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26.魔族戦

 ゾーラはコウモリの羽が生えた魔族に向かって地を蹴って接近する。

 コウモリの羽が生えた魔族は咄嗟に空を飛んで逃げるが、ゾーラは跳躍して接近してグラムを振るう。

 簡単に躱されたが空中で体を捻ってグラムから斬撃を飛ばす。

 これはゾーラが鬼人との特訓でスキルの権能:飛剣である。

 中距離攻撃ようで、斬撃を飛ばせる事が出来る。


『ぐぬ』


 浅かったが魔族を斬り、魔族は苦悶の表情をして、戦わないといけないと決意した魔族は自分の地の利ではなく、空の利を得た魔族は未だにゆっくりと落ちているゾーラに向かって飛ぶ。

 自分の手から爪を伸ばしてそれをゾーラに対して振るう。


 だが、ゾーラは空中に居ても体制を正して爪を防ぐ。

 爪を弾いてその衝撃を利用して地面に着地する。


「人間の分際でようやるな!」


 爪を空で振るって爪の斬撃を放ち、ゾーラを攻撃するが容易にゾーラはそれを躱して再び『飛剣』を使う。


「やはり、制度が未だイマイチですね」

『ダーススフィア』


 黒い玉を作り出してゾーラに向かって放つが、ゾーラそれをグラムで真っ二つにする。

 その隙に魔族はゾーラに接近して近距離で魔法『ダークスフィア』を放つ。

 ゾーラはグラムを盾のようにして防いだが、後ろに地面を滑りながら下がる。

 ゾーラは地を蹴って再び接近するが、魔族はいち早く空中へと逃げて距離を取って、多数の黒い玉を作り出してその全てをゾーラに向かって放つ。


 ゾーラは権能:縮地を利用して残像をも残す程の速度で回避していく。

 ゾーラは『飛剣』を使って攻撃するが、再び躱されたがゾーラは地を蹴って接近してグラムを振るう。


『そんなのは2度も当たるか!』


 魔族は『飛剣』を警戒していたが、違った。


「『回転斬り』」


 権能:回転斬りを使って回転して魔族の羽を斬る。

 回転斬りを権能として使ったのはそちらの方がダメージが出しやすく、狙った場所に攻撃しやすいからだ。

 そもそもゾーラは空中戦は苦手である。

 だからこそ、自分の技量の回転斬りではなく権能の回転斬りを使った。


『ぐふあ』

「これで、同じ立場ですね」


 ゾーラは地面に着地と同時に蹴り、魔族に肉薄する。

 魔族は咄嗟に腕でガードしようとしたが、地面に居て、ゾーラの斬撃よりも遅かった。


『ぐあああ』


 魔族の腕が切り落とされた。

 魔族は地面をのたうち回りながら叫び、痛みを堪えるように斬られた箇所を反対の手で抑える。


『お、、お前は⋯⋯に、人間、⋯⋯⋯⋯なのか?』

「そうですよ。魔族さん。言い残す事はありますか?」

『殺さないでくれ、と言ったら見逃してくれるか?』

「無理ですね?」

『そうか、なら、痛みはなるべく味わいたくない』

「分かりました。では、その願いは聞き届けてあげましょう」


 ゾーラは『二重斬り』を使って火力を上げて魔族の首を刎ねた。


 一方鬼人の方と岩の鱗のような物を纏っている魔族は一方的な勝負となっていた。


『くっそ!俺の、攻撃が通じてない!』

『通じているさ。ただ、当たってないだけだよ』

『それを通じないっていんだよ!』


 魔族は高速で拳を放つが、鬼人はそれを髪一重で躱す。

 余裕を持って躱す事が出来る鬼人は敢えて髪一重で躱している。

 それはただ単に攻撃を自分に当てる事は出来ない事を表していた。


『サンドストーム!』


 砂の竜巻が起こり、それが鬼人を呑み込んでいく。

 鬼人は竜巻とは逆方向に回転しながら剣を立てて動いて竜巻を霧散させる。

 そこには竜巻が消えて落ちてくる砂や鬼人の斬撃がサークルとなって残っていた。


 鬼人はそろそろ攻撃に動くかと考えて地面を蹴って接近する。

 鬼人に取っては普通の速度だが、相手の魔族にとっては一瞬で近づいて来ていた。

 鬼人は刀を軽く振るが魔族にとってはバカみたいなダメージとなる。

 腕で防ぐが右腕が斬り飛び、左腕は浅く斬られている。


『ハァハァ、なんつう強さだ。畜生』

『あんた達の目的は知らんが、その程度の強さで何を成したいと思っていたのかは気になるな』

『俺は、俺達はこの迷宮のコアの力を手にして、魔王と、なる』

『そうか、それが目的か⋯⋯それは許容できんな。それに、その程度の力ではこの迷宮の力はまず取り込めない。それに、お前は弱いからな。魔王には成れんよ』

『ああ、そうかよ!それでも抗うがな!』


 魔族は地を蹴って鬼人に殺菌して自己再生で右腕を生やして連撃を繰り出す。

 鬼人は集中する為に目を閉じ、集中する。

 そして、たった一振、されどその一振は連撃、そしてその魔族の武器を壊すには十分の一振。


『ぐがあああ』

『さらばだ。生まれ変わる事が出来たら、強くなるんだな』


 鬼人は斜めに魔族を斬り飛ばした。

 鬼人の目には悲しさも後悔もない。ただ、敵を排除したのゆう感情しか無かった。

 モレクには予想も出来ないだろう。

 たった数週間しか鬼人と過ごしてはないが、それでも陽気なタイプだと思っていたのだから。


『さて、ここで死んだ魔物や魔族の魂を管理者様はどう使うのかね?』


 たったそれだけを言い残して、踵を返してゾーラとドラゴンの方へと向かって行った。


 ◆


「これにて魔物の大群殲滅を終了、と」


 日本に居た頃では魔物であっても命を奪うのには抵抗が会っただろう。

 たが、ここに生まれ変わって15年、この世界にも慣れたモノだ。

 何か、大切な心を無くしているかもしれないが、今の俺は俺なのだ。


「皆の所に行くか」


 俺は転移を使ってゾーラ達の所に向かって行った。


「お疲れ様」

「モレク様、いえ、大した事は無かったです」

『そうだな!あんまし強く無かった』

「そうなのか」

『それで、管理者様』

「なに?」

『魔族の死体どうするの?』

「まあ、まずはドワーフさん達を通して要らないならSPに変換かな?」

『そっか』


 鬼人はそれだけ言うと踵を返してドラゴンと共にどこかに向かって行った。

 魔物達は転移を使えないので階層移動用の転移陣に行かないといけない。


「今回ので足りなかったら本格的に水源をSPにするか?いや、宝物庫にある武器でも良いな」


 俺は今後の事を考えてもこのダンジョンには沢山の住人が必要だと考えている。

 そもそも住人が居ないといずれ詰む。

 俺が想い描く理想のダンジョンに作り上げるにはまずは元手が必要だ。


「まあ、まずは確認からだな」


 ドワーフさん達は魔物をどのくらい残してくれるだろうか?

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