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この世界の評価は如何でしたか?  作者: シロナガスハラミ
第一章.人生に色彩あれ。
18/84

16話.防具購入

日曜日に投稿できなかったのは初めてなので、初投稿です。


追記

この話投稿してからブックマークしてくれている人がいることに気が付きました。

ありがとうございます。

愛してる。


追追記

お風呂入ってたら、ブックマークしてくれた人と、評価してくれた人、別人説に考え至りました。

これは評価してくれた人に対してです。

どちらも同じ人なら、二度目となりますが。

ありがとうございます。

そしてI love you.をあなたに。

 ロバートに怒られた次の日、心配そうにこちらを見る使用人達に笑顔を見せることで安心させて朝食の用意された席につく。

 昨日までと同じように、ロバートと話しながら朝食を取る。

 いつもより少しの緊張が見えるロバートが、話題を振ってくる。


(夕飯は微妙な空気のまま解散になってしまったし、父親として何とか元の雰囲気に戻そうとしてくれてるんだろう。)


 前世で子供を持つことはなかった俺でも、なんとなくわかった。

 俺は怒られた内容に納得しているし、気にしていない。

 そう示すために、使用人達に見せたような笑顔で父親の振って来る話題に答えた。


 普段より、話す時間が長いぶん朝食も長くなってしまった。

 そんな朝食の終わりに、ロバートが布袋を手渡してきた。


 布越しに伝わってくる感覚から、硬貨であることは分かった。

 昨日貰ったも子供小遣いとしてはかなりの金額で、使い切れてはいない。

 だが、今手渡されたものはそれ以上の、金額だろう。

 前世の感覚でいうなら、大金と言ってもいい値段であることが中身こそ確認せずとも分かった。


 何のお金だと疑問に持つ俺を見てか、ロバートが口を開く。


「それは、少し多めだけど、革鎧を買うためのお金だ。採取クエストを受けるにしても魔物と遭う確率はゼロじゃない。」


「用心はしておくべき、と言うことですか。」


「そうだね、帰りは鞄には入らないだろうけど、護衛クエストを受けた気になって、着たまま数日過ごすしんどさを経験してみるのも一興だろう。」


「わかりました。少し歩いただけでもかなりの数の店がありましたし、どこで買うべきか迷いますね。」


 昨日、歩いている時に見た店をいくつか思い出しながら考える。

 ヴァーミリオン家御用達の武器防具屋みたいなものがあれば、楽なのだが。


「あー、それなら冒険者ギルドの近くにある店ならどこでも大丈夫だろう。たぶん、君と同じような人にアドバイスすることに慣れているよ。」


 なるほど、確かにそう言われるとそうかもしれない。

 もしも、ロバートに話を聞かずに買いに行っても結果的には同じになったかもしれない。

 だが、複数の店を見て歩いたりする必要がなくなっただけでありがたい。

 一分程度の会話で、長いときには数時間以上あるいは日単位で掛かる買い物をある程度短くできるかもしれない。


(今日、ギルドに行ってクエストを受けるなら、午前中には買っておかないといけないしな。)


「ありがとうございます。お金は・・・。」


 必ず返す、そういうべきかとも考えた。

 だが、親と子供という関係に加え、貴族における金銭のやり取りはどう返すべきなのか、まだわからなかった。

 直接聞くべきか、とも思ったが「必要ない」と返されることが目に見えている。


「君の納得できるように使って構わない。」


 五歳の子供に一人で持たせる金額でないことは、たとえ貴族であっても変わりはしないだろう。

 お菓子や玩具に使ってしまうかもしれない、それだけで使いきれるような金額ではないが、革鎧を買う分がその時には残っていないかもしれない。


 だが、ロバートは信頼していると示すように、ただ端的に答えた。


「わかりました。行ってきます。」


「あぁ、行ってらっしゃい。」


 ロバートの声を背に俺は家を出た。


 嬉しかった。


 今まで前世も含めて、誰かから信頼されたことなんてあっただろうかと考えてしまう。

 異世界に生まれ変わろうと、前世のことをきれいさっぱり忘れられるわけじゃない。

 なかったことに出来る訳じゃない。

 前世で習得した技能やいい考え方だけを、持ち越せるわけじゃない。


 こうして、誰かのあるいは自分自身のふとした言葉、ふとした立ち振る舞いが前世の記憶を呼び起こすときがある。

 フラッシュバックと言うのだろうか。


 どれも、嫌な気持ちにさせられるものだ。

 ただ、今回だけは違った。

 今まで、魔法が使えるだとか、直接的にどれだけ褒められようと、これほど嬉しくはなかった。


 五歳児にしては頭が良いのも、魔法が使えることも、どこか全部前世のことが関係していると思ってしまう。


 だが、今回は前世を含めての俺という人間が認められた気がした。


 ニヤニヤしていたかもしれないし、少し涙が出ていたかもしれない。

 周りの人からは、ヤバい奴に見えたかもしれない。

 少なくとも、冒険者ギルドの方に向かいながら、道行く人に変な目で見られたのは自覚している。


 そんな気持ちも、冒険者ギルドにつく頃には幾分か落ち着きを取り戻していた。

 三つの店でどういうものが欲しいかを説明して、試着をさせてもらった。


 驚いたことは、どの店でも胴体の鎧ではなく腕や脚を守るための鎧を紹介されたことだ。

 なんでも、王都近辺に現れる魔物は森にでも入らない限り、人型の物はまず遭遇しないとのことだった。


 角の生えたウサギのような魔物や、犬あるいは狼のような四足の魔物が多く。

 武器などではなく、角や牙や爪で攻撃してくるため、四肢を守ることを重視した方が良いと説明された。


 俺は説明を受けた店の中で唯一、他の店に加え盾を進めてきた店をで鎧を買うことにした。


「おっ、また来たのか。ここで買ってくれるってことかい。」


 店の扉を開くと、腕だけでなく首や肩の筋肉までが隆起した男が気さくに声を掛けてくれる。

 人によっては話しかけることもためらってしまうくらいの、ハゲた頭に強面のオヤジだが、少し話せばかなり親切で優しい人間だとわかった。


「はい。はっきり言って僕には防具の質は分かりませんし、値段も大きく変わらないようなので。」


 ずっと使い続けたものであれば物であれば、こだわりなんてものが生まれたりするのかもしれない、質もわかってくるのかもしれない。

 だが、わからないものは仕方ない。

 だから、わかる人に素直に聞くしかない。


「はっはっは、そりゃそうだ。生まれつき一目でわかっちまうなら、俺らも苦労しないだろうしな。」


 少し申し訳ない気持ちだった俺を見てか、防具屋のオヤジは大きく一笑いした。

 気持ちいいいほどのオヤジの笑いに、つられてこちらまで笑顔になってしまう。


「そうですね、あの、実はまだ、聞きたいことがあって。」


 オヤジの笑いも落ち着いたころに、本題に入る。


「おう、どうせ買うなら納得して、買ってもらいたいしな。何でも聞いてくれ。」


「さっき相談させてもらった時に、左手はレザーグローブより盾の方が良いと言ってくれましたよね。」


「あぁ、確かにこの辺じゃ、脚を、たまに飛びついて腕を噛んできたりで攻撃してくる魔物が多いからな。近場で魔物を倒そうとするならまず腕と脚を守る鎧を奨められるだろう。」


 だが、と渋い顔をしながらオヤジは続ける。


「以前、俺が同じように手甲と足甲を進めた冒険者が、ホーンラビット系のモンスターに腹を突かれて大怪我をしちまってな。それ以来両手を使う武器を使ってるんでもなけりゃ盾を奨めるようにしてる。」


「それは、盾を持っていたら防げるようなものなんですか。」


「盾にあてれりゃ防げるだろうが、実際のところはわかんねぇ。怪我するときも、動物でも魔物でも獲物を狩れるときも絶対はない、どこかに偶然ってもんが存在すると俺は思ってる。だが、人間に限らず生き物の咄嗟の反応ってのはすげえもんだ。怪我する確率が少しでも減るならそっちにした方が良いと俺は思ってる。」


(なるほど、失敗した経験から盾を奨めていたのか。)


 それでも、もう一つ聞きたいことがある。


「盾の必要性は理解しました。僕は魔法が使えるんですけど、その魔法の関係で手元を自由にしておきたいんですよね。そういう盾ってありますか。」


「魔法!?そりゃすげぇ、確かに魔法は個人差がデカいって聞くしな。一度見せてもらうことは出来るか。」


 俺は魔物を倒すときの主力と考えている、手元で爆発する火魔法をかなり小規模にして発動させる。

 初めて魔法を使った時なんかとは、比べ物にならない程スムーズに発動させられるようになった。

 ボンっと小さな破裂音が店内に響く。


「かなり威力を抑えましたが、手元以外で発動させようとするとかなり違和感があるんですよね。」


「おお?その違和感ってのは、発動が遅くなるのか、威力が下がるのか?いや、それはまあいい、それはどこにでも発動させられるのか?」


「自分の体の周りなら一応どこでも発動させられますけど、威力が下がったりみたいなデメリットは今のところ感じたことはないですね。」


 それを聞くとオヤジは少し悩んだ後、「少し待ってろ」と言い店の奥に引っ込んでいった。

 しばらく待っていると、オヤジは所謂円盾と呼ばれる盾を持ってきた。


「悪い、ちょっと前に作ったもんでな、探すのに時間がかかっちまった。一回これをつけてくれ。」


 そう言って、俺に盾を手渡してくる。

 つけ方を教えてもらいながら、盾を一人でつけて構える。

 体の前に持っていけば、胴体のほとんどを隠してくれるもので、かなりの重量だ。


 盾の内側は腕を通すベルトのようなものが二本あり、そのベルトで腕に盾を固定する設計のようだ。

 確かに手元はかなり融通が利くし、手首も曲げれば盾の後ろに入って、盾で逸れた攻撃が手首に当たることもなさそうだった。


「ベルトの留金が魔物の攻撃に、どこまで耐えられるかがわかんねぇ。」


「それは、防具として致命傷な気もしますけど。」


「いや、そんな軟な作りには当然してねぇ。いろんな文献を読み漁って作った傑作だ、耐久テストもした。ただ、オークやオーガの攻撃を受けると流石にどうなるかわからない。これから冒険者として生きていくつもりなら、どっかのタイミングで買い替える必要はあるものってことだ。」


「なら、このあたりで使うには支障はないってことですよね。」


「そりゃそうだ、そうじゃなきゃ奨めはしねぇ。ただ買い替えるべきタイミングてのを、俺自身も把握できていないから自分で考えてもらわなきゃならねぇ。」


「それなら、大丈夫ですよ。僕はこの盾が気に入ってしまったので、正直購入することは決めています。」


 何が大丈夫なのか、根拠も何もないが、しっかりと体を守れる作りになっていると思った。

 かなり改善を繰り返したのだろうと思える物で、俺からのオヤジに対する信頼も含めて買うことした。

 ロバートも俺が納得できるように使えと言っていた。


「そうか、ありがとうよ。なら他の防具も合わせて、メンテナンスのやり方を教えておくぞ。」


 こうして、俺は初めて防具を購入した。

読んでくれている人がいるとわかるとテンションが爆上がりします。


星1でもいいので評価していただければ幸いです。


ブックマークをして頂ければさらに喜びます。




何卒、何卒ぉ

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