表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/30

27.魔王到来

 残った魔物死体でSPが6万7000を得て、数日経ち住人のSP還元が行われた。

 ゾーラのメイドの仕事、ドワーフさん達は鉱石最終に武器作成によってSPを稼いでくれた。

 合計6万手に入った。

 この結果によりやはり住人が多い程良いと言う事になる。

 今回のでSPが12万7000になった。

 今のSPは14万7100となっている。


「ん〜これでもまだまだ足りないな」


 SPの効率化を目指すなら住人がどうしても必要であり、その上でどのくらい貢献してくれるかも重要だ。

 沢山居ても働かないと意味無いし、マンネリ化するのも良くない。

 そしてここはダンジョンなので冒険者とゆう魔物と戦ったりダンジョンを攻略したりする職業の人達が増えて欲しいと思っている。

 さて、どうしたものか。


「モレク様!」

「ああ、なんか来たようだな」


 考え事をしていた俺にゾーラが慌てて声を掛けてきた。

 理由は簡単だ。

 ダンジョンの外に莫大な魔力を持った存在が急に現れたのだ。


「モレク様!」


 ドワーフのダンジョン外をスライムを使って見ていた人が俺に対して報告して来た。

 大剣を持った角の生えた魔族でゾーラと近い背丈のようだ。


「ゾーラ」

「既に集めて起きました」

「急ごう」


 ダンジョン近くに現れた魔族がゆっくりとこちらに向かって来ている。

 急いで対策しないと行けない。


 ◆


「さて、この魔族一体何者か分かる人居るか?魔力に鈍い俺にも魔力の波動を感じさせる程には魔力の強い奴だぞ?」

『ああ、そいつ私と同等の強さの魔王だったけか?そうつだよ』


 場に静粛が起こる。

 最強の魔王と呼ばれている『傲慢』の魔王が今ここに攻めて来ているようだ。


『昔よりも魔力量が多いようだな。ゾーラには危険だな。私も弱体化しているし⋯⋯簡単では無いぞ?』

「分かった。⋯⋯なら魔物達は100階層に避難させて全面トラップで攻める」


 ◆


 私は最弱の魔王だ。

 他の魔王に勝手に最強だと広められヘイトを私に向けさせてあいつらはやりたい放題。

 私の領地にも手を出して領民が貧困になっている。

 病に蝕まれる人が続出し、死ぬ人も現れた。

 今でも医療が出来る者は手が空いてない。

 魔物や魔王の座を狙った魔族に警戒する為に私と共にこの迷宮に挑む事の出来る者は居なかった。


「絶対に⋯⋯」


 私は絶対にここにあると言う『魔水の水源』あれがあれば魔族の病も治せ、農業にも利益を与えてくれる筈だ。

 年々質の下がっているこの迷宮なら、今なら私は完全攻略出来るかもしれない。


「待っていてね」


 失敗は許されない。

 今回の成果は私だけの為にあるのではない。

 だからこそ責任重大なのだ。


「フーー」


 他の魔王の奴らに良いように扱われている現状、それを打破するすべがない。

 援助もしてくれない。


「はは、何が魔王だよ」


 私は迷宮に向かいながらそんな事を呟いた。

 初代魔王は皆仲良かったと言う。

 だが、私はどうだろうか?最弱で下手に動くとすぐに首を切られる現状だ。


「おじいちゃん」


 私のおじいちゃんは初代傲慢の魔王で名を『サタン』と言う。

 おじいちゃんの名に恥じぬ生き方をしたかった。


「さあ、レベンジマッチだ!」


 私は気合いと共に地面を蹴って迷宮に侵入する。

 最初に目にしたのはこの世の物では見た事⋯⋯いや、他の魔王の部下に似たような物を持っていた奴が居たかもしれない。

 だから、初見では無い。


 魔王が最初に出くわしたのは100機にも満ちるオートタレットであった。

 一斉に発射される弾丸は1秒に300発になる。

 魔王は大剣を振るい、出来た空気の壁でその弾丸を防ぐ。

 魔王は大剣を横に振るうと斬撃の衝撃波が飛び、オートタレットを次々に破壊していく。

 魔王が進んで行くと今度は落とし穴にハマってしまう。

 入ってから体が妙に重い魔王は落とし穴に落ちる。

 だが、右手から火を噴射する事によって落とし穴を登って脱出する。


 おかしい。

 管理者が居ない迷宮は階層の内容が変わる事は絶対にない。

 世界の摂理で決まっているのだ。

 なのに、だ。

 入っていきなり攻撃されるは広範囲の落とし穴に落とされるは⋯⋯時間が勿体ない。

 私は背中の翼を伸ばして、飛んで行く事にする。

 飛んでくる矢を薙ぎ払い、上から落ちてくる天井をぶった斬り、閉じ込められて水が出てきたら火の魔法で水を蒸発、及び土系の魔法を使って出口を粉砕して脱出。

 2層に上がる転移陣が見当たらないので壁をひたすら物量で破壊して再生する前に通る。

 それを繰り返して5層まで上がった。


「ゼェゼェ、なんだこのトラップの数は」


 5層まで上がってトラップの多さがふざけていると感じた。

 1層に何十種類のトラップが配置されていて、高速の鉄を飛ばして来たり落とし穴&天井落としだったりと沢山あるのだ。

 中には火攻めや真空空間もあったり⋯⋯。


『久しぶりだな』

「お前はっ!」


 ◆


 魔王の前に立ち塞がるのはこのダンジョンのドラゴンと鬼人だ。


「どうしてお前が居る!お前はあの時、最大限の致命傷を与えた筈だ!核になっている筈だし復活など現状のこの迷宮⋯⋯いや、ありえん」


 魔王は1層の時から薄々感じてはいた。

 だが、自覚したくなかったのだ。

 管理者の居ない筈のダンジョンに管理者が出来たなど。

 管理者が居るダンジョンと居ないダンジョンでは全くの別なのだ。


「それでも、私はここを通る!絶対に!」


 魔王は大剣を構える。そして、地面を蹴って鬼人に接近する。

 鬼人は弱体化している。魔王の攻撃にスピードが追い付かない⋯⋯だが、この場にはドラゴンも居るのだ。

 ドラゴンの尻尾での攻撃で魔王は吹き出る。

 空中が体制を立て直し綺麗に着地し、地面を蹴って接近⋯⋯出来なかった。

 再び鉄の弾が飛んで来るからである。

 天井にあるタレットからひたすら噴射される銃弾に結界にて防御する魔王だが、それはただの時間稼ぎにしかならなかった。

 結界が割れ、大量の銃弾を生身で受ける。


「ぐあああああ」


 銃弾が止み、倒れる魔王。

 体が穴だらけだが徐々に回復し始めている。


「ま、け⋯⋯ん、た⋯⋯みを、救う⋯⋯為に、わだじは⋯⋯⋯⋯まげる、訳には行かない。魔水、の、⋯⋯水源⋯⋯を手に、入れる、までは⋯⋯負ける、訳には行かない。民を、仲間を守る為に私は負ける訳にも止まる訳にも行かんのだあぁあああ!」


 この場にて、魔王は大剣を再び構える。


「私は守る為にも勝つ!」


 降り注ぐ弾丸をダッシュで躱しながら斬撃を飛ばして破壊して行く。

 赤色の斬撃は天井を切り裂いていく。

 迫り来る鬼人の剣を片手で防いで右足で蹴り飛ばし、ドラゴンのブレスを跳躍と回転して躱しながら遠心力を付けて斬撃を飛ばしてブレスを断ち切る。


『ぬ、ぬぅ』

『弱体化しているとはいえ、ドラゴンのブレスを斬るのかよ』


 ドラゴンも鬼人も驚きを隠せないでいた。


「私は⋯⋯ここを通らないと行けない!民を仲間を守る為に!そして、いずれは魔王の頂点に立つ!」


 おじいちゃんの意志を継ぐために魔王は魂を震わせる。


「え、傲慢の魔王て1番強いんじゃないの?」

「え?」


 魔王の前に一瞬出て来たのは黒髪、悪魔を想像させるかのような⋯⋯他の魔王やおじいちゃんを連想させるような黒髪の少年だった。

 魔王の手には手錠がしてある。


「な、んだと」


 魔力が抜けて、打たれた麻酔によって眠りに付く魔王。


「皆の⋯⋯者よ、すまぬ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ