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25.魔族戦闘前

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「さて、残りの魔物も速くダンジョン内に来て欲しい所なんだがな〜」

「外で会議でもしているのでしょうか?」


 外では魔物がグループを形成しており、地面に何かを書きながら喋っているように見える。


「これを先導している頭の姿が未だに見えないな」


 そろそろ終わったのか、魔物達は立ち上がってグループ事にぞろぞろ入って来る。


「これでどんくらいSP稼げるかだな。⋯⋯もうすぐここに来てから1ヶ月経つしなそこでもSPが貰えるはず」

「SPをそこまで欲してますけど、何か欲しい物でもあるのですか?」

「ああ、ちょっとね。SPが枯渇していくとダンジョン復興も遅くなるし⋯⋯ま、まずは目の前に集中しようか」

「はい」


 1度使った罠は使えないので既に道を変えてある。

 ドワーフさん達に手伝って貰い、魔物の死体を回収して貰って要らない素材を俺が貰う予定である。


「あ、モレク様、画面の向こうに」

「お、ついに頭の存在が現れたか⋯⋯2人も居るのか?」


 そこにはコウモリのような羽を生やして、角が生えた男に、硬そうな岩のような鱗を持った男が画面向こう、ダンジョン入口に見えた。

 その2人以外には特に魔物等の姿は見えないのであいつらが最後だと思う。


 ダンジョンに挑んで来た魔物は合計で1000体は超えるだろう。

 どれだけSPが手に入るのか気になる所だ。ま、1000体なら5万そこらで終わりそうな気もするが。

 それだと全然足りない。⋯⋯やっぱあの壺SPに変えようかな?


 今度の別れ道は4つにしてある。

 綺麗に別れて全部の道を進んでいく魔物達。⋯⋯こいつらは単純なようだ。

 さっきのように1番左から見て行く事にした。


『この道には何を仕込んでいるんだ?』

「え?特に何も」

『え?』

「え?」

「え?ただ、密閉された狭い空間なだけだよ」


 ほんと、ただそれだけだ。

 だが、魔物も生きているので息をする。

 沢山の魔物が密閉された狭い空間に長くは居られない。

 酸素が二酸化炭素になり、二酸化炭素が充満し酸素が無くなり、息が出来なくなる。

 水に埋めるのでも良かったが、それだとデパートリーに欠けるだろう。いや、別に意味無いんだけどね。


 次の道にこのダンジョンに居たドラゴン以外の魔物を配置している。

 ゾーラや鬼人に寄って特訓した魔物達であり、中にはドワーフ製の武器を持った者もいる。

 あっちは死んだら終わり、こっちは死んでもいずれ復活出来る。

 危機感の無い戦闘が繰り広げられるだけであるので次の道に進む。


 ここでは飛ぶ矢がひたすら出てくるようになっている。

 ドワーフさん達が作ってくれてそれを元々あった矢を飛ばすトラップを利用した物と成っている。

 ただ、矢に打たれても倒すのには時間がかかるので、矢以外にも飛ぶように成っている。

 全てドワーフ製である。銃弾は無い。


 最後の道は転移用の魔法陣があり、そこを通ると魔物作物達の所に転移するように成っている。

 ここら辺の調整はサポートパネルこと、サネルと共に行った。

 魔物作物達には樹人族達にお世話をさせて、そこそこ話が通じるらしく、なるべく残骸は残す様に言ってある。

 これは魔物作物達の戦闘力を試す為に行っている。つまり、実験だ。


 ◆


『おいおい、あの低脳共はいつまでチンたらしてんだよ!』

『まあまあ落ち着けよ』

『落ち着けるかよ!さっさと核見つけてぶっ壊して力を手に入れる!その強大な力を俺らで分ける!今では衰退したこの迷宮ならすぐ終わる筈なのに!どうしてこうも遅いんだよ!』

『それは私にも分からない。はぁ〜そろそろ私達も動く事にしましょうか』

『ああ、そうだな!もう待ってられねぇ!安全性を考慮して低脳共を集めたのに意味が無いと思わなかったぞ!』


 コウモリのような羽を生やした男が冷静にそう言って、岩のような鱗を持った男がそれを賛同する。

 岩のような鱗を持った男は鼻息を荒くしながら怒りの感情を漏らしながらラストダンジョンに入って行った。

 後を追うようにコウモリのような羽を生やした男も入って行った。


『ああ?なんでこんなに明るいんだ?』

『あれじゃ無いでしょうか?』


 コウモリのような羽を生やした男が天井を指さし相方の岩のような鱗を持った男が上を見上げると、そこにはキラキラ光るクリスタルが天井一杯にあった。


『へぇ〜随分流暢に話せるじゃねぇか?産まれて間も無い魔族ではなく、そこそこ年月の経った魔族って所か?』

『⋯⋯鬼人か?』

『ああ、そうだ!いっちょ私と戦えや』

『チッ!衰退して殆ど魔物は居ない筈なのに⋯⋯なんでこんな化け物が居るんだよ』

『凄い威圧を感じる。⋯⋯殺れるか?』

『難しいなぁ〜ま、難しいだけだけどな』

『そうだな』

『ありゃ?私1人と思われてんの?』

『『はぁ?』』


 鬼人の後ろからでかい黒い鱗をしているドラゴンがのっそのっそも歩いて出て来た。

 圧倒的な威圧が、完全な格上と退治する本能が2人の魔族を襲う。

 ドラゴンの上にはゴッシクメイド服を来て、黒刀、グラムを握ったゾーラが居た。


 ゾーラはドラゴンの上から飛び降りて鬼人の隣に並ぶ。


「私の言葉は分かりますか?」

『あぁ?なんだよ!』

「あなた方は何故、攻めて来たのですか?」

『そんなん力を得る為に決まってんだろ!俺らは魔王になるんだよ!』

『おい⋯⋯』

『あぁ?どうした?』

『あの娘、⋯⋯人間だぞ』

『はぁ?に、人間がいる訳ねえだろ!ここは迷宮だぞ!神が直に干渉して創り出した迷宮だぞ!』

『だが、あの娘から感じる気配は⋯⋯魔物や魔族のそれとは真逆の人間の気配だ!お前なら分かるだろ』

『⋯⋯⋯⋯確かにそうだな。だが、どうして、どうして魔物の隣に立ってんだよ!』

『ま、まさか!』


 ドラゴンが関心したような表情をしながら喋る出す。


『これは⋯⋯かなり知恵を付けた魔族だな。そうだ。この迷宮に管理者が出来たのだよ』

『⋯⋯』

『おい、どうした!』

『管理者が居るなら、魔物が全く居ないのにも納得が行く⋯⋯逃げるぞ!急げ!』

『あ、ああ!』


 が、魔族の戻る道は⋯⋯既にそこには無かった。


「悪いですが攻めて来たのはそちらです。迷いはありませんが倒させて貰いますね」

『私も本気で戦って見ようかな?どんくらい力が出せるのか気になるしな!』

『我は辞めておこう。出る必要も無いだろう。下がっているな』

『ああ分かった!』

「畏まりました」


 ちなみにゾーラがドラゴンの上に乗って出て来たのはただ、目立ちたかっただけだ。

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