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1.スキルまでの人生の流れ

 狭い。

 何か水?液体の中にいる事が何となく分かって来た。

 出せ!

 適当に足を伸ばして出して欲しいと懇願するが、何の反応も見えない?そもそもここが何処か、何も見えないや。

 でもなんか、落ち着く。


 それから数日


 おお、引っ張られる感覚がするぞ!

 そして、空気に触れた。

 おお、懐かしの感覚がするな。

 さて、これはどうしたものかな?


「うぁーあ」


 お、声が出せたがこの感じだと完全に赤ちゃんだな。

 しかも、自分の意識関係なく泣いてしまう。

 暖かい感覚に包まれながら数日が経ったと思う。


「ん〜」


 お、目が開けれるぞ!

 ずっと長い間暗闇だったから久しぶりの光を見る事が出来るな。


「見て、目を開けたわ!」


 おお!とても美人さんですね。

 だいたいテンプレ的な内容でこの人は母なのだろう。

 辺りを見渡すが、父らしき姿が一切見えない。

 全く、息子に関心がない親だな。

 ⋯⋯前世もそうか。

 てか?なんで俺死んだんだ?

 えーと、確か何時ものあいつらの机を拭くために登校してたら犬が現れて?食い殺されたんだよな。

 現れた、ではなくて出現かな。

 あそこは防犯カメラがあるところで何かの建物が有って、電柱も後ろとかなり離れた前にあるので電柱から出てくるのは有り得ない。

 かと言って、普通の道路であの犬が隠れるような草はなかった。

 つまり、あのメールは夢ではなくて現実で異世界に行くための転生として犬に俺は殺された?⋯⋯なんて、死に方だ。

 ただ、これが本当に俺の願いを叶えてくれるのなら、俺は、俺はこの世でダンジョンマスターになるはずだ。

 まずはこの世界に付いて知る事が重要だ。

 ちなみに母さんの横にはメイド姿の美人さんが2人いる。


「いずれ貴方は剣聖になるのよ」


 額に唇を載せられたが、特に何も感じなかった。

 ただ、心の中にはこいつも俺の下が産まれたら俺に我関せずになるのだろう。

 てか、剣聖になる予定は無いよ。

 ここも剣と魔法のファンタジーかな?前世の記憶を使って化学無双!みたいな人は居ないよね?

 ふふ、さすがに居ないよね?でも、俺の転生の仕方がな〜変わっているからな。


 ⋯⋯何喋ってるか分かるな。嬉しい。

 後は自分の声が出せるようにするのが第1目標だな。


 それから1年


「お母様」

「あら?もう立てるようになったのね」

「⋯⋯」


 今は大きなテーブルに父と母と共に食事を食べている。

 母は気さくな方だが、父は頑固とゆうか子育てに全く関心がない。

 1年で感じた事だが、父は剣にしか興味がなくて心の底からこの国の王を敬愛しているのだろう。

 母との会話でそう感じている。

 それだけならまだしも、後継を産むだけで産んで世話の一切は丸投げ。

 多分、いつか剣を教えるのだろう。


 それから1年が経つ


 やることが無いのでとても辛いです助けてください。

 側仕えのメイドさんに本を読みたいと頼んで絵本を持って来てもらうが、⋯⋯読めない。

 なので読んで貰う毎日だ。


 それから3歳になった


 最近ではペンを持って文字の練習をしている。

 大分、覚えて来たぞ!

 そして、今日の夜は読み聞かせがあるのだ母による。

 実は1年前に妹が産まれて、一段落付いてメイドに任せているので読み聞かせをしてくれる。


「さて、今日は⋯⋯魔王ですら恐れるラストダンジョンに付いて読み聞かせしましょうか」


 ラストダンジョン、だと。

 それは、あれか?魔王戦の前のダンジョンだろ?

 待てよ?魔王ですら恐れる?だと。


「どうして魔王ですら恐れるのですか?」

「それはね、魔王の支配下にならない魔物しかいなくて、魔王が攻略しようとしても30階層が限界で、人間では10階層、ラストダンジョンの階層は100階層と呼ばれているの。魔王でも叶わないのよ」

「それは、凄い」

「そう、これははるか昔に神が我々に与えた神器が眠っているの。何とか自然が回復した後に魔族が神器を悪用し始めてね、底から人族と魔族の戦争、見かねた神は欲しければ競走だ、とラストダンジョンと呼ばれる神が最後に作った迷宮にその神器を封印したのよ。しかし、ラストダンジョンも天災クラスの魔物が大量にいるのにラストダンジョンから漏れ出る魔力で生態系も崩れてね、ラストダンジョンに続く森に強力な魔物が増えたのよ。それで、ラストダンジョンは誰も攻略しなくなった。もう、かなり昔の話だけどね」


 ⋯⋯神器を利用したのは魔族だけなのか?


「神器を利用しようと来たのは人族も同じでは無いのですか?」

「フフ、貴方もそう思う?でも、皆はそうは思ってないの。さあ、もう寝ちゃいましょう。明日はスキルに付いてお話しますよ」


 敬語の母。これは実は素なのだ。

 にしても、スキルか。

 きっと俺は『ダンジョンマスター』とゆうスキルで内容が『自分の迷宮を任意の場所に生成、運営できる』かな。


 その時の俺はそう思っていた。


 それから翌日


 既に外は暗くなっており母によるスキル講座が始まった。


「スキルってのはね。我々に神様が与えてくれる恩恵なのよ。誰しもが15歳になるとスキルがギフトとして貰えて教会で確認出来るの。そこでスキルの内容も分かるのよ。ちなみに私のスキルは『念話』でお父様は『剣聖』と呼ばれる希少レアスキルなの。騎士団長を任されているのよ。そして、子は両親のレア度の高いスキルを受け継ぐ可能性が高いのよ。きっと貴方も剣聖で将来有望ね?⋯⋯もし、違っても私は貴方の味方だからね」


 それから時が経って5歳となった。


 俺は未だに名前を言われた事が無いので自分の名前が分からない。

 そして、5歳となって同年代の側近メイドが雇われる事になった。

 俺の側近は紅色の髪に蒼色の瞳をして5歳ても美人と呼ばれてもおかしくない気品もある少女だった。

 名前はゾーラ、とにかく優秀なメイドだった。

 話は変わるがスキルは平民貴族問わずに受ける事ができ、優秀なスキルだと平民から貴族になる事もある。まあ、テンプレだ。

 そして、12歳から15歳まで学園に通って卒業と共にスキルを受ける。

 貴族は兄弟がいる場合、1番上の子がスキルを受けるのと一緒に下の子も受ける。

 平等にする為だ。


 それから6歳


 プログラミングとか、ゲームとか、更にはこの家の書庫の本も全て読み終えて、やる事が無いので物作りをする事にした。

 と、言っても木を削って歯車とかに変えてカラクリを作る程度だったが。


「モレク様、何をしておいでですか?」

「ああ、ゾーラか」


 未だに思うのがなぜ、俺の名前がモレクになったのか。

 確かに母と父に顔などは似て美形だと思うが髪の色が黒だからか?


「少し物作りをな」

「これは⋯⋯!凄いです。流石モレク様」


 カラクリで動くのはただのラジコンのカートのみだ。

 いずれ学園で魔法の基礎をなるらしいのでそこでラジコン作りを極める予定だ。

 ちなみに魔法などは才にもよるが基本誰でも使える。

 ただ、魔法系スキル持ちと生産系スキルが同じ魔法を使うとどうしても魔法系スキル持ちの方が強くなる。

 ただ、魔法系にも色々あったりする。


「あ!丁度良かったゾーラ少し屈んで」

「?こうですか?」


 屈んだゾーラに俺の手を首後ろまでいかせてある物をはめる。


「昨日お母様と出掛けた時にゾーラに似合うと思って買って貰ったんだ」

「これは⋯⋯一生大事にしまう。何が会っても取りません」

「風呂の時とは流石に取ってね?」

「嫌です!」

「取ってね?」


 ゾーラに海のように深い蒼色をした宝石が雫型にはめ込まれたネックレスをプレゼントしたのだ。

 瞳の色と会っていてとても似合っている。

 ただ、ゾーラは髪の色と瞳の色が違う珍しいタイプだと思ったが、よく父と母を観察するとこの2人も違う。

 それでも少ない方だと思う。


 それから8歳になった。


 ゾーラの方が剣が上手い件について。

 ゾーラと共に剣の練習をしていたが、ゾーラの方が早く剣術を覚え、ゾーラの方が強い。

 ゾーラには剣術に関するスキルが備わっているのだろう。

 俺は『ダンジョンマスター』だからそんなのは無いのである。

 そして、妹と弟は生意気になった。

 妹はサクラで弟はカオルだ。

 2人とも名前の通りの髪色をしている。

 どうして花の名前で俺は悪魔の名前なんだよってゆうツッコミは心の中で使い済みだ。

 そして、今日はある貴族の誕生日パーティに招待されている。

 ゾーラは屋敷で留守だ。


「貴族って大抵無駄にでかい屋敷に住むよね」


 誰にも聞こえない小さな声で呟く。

 中に入る。


「あ!モレクーー!」


 そう叫んで近付いて来るのは今回の誕生日パーティメインの少女、セシルだ。

 紅紫色の髪に瞳だ。


「久しぶりだねセシル」

「そうだね!今日はどーんと祝ってね!」

「そうだね」

「これは、セシル様ご無沙汰です」

「ああ、カオルそうね」


 見るからに怪訝にしている。

 それから誕生日パーティは続き、父と母と共に俺だけ別室に案内された。

 そこにはセシルの両親にセシル本人が居た。

 これは⋯⋯嫌な予感が。


「この度、セシルとの婚姻に関して」


 それから数度話を付けてセシルは俺の許嫁になった。

 カオルからは凄い睨まれ、サクラからはすぐに愛想つかれそうとか笑われた。

 カオルはセシルの事が好きなようだ。


 時は経って15歳


 ついにスキル鑑定の日になった。

 学園では貴族としての基礎、魔法の基礎、武器の基礎、歴史やスキル、ダンジョンに関して、後は専門的な事、などなど色々と習った。

 そして、13歳になった辺りからこの世界の成長は日本にいた頃よりも早いと分かった。

 まあ、成人が15歳からなんだから当たり前かもしれないが。


「モレク、楽しみね」

「そうだね」


 セシルは相変わらず愛想のいい可愛らしいセシルだった。

 妹を思い出す。頭を振って忘れる。

 反対の右隣にはゾーラが居た。

 前髪で右目だけを隠して髪を垂らしているロングヘアだ。

 見つめていた事に気付いたようで上目遣いで見上げてくるゾーラは綺麗だった。


「どうしましたか?」

「いや、なんでも。てか、そのネックレス未だに付けているんだな」

「当たり前です。モレク様の初めてのプレゼントであり、モレク様が付けてくれたんですから」


 にっこりと微笑むゾーラ。

 15歳なのに前世の母よりも大きい⋯⋯何処とは言わないが。

 かなりでかいと思う。理想のメイドのイメージだった。


「痛いよセシル」

「フン!許嫁は私なんだからね」

「?」

「モレク様、別に気にする事ないですよ」

「?」

「貴方、メイドなのにかなり大きい態度ですね」

「そうですか?」


 ゾーラとセシルの間に電気みたいなヒバナが見えた⋯⋯気がしなくもない。


「それではこれからスキル鑑定に入ります」


 両親が見守るなか、始まろうとするスキル鑑定、そして俺の物語のスタートライン。

21時にもう一本あります

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