か名前はグリーブ、クイス、ポレインだったか、正直明日まで覚えている自信はない。


 グローブは結局、盾を買ったせいで予算が足りず右手だけ買うことになった。

 素材はレッサーリザードマンという魔物の手、腕の革だそうだ。

 リザードマン系統は人型の魔物で、革を剥ぎ取って、軽く処理してしまえばそのまま防具として使えるとも言われるらしい。

 元が人型故に、その革は人の動きに適しており、外側に生えた鱗が防具としての硬さを確保している。

 オヤジは「採取クエストで出会う魔物や、低ランクの討伐クエストの魔物はこの鱗を傷つけることすらできない。」と言っていた。

 手のひらには剣を振りやすいように、強めの滑り止めがついている。


 グリーブ、クイス…。

 要は、脛と太ももを守る防具には、オークの腹の革を使っているそうだ。

 太った二足歩行する豚の魔物であるオークの腹の革は、その腹を支える耐久性、激しい動きにも耐える柔軟性を兼ね備えるらしい。

 さらに、オークの腹に武器で攻撃することは無意味と言われるほど、傷つけることが困難らしい。

 傷つけられたとしても結局脂肪で守られるので致命傷に至らないという意味も含まれているが…。

 とにかく、防具としては動きやすく胴体よりも、ある程度動く太ももと脹脛の防具として優れているそうだ。


 膝を守るレザーポレインには、グレートビッグホーンラビットと言う魔物の膝裏の革が使われているらしい。

 大人の男性が下から手を伸ばして、やっと首に手が届くほど巨大な魔物らしく、当然その足も巨大なのだとか。

 本来、駆け出しが買える性能のものではなく、王都のあるピンク髪の冒険者が民家の建材を集めるついでに、その足を食用として森から大量に獲って来るため、革が安価になっているらしい。

 どうやら、この魔物が大通りで売っている串焼きの正体らしい。


 他の防具に使われている革より、どの部分をとっても高性能だとオヤジに力説された。

 安くなっていると言っても、本来高性能の高級品で、革の使用量が少ない膝当にしか手が出せなかった。


 オヤジは「出来れば足首や足の甲を守る鎧も買ってほしいいところだが。」と言い、魔物が噛みつきにくいように靴の先に三角尖らせた金属を無料でつけてくれた。

 いざとなったら、噛みつこうとしている顔か首をこれで蹴り上げるなんかして、無理やり脛の方に狙いを逸らせる物らしい。

 何度も使うと、靴のほうがもたなくなるし、上手くいっても大して役に立たない、お守り程度のものだと言っていた。


 それでも、出来ることはやるべきなんだろう。

 その考えは理解できるし、無料でやってくれる善意には感謝してもし足りないだろう。


(やっぱり、この店を選んでよかったな。)


 もしかしたら、他の店でも同じようにしてくれたのかもしれないが。


(実際に俺を心配してここまでしてくれた、恩はいつか返せるようになりたい。)


 素直にそう思った。

 ロバートから受けた信頼も、店のオヤジから受けた心遣いも、前世では俺には向けられたことのないものだった。

 考えてみると、初めて誰かに何かしたいと思えたかもしれない。


 一時間程、店の中で座ったり、オヤジの指示に従いながら動いたりしながら、そんなことを考えていた。


「よし!こんなもんだろう!」


 さっきまで、あぁでもないこうでもないと、小さな声でうなり続けていたオヤジが、いきなり大きな声でそう言った。


「終わりですか?」


 正直俺からすると、確かに動きやすくなった気もするが、はっきり言うと調整前との差わからない。


「あぁ!関節が動きやすくなってるはずだ。わからないかもしれないが、長時間歩いたりするとこの微妙な差が疲労や、歩き方のゆがみに繋がるからな!」


 渾身の仕事が出来たのだろう、オヤジは満面の笑みを浮かべ、かなりのハイテンションで話している。


「そうなんですか、何から何までありがとうございます。」


 詳しい事のわからない俺ではあるが、その笑顔を見てると自然と笑顔になってしまう。

 この人がこれだけ言うのだから、きっとそうなんだろうと、確信めいたものすら感じていた。


「おう、当然よ!冒険者にとって足は命だからな。勝てないと思ったらじゃなくて、怪我をすると思ったら逃げて帰って来い。帰って来れれば対策も打てる…。だろ?」


 ここで言う怪我は、かすり傷や擦り傷のことじゃないんだろう。

 魔物と戦うときの話をするときは、このオヤジは笑わない。

 命のことだけではない、大怪我をするとその先の人生に影響すると言いたいんだろう。


(俺がもし、このオヤジのように話していたら、ロバートに説教させてしまうこともなかったんだろうな。)


「はい。」


 オヤジは冒険者じゃない。

 だが、どこか実感のこもった瞳で真っ直ぐこっちを見てくるオヤジに、俺は短く答えることしか出来なかった。


「よおし、なら大丈夫だな!今日は受けるとしても採取クエストにするつもりなんだろ?気を抜けとは言わんが、もう少し気楽に行ってきな。」


「はい!行ってきます。」


 俺に気合を入れようとしてくれているのだろうか、ニッ!っと歯を見せて笑うオヤジにこちらも同じようにして別れの挨拶をする。

 店を出て、先端に金属が付いた靴で歩く感覚を確かめながら、冒険者ギルドに向かう。


 時刻は昼を少し過ぎたくらいだろう。


 調整をしてもらったとはいえ、やはり防具をつけているところになにも違和感がないというわけではない。

 この違和感に、非日常を感じて気が高ぶっているのが自分でもわかる。

 もしかしたら、仕事着や作業着に着替えるとスイッチが入る人と言うのはこういう感覚なのかもしれない。

 もっとも、ベテランでも何でもない俺に当てはめると、緊張と言うのかもしれないが。


 多分、オヤジにはその緊張が危険に見えたのだろう。

 採取クエストの内容は昨日軽く見た程度だが、低ランクでは動物や魔物の角や牙を採るものはなく、植物系の素材だけだ。

 獲物が逃げる心配はない。


 オヤジの言う通り、気楽に行くべきなのだろう。


「はあっ、ふーっ。」


 冒険者ギルドの間に着くと、扉の脇で一人静かに深呼吸をする。

 何度か深呼吸を繰り返していると、扉から出てきた冒険者達の一人に少し笑われて、ムッとした表情を向けてしまったりもした。

 その冒険者は少し驚いた後、より一層笑みを増して、「頑張れよ。」と言って大通りから街の外の方へ向かっていった。

 悪気があったわけではないと、気付いて慌ててジェスチャーで伝えたが、彼が見ていたかは分からない。


 ただ、別のことを考えていたからだろうか、俺の緊張はかなりましになっていた。

 何度深呼吸しても、落ち着きを取り戻しそうになかったことが嘘のようだった。


 昨日よりも少し遅くなってしまったが、フォルクス達はいるだろうか。

 そう思いながら、冒険者ギルドの扉を開けた。


 結論からいうと、フォルクス達はいた。

 偶然か、俺が見つけやすいように配慮してくれたのか、昨日俺とフォルクス達が話した机で座っていた。

 どうやら、冒険者ギルドに併設されている食堂の料理を食べているようだ。


「防具屋に行っていて、少し遅くなってしまいました。待たせてしまっていたら、申し訳ありません。」


 机の方へ歩いて行き、フォルクス達が俺に気付いてから声を掛けた。

 昨日のフォルクスのように、友人と話すような砕けた口調の方が良いかとも思ったが、なんとなくこっちの方が話しやすかった。


「やあ、フランク君。それほど、待ったわけでもないよ。現にこうして昼食を取っている途中だしね。フランク君は、もう昼食は済ませたかい?」


 魚料理だろうか、食事の手を止め、フォルクスが笑顔で答える。

 まだ未成熟な子供ながら整った顔をしているとわかるフォルクスが、洗練された立ち居振る舞いで何かをすると非常に様になるものだ。

 ただ質問されただけだと言うのに、俺の中に好感すら湧く。

 こういう人間が、人たらしと言われたり、カリスマがあると言われるのだろう。


「まだなら、今のうちに頼んだ方が良いぜ。にしてもがっつり買い揃えたな。どういう装備なんだ?」


 貴族の子供とは思えないほど、口の周りを肉料理のソースで汚したダニエルが、ニィッと片方の口角だけを上げて聞いてくる。

 ダニエルは昨日とは違い、椅子に座っていても見えるような槍を背負っている。

 物を食べる姿からも、貴族と言うより、野生児や肉食動物などの印象を持つ人が多いかもしれない。

 

「フランク君。昨日ぶり、だね!ずっと立っててもあれだし、座って話そうよ!」


 昨日アディルスティと名乗った緑の髪の少女の言葉に、俺は「そうですね。」と返し空いている席に座った。

 彼女に対しては、昨日に比べて幾らか元気な印象を受けた。

 ただ、「座って話そう」と言ったきり俯いて、無言でサラダを食べ続けているので、少し無理してでも仲良くしようとしてくれているだけかもしれない。

 前世も含めれば俺が圧倒的年長者だ、何とかこちらからでも話題を見つけてあげたいが、あいにく俺も人と話すのは得意ではないのだ。

 大きく口を開けないように、リスやハムスターのような、小型のげっ歯類を思わせる食べ方をする彼女に、心の中で静かに謝罪しておいた。


 しばらくして、ウェイターに注文してからは頼んだものから、食の好みの話になったりして会話が進んだ。

 なかでも、俺が昨日着ていなかった防具に対して、ダニエルが強い興味を示していたため、俺も彼らの装備について会話が弾んだ。

 もし、彼らとの出会いが冒険者ギルドでなかったら、どこかの舞踏会であったならこんな話にはならなかっただろう。

 そうなれば、こんなに楽しく話すことはなかったかもしれない。

 人の出会いと言うものは、何か一つが違うだけで、その後の関係が大きく異なるのかもしれないと、強く思った。


 全員が食事を終え一段落着いた頃。


「それで、フランク君。討伐クエストのことなんだけど。」


 フォルクスが本題に入ろうとする言葉を俺は遮って、声を上げる。


「ごめん!」

読んでくれている人がいるとわかるとテンションが爆上がりします。


星1でもいいので評価していただければ幸いです。


ブックマークをして頂ければさらに喜びます。




何卒、何卒ぉ

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