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7.恐怖による覚えさせ方

 流石に全てのスライムを復活させる事は出来ないので9体のスライムを復活させる。


「これでさらに9000SPね」


 スライムを9体復活させるには訳がある。

 スライムが10体溜まると1段階大きなスライムになり、50体集まるとさらに1段階大きくなる次に100、1000、と増えていくと大きな一体のスライムになるのだ。


『フルフル』

『フルフル』


 撮影スライムが震えると合わせて9体のスライムが震え、撮影スライムがスライムを呑み込む。

 1段階大きくなった撮影スライムが現れる。


 ・撮影スライムが『適応』を発動させます


 スライムが撮影スライムの固有スキルに適応される事によってスライムが1段階大きな撮影スライムの1部となる。

 それから分離していくと、撮影スライムの1部なので分離した9体のスライムも撮影スライムとなっている。

 投影スライムは最大10体のスライムと連動出来るので今いる撮影スライム10体と連動させる。


「試して見るかな」


 核納庫の壁に投影スライムから投影させると10個の画面が壁に映る。

 それから撮影スライムの一体を40階層、座学を行っている階層に転移させる。

 そこに映っていたのはオーガ、オーク、トロールが凄いビクビクしながら必死に教科書を読んでは覚える為にメモをして隣の魔物と一緒に覚えている。

 何故か、必死に命が掛かっているかのように必死に覚えている。

 ドラゴンは元々知性が高いので文字などの練習よりも知識を覚えようとしている。


「何があった」


 ゾーラが魔物のみんなにある紙を配っていた。

 ミニテストだろうか?

 それを魔物達が解いて、ゾーラに渡してゾーラが丸をつける。


「音声が聞き取れないから分かり難いな」


 ゾーラが丸つけを終え、あるミニテスト3枚を見る。

 そこには98点、94点、99点、普通に高得点だが、ゾーラはそれを解いた魔物を前に呼び出す。

 呼ばれて居ない魔物は目を教科書に戻して呼び出された魔物は涙目だ。


「何が?起きたんだ?」


 本当に分からない。

 しかも、ゾーラが何故か剣を携帯している事にも疑問が浮かぶ。

 ゾーラがこちらを向いて、ゾーラと目があったように感じる。

 ゾーラがとことことこちらに向かって歩いて来ると、スっと手を伸ばして撮影スライムを持ったようなので映像がゾーラの顔の位置になる。


『じー』


 ゾーラがボーッと覗いた後に転移で俺の目の前に現れる。

 それと、撮影スライムも。


「覗きは感心しませんよモレク様」

「あ、ああすまんな。それと、なんであんなに魔物達は怯えていたんだ?」

「はて?なんの事でしょう?魔物の皆さんは懸命に頑張ってますよ」ニコッ

「え?では、なんで剣を携帯してんだ?」

「護身用です」

「このダンジョンいる魔物達はゾーラを襲わないと思うんだけど」

「それは分かってます。もしもダンジョンに侵入者が来た時にすぐに追い払えるようにしていたのです」

「⋯⋯そ、そうか」

「はい!」ニコッ

「ほ、程々にね」

「はて?」


 これ以上の詮索はしない方が身のためだろう。


『フルフル』

「これのスライム達は初めて見ますね?新種ですか?ラストダンジョンにいる魔物ですか?」

「違うよ。融合創作で融合したスライムだね。新種で合ってる」

「なるほど」


 ゾーラは投影スライムで投影されている映像を見ている。


「危なかった。流石にモレク様にバレると私の株が」ボソッ

「なんか言った?」「いえ何も」

「⋯⋯そうか」


 ゾーラは撮影スライムを地面に置くと、踵を返して答える。


「では、私は戻りますね」

「あ、ん」


 ◆◆◆◆


 一方ゾーラの教え方。

 時は少し遡る。


「では、私が今から皆さんに文字等を教えて行きます」

『グガ?』

「それと、まずは文字の勉強をしてください。30分後にテストします。それと⋯⋯」


 ゾーラは剣を構える。


「⋯⋯真面目にやる気が何のなら斬ります。テストで100点以外でも斬ります」

『主よ、マスターの前では猫を被っていたのか?』

「いえ、なるべく早く終わらせてモレク様の傍に居たいのです」

『この事がバレたら株が下がるのでは?』

「もしもモレク様に伝わったら⋯⋯この場にいる皆を斬ります」

『⋯⋯でも、我々は味方なんだから殺したところで核になるだけでは?』

「確かに。ただ、味方に殺された魔物はクールタイム無しで再召喚可能。そして、私は召喚が可能。もしもこの場で殺され、核になり、すぐにまた召喚され、殺され、この繰り返しは辛いでしょう?」

『⋯⋯』


 魔物達はゾーラの言葉をなんとなく理解して怯えて懸命に覚えた。

 そして、自分1人だけでやっても効率が悪いと感じ、工夫して覚えようとしていた。


 しかし、10分でトロールは飽きて遊んでいる。


「早く終わらせればモレク様に褒められるのに、この様な魔物がいるとモレク様はガッカリするでしょう」


 ゾーラから殺気が飛び出てきて、それを肌で感じたトロールはギギ、とゾーラの方に顔を向ける。

 ゾーラは真顔で剣を構えて、刀身にはゾーラの顔が反射して映っている。


「体罰です」


 それは見事な剣術、ゾーラの師は剣聖なので剣の腕前は相当凄い。

 綺麗な起動を描きながら遊んでいた三体のトロールの首を刎ねて、核になった瞬間にトロールを『召喚』して、何が起こったか分からないトロールはオロオロとしているが、斬られた感覚は残っているのだ。

 勿論、血も出るし痛い。


「あと、5回」


 その後、5回トロールは無惨にも慈悲も躊躇いも殺意もなく淡々と殺され核になり、復活しては殺されるのループを味わった。


 1度、モレクのところに転移して戻ってきたゾーラはテスト100点未満の魔物、オーガ1体、トロール2体が整列している。


『程々にしてくれ。同胞が斬られるのは見てられん。それに、お主も覚えないと行けないだろ?』

「そうですね。そろそろ教科書に目を通しますか。でも、⋯⋯その前に」


 目の前のオーガの頭に剣を突き刺し脳を斬り裂いて核に変えて再度召喚。


「今回はそれぞれの点数分にしてあげます」

『イヤダーー』

「お?喋れるようになったのですね。素晴らしい。しかし⋯⋯」


 ⋯⋯慈悲はない。


 そのお仕置を終えてからゾーラは教科書に目を通す。

 教科書は1000ページの辞書みたいな本だった。

 内容はバラバラであり、基礎知識が詰め込まれている。

 理解の内容だけではなく、この世界の文字、数学等もこの教科書に載っている。

 パラパラとページの高速でめくっていく。


 1秒後、250ページ突破。

 4秒後、1000ページ完結。


 内容を全て覚えたゾーラ。

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