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2.追放

 教皇がスキル鑑定までの流れを説明する。

 教皇の後ろには黒色の大きな長方形の石版が壁にはめられている。

 そこに手を当てるとスキル名が浮かんで、内容が神託として教皇に伝わるらしい。

 ついに、ついにダンジョンマスターのスキルを獲得出来る。

 まずはセシル1家だ。

 セシルの兄弟、姉妹はセシルと下に3人居て家より1人多い。


「それではセシル様、鑑定の石版にお手を」


 コク、と頷いて黒色の石版に手を当てる。

 ここにはスキル鑑定をする人以外の貴族もぞろぞろといて、国王も見ている。


 ・サイコキネシス


 セシルのスキルはサイコキネシスだった。

 エスパーの能力を行使して物体を浮かせたり出来るスキルだ。

 空中に5本ぐらいの剣を浮かせて変則的に攻撃している人を見た事がある。

 希少レアスキルの1つだった。


 それからセシルの兄弟、姉妹達。


 長男・氷魔法

 次男・風魔法

 次女・双剣術、エンチャント


 おお!すごいな。

 貴族達も騒ぎ立てる。国王も席を立って目を見開き傍に居た使用人に何かを命令する。

 ツインズ、それはスキルを2つ所持している人の事を指す。

 ツインズだけでも滅茶苦茶珍しいのに、レアスキルのエンチャントまであるとは。更には双剣術。

 エンチャントのスキルは属性を持つ魔法を武具に纏わせる事の出来るスキルだ。

 つまり、2本の剣を扱いながらその剣に属性魔法を纏わせて攻撃出来るとゆうこと。

 対象の属性を纏わせる事も可能だろう。

 なので貴族達が騒ぎ立てるのだ。

 セシル姉妹はレアなようだ。


 それから色々な貴族の人達がスキル鑑定を終えて、最後に俺達の番になった。

 最初にサクラ、次に俺、最後にカオルの順番だ。


 ダンジョンマスターを後、少しで見られる。

 と、その前にゾーラの鑑定があるんだった。


「では、お手を」

「はい」


 ゾーラが石版に手を当てると、金色の文字が浮かぶ。⋯⋯日本の漢字として。

 貴族の人達、国王、使用人達と色々な人が同様する。

 教皇も読めないで動揺し、内容を聞かれても分からないと答えた。


 ・剣神


 それがゾーラのスキルだった。

 絶対に剣聖よりも遥か上を行く超レアスキルだろうと思う。

 1度、場を落ち着かせて次にサクラの鑑定に移る。

 ちなみにセシルの妹と以外に未だツインズは出ていない。


 ・剣聖、魔聖


「ファ?」


 ツインズで滅茶苦茶レアなのに、更にレアの『剣聖』に同格の魔法バージョン『魔聖』と来た。

 これは、普段表情を変えない父ですら驚愕して、喜びの表情になる。

 自分の上位互換が来たと思っているのだろう。

 テンプレでは器用貧乏になりそうなので注意して欲しいものだ。

 そして、ついに俺の番になった。

 教皇が乗っている台に向かう途中でゾーラが「モレク様なら最強で最っ高のスキルを獲得していますよ」と言ってくれた。

 剣神が何言ってんねん。

 まあ、剣神って分かっているのは多分俺ぐらいだろうけど。

 ゾーラの剣の強さに納得が行った気がしたよ。


「フー」


 息を吐いて石版に手を当てると、今まで通りに金色の文字でスキルが出てくる。


 ・適合


「は?」

「!?」

「え、嘘だろ」

「教皇、内容は」


 父が教皇に血相を変えて詰め寄る。

 やばい、凄い嫌な予感がする。


「え〜と、このスキルはな、なんと!生涯に1回しか使えないスキルなようです。しかも、使用するには特定の条件下ではないといけないらしいです。その条件は分かりませんでした」

「そんな」


 俺は崩れ落ちた。

 ダンジョンマスターでもないし、レアかも分からない使い方の分からない、しかも人生で1度しか使えないスキルとか、まじで、ないわ〜。

 父がプルプルしている。はは、詰んだ。

 一旦、カオルにスキル鑑定に移った。

 それと、セシルの父に小声で「婚約は白紙とゆうことで」と父に言っていた。

 母は訳が分からないと言った様子で呆然としていた。

 カオルのスキルはこうだ。


 ・銀剣帝


「なんで、だよ」


 剣帝は剣聖の上の上を行くレア度で優秀なスキル。

 きっと、剣神の1個したのレア度だろう。

 さらに、剣帝の前に『銀』がある事からさらにレアだろう。

 これは、完全に父の上位互換だった。

 セシルが心配な眼差しを向ける中、俺ら1家はすごすごと帰った。


 帰宅後


「出ていけ」

「待ってよ父様!まだ、このスキルがダメだ⋯⋯」

「黙れ、そもそも剣が上達しないお前には見限っていたのだ。丁度いいのでお前は勘当だ。我らの家名を名乗る事をこれからは許さん。断じてだ。速やかに立ち去れ。カオルを長男として向かい入れる」

「待っ⋯⋯」


 父に腹を蹴られた。


「2度、言わせるな」


 母を見る。

 母は泣いて、苦虫を噛んだ顔をしながら必死に泣くのを堪えているようだ。しかし泣いている。

 母は今でも味方だろうが、立場があるので助けてはくれない。

 きっと、母は苦しいだろう。


「分かりました。では、さようなら父⋯⋯」

「私は既にお前の父ではない。身内でも知り合いでもない。⋯⋯他人だ」

「グッ」


 唇を噛み締める。

 どうして、神はこんなスキルにしたんだ。

 俺の望みは叶えてくれないのかよ!

 どうして転生して母の暖かい身をしり、愛情を知って、なんか良いなって思い初めていたのに、これじゃ変わらないでは無いか。

 昔と、何も変わらないでは無いか。


 家の門を出る。


「どうして、こんな⋯⋯事に」

「モレク様」

「ゾーラか?なんだ?もう、関係無いだろ。さっさと帰れ」

「──ッ!嫌です!私は、私は!モレク様の側近です。今までもこれからも!」

「どうしてだよ」


 屋敷には門番がいるようなイメージだが、今は門番はいない。

 この屋敷の門番は父が留守の時にしかいない。


「どうして?分かりませんか?ずっと傍にいたのに?」

「はぁ?」

「モレク様!」


 抱き着いて来るゾーラ。⋯⋯当たっているが、今は心が沈んで何も感じない。


「モレク様!私はモレク様をお慕いしております。愛してます。主としてでは無く、1人の男性として。良くないでしょう。悪いでしょう。それでも私の気持ちは、⋯⋯本物です。お願いします。私をずっと傍に置いてくれませんか?」


 徐々に崩れ落ちたゾーラは上目遣いで、しかし、確かに決意の塊の声音であり、いつも隠していた右目すら見える程に顔を上げて目を合わさて来る。


「ありがとう。君の気持ちにいつ、答えられるかは分からない。けど、傍にいて欲しい」

「───!はい!はい!何時でも、どんな時でも、私はモレク様と共にあります!」


 俺は、俺達はこの国を出る事に決めた。

 ゾーラが働いて貯めたお金や俺達の衣服を魔道具『アイテム袋』に入れた物を持って来ているので当分は平気だろう。

 さらに、ゾーラと俺の分の剣もパクって来たようだ。


「ゾーラ、君のスキルは剣神だ」

「?あの字が読めたんですか?」

「ああ」


 俺は剣神の憶測に付いて語る。

 今は既に国の外でだ。

 そして、ゾーラと共になら行けると思うから、俺はゾーラに無茶を承知で言う。


「一緒にラストダ───」

「はい!」

「まだ、言ってない」

「私はモレク様とな何処でも行けますよ?」

「⋯⋯、ふ、あはは、ははははは。ああ、そうか、そうか、ありがとう嬉しいよ。そうだな、なら行こうか。魔王ですら恐れるラストダンジョンに!」

「はい!」


 この日、モレク・サンドロスは死に、新たにモレクが生まれた瞬間だった。

やっとタイトル回収出来そうです。

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