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17.訓練所

 ゾーラの朝食を食べと終え、次に41階層に向かって一応成長速度を確認する。

 バフで成長速度が向上しているので芽は出ているも予想する。


 結果、全ての種が発芽しているようだった。

 中にはさらに僅かだが成長している物も会った。

 季節無視の全て発芽の理由が分からん。


「スミレ、ここまで育つのか?」

『⋯⋯分かりません。バフで少しは成長が見えると予想はしていましたが、ここまでとは⋯⋯』

「だよな。サネルわかるか?」

 《解、樹人族トレントは足の部分の根を見ると普通の木と見分けが付きます。それを防ぐ為に樹人族は辺りの雑草等の草花の成長を促進させる魔力があるのです。その魔力が漏れ出て、このような結果となっていると予想します。かと言ってその魔力を直接注ぎ込むと成長速度に追い付けない野菜達がボロボロの塵になると予想されます》

「へ〜樹人族って足の根を見ると見分けが付くのね」


 ちょっとスミレの足元を見た。

 ⋯⋯なるほどね。

 パッと見分かりにくいが木目が無いので確かに見分けが付くな。

 まあ、この調子で行けば1週間そこらで収穫できる物があるだろう。


「なんとか持ちそうですね」

「そうだな。まさか家畜達も妊娠していたり?」


 そんな期待をよそに42階層に転移する。


 結果、妊娠どころか動物達が少し窶れている感じがする。


「何がどうなって?」

『⋯⋯それがですね。この中は魔力に満ちていて、魔力の薄い所から魔力の濃い所に来た事にストレスを感じているようで、草も食べてくれないのです』


 ふーむ。

 この階層の魔力を遮断出来たら良いがそんな事は不可能だしな。

 魔力だけを対象したデハブで魔力を薄く⋯⋯そうするとこの階層の機能が定価しそうだな。

 それに魔物達の6割が魔力を元として出来ているので下手に下げて慣れさせると他の階層に移動した時に辛いだろう。

 魔物達の階層移動は次の階層に行く転移魔法陣に乗る事だ。

 ただ、決まったところに転移するのではなく、自分の求めた階層の魔法陣に転移できる物になるのだ。

 その魔法陣にも階層内の内部に漂う魔力によって動いているので魔法陣の方も良くない影響を受ける可能性がある。

 これもう慣れさせるしかないな。

 ⋯⋯突然変異しないだろうか?


「⋯⋯魔力耐性や順応能力等のバフは意味ないのですか?」

「⋯⋯ッ!それだ!行けるかもしれん」


 試す前にサネルに聞く。


 《解、魔力耐性は耐性なので魔力の濃さに関する関係性はありません。順応能力は可能です。時間は掛かると思いますが普通よりかは些か速く慣れるでしょう》

「よっし!決定だ」


 ・バフ創作『順応能力向上』

 ・消費SP:100


 ・42階層

 ・コスト:250/1000

 ・バフ『成長速度上昇』100『保護』50『順応能力向上』100

 ・対象『動物』


 ・残りのSP :23万200


「ゾーラナイスアドバイス!」

「(ニッコリ)有り難き幸せ」


 ニコニコ、ニコニコ


 と、いかんいかん戻らないと。

 オーク達から生暖かい目線を向けられて恥ずかしいのだが⋯⋯気しないでおこう。


「さて、1日単位で見てくるよ」

『はい』

「じゃ次は『訓練場』の作成だな」


 ゾーラと共に上の43階層に転移する。


 まずはいつも通り壁や諸々を全て撤去してからディメンションを設定する。

 訓練場なので迷宮内部のディメンションのままでいいや。

 平らだとなんか嫌なので壁を使って小屋を生成して置く。

 休憩場的な所だ。

 いつか自動販売機とか作るのも良いかもしれない。

 観戦ように階段型の椅子達に囲まれた風にして置こうかな。

 訓練場でバフをつけていく。


 ・バフ創作『魔力回復速度向上』

 ・消費SP:100


 ・43階層

 ・コスト400/1000

 ・バフ: 『疲労耐性』50『疲労回復速度上昇』100『成長速度上昇』100『保護』50 『魔力回復速度向上』100

 ・対象『生物全て』


 残りSP :23万100


 サネルのパネルをゾーラも覗き込む。


「保護の意味はあるんですか?」

「まあ、なるべく怪我をさせない為の保護だな。本当は再生能力の向上も付けたいが、念の為に取っておこうと思ってね」

「なるほどです」

「ちなみに俺もここで特訓するよ?俺だけ弱くて守られるだけの存在だとマスターとしてダメだろうし」

「なら、私が指導してあげますよ(ニコニコ)」

「お手柔らかに(ニッコリ)」


 あー戻ろう。

 どうしてもゾーラの笑顔を見ていると雰囲気が変わってしまう。

 まあ、ゾーラに稽古付けて貰っても俺に剣の才能はないから色々と試さないといけないけど。


 後はさらに地面の硬さ等を細かく設定していく。


 数分後


「だいたいこんなものか」


 なんかこんなものかと決めて終わっておく。

 ダンジョン内部は高原がなくても少し明るく見えるがそれでも暗い。

 夕方と夜の間くらいの暗さだ。


「どうしようかな?」


 ディメンションを変えると他の事も変わりそうなんだよな。

 出来れば草原のディメンションで地面は迷宮の物が良いんだけどディメンション変えると地面変わるしな〜。


「サネルさんなんかないっすか」

 《⋯⋯普通にその設定をすれば良いと思います》

「あ」


 そういえばディメションの設定はあくまでその場の空間を変えるのであって全てを変える訳では無いんだったな。

 ずっと床を草原にしていたから忘れていた。


「床はこのままで壁などもこのままで良いか。天井は外と連動、雨の日も晴れで」


 ダンジョン内部なので地面が干からびる事もないし、冷かもない。

 ただの人工的な何かな太陽なのでこれでも問題ない。


「そういえば魔物達は空気じゃなくて魔力だからいいけど俺達は空気を吸って生きているからダンジョン内部だと酸素切れになるんじゃね?」

 《ダンジョン内部は葉緑体や光合成がなくても二酸化炭素が酸素に変換される機能が標準装備になっています》


 あら?『解』はないのね。


 《解答の解なのでマスターの1人事や会話等ではめんど⋯⋯おかしいと判断したました。堅苦しいですしね》

「まあ、確かに。そのままの方が聞き取り易い親しみ易いな」


 とりあえずゾーラにどんな感じか確かめて貰おうかな。


「ゾーラ素振りしてみてくれ」

「畏まりました」


 ゾーラは剣を鞘から取り出して目を閉じて剣を構える。

 ⋯⋯何してんの?


 《予想、イメージを強く持ってそのイメージで作られた残像と戦う修行方法だと思います》

「おお、ゾーラはそんな事も出来るのか」

 《多分ボソリ


 ◆◆


 ゾーラはイメージを強く持って素振りをする。

 後ろにはモレク、前にはモレクの父であり、自分の剣術の師匠に当たる人を思い浮かべ、素振りをする。

 空を切る音が剣と剣がぶつかる音に聞こえる程のイメージをゾーラは持っている。


「⋯⋯イメージでなければ今ので私は負けてますね」


 ゾーラは自分の力量をわきまえている。

 なので、モレクの父がどれだけ強く、自分では今では勝てないとわかっている。


「モレク様の敵になると、守れるのでしょうか?ドラゴンさんならなんとか⋯⋯いや、自分でモレク様を守れるようにならないと」


 ゾーラは1度のイメージで冷や汗を流す。


 ◆◆


 数分後


「どうだった?」

「いつもよりかは疲れるのが遅いですね」

「なら、成功かな?」

今作品をお読み頂き感謝致します。

「次回が気になる!」「また読みたい!」と思って頂けましたら幸いです。


強い励みになりますので是非良ければ『評価・ブックマーク』をよろしくお願いします。


感想もお待ちしております。

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