12.食料事情改善②
さて、次はバフの設定に関して調べようと思う。
「サネル、バフはエリアにいくつ付けれる?」
《解、バフはいくつでも付ける事は可能です。しかし、コストが決まっておりバフの性能によってコストが増減します。階層ごとの最大コストは1000です》
「なるほどね。ちなみにコストの上限を増やす事は可能?」
《解、現段階では不可です》
「つまりはランクをあげる必要があると」
《肯定》
とりあえずバフの1部に関しては分かった。
んじゃ、バフを創作してみようかな。
・バフ創作『成長速度上昇』『保護』
・消費SP:2000
「スーー。今までのSPと見ると安く見えてしまう。気のせいだろう。そう、気のせいだ」
とりあえず創作して、今後問題が起きたらその都度変えていこうと思う。
コストは『成長速度上昇』は100、『保護』は50だった。
「本当はもっとコストは掛かるが対象が『植物』のみだと結構下がるね」
「そのようですね」
サネルのパネルを覗こき込むゾーラの髪の毛が鼻腔をくすぐる。
くすぐったいが、それ以上にいい匂いがして気にならなかった。
「モレク様のエッチ」
「なんの事だ!」
「冗談です」
「ぐぬぬ」
後は種さえあれば良いだろう。
「とゆうかスミレ、なんか樹人族達なんか喜んでない?」
『はい、それはこの地の栄養が良いからです。昔は挑戦者の死体から栄養を得ていたので』
「なるほど⋯⋯まあ、これからは大丈夫だろ」
『はい。それよりも早く役割が欲しいです』
「まあ、待ってね?」
『御意』
ちなみに41階層のバフ内容の設定画面の見方はこれだ。
・41階層
・コスト:150/1000
・バフ『成長速度上昇』100『保護』50
・対象『植物』
簡素であった。
「さて、ゾーラには近くの帝国に買い出しに行って欲しい」
「モレク様と、離れる⋯⋯グッ、か、畏まりました」
「はは、ありがと」
凄い渋々な様子だった。
俺ラストダンジョンから帝国は近いので帝国に行って貰う。
俺達のいた国も近いが帝国の方が大きいのでそっちに行かせる。
「買い出しの内容は?」
「家畜をお願い。後は種かな?自分の好きな物も買って良いよ」
「畏まりました」
「と、アイテム袋も持って行ってね。後はドラゴンに乗って行くと良いよ。速いしね。でも、気を付けて」
「はい。ですが生物はどうするのですか?」
「ああ、その事に関してはこれを使う」
そう言って箱型の穴が1面にある物を取り出す。
「それは?」
「これはこのダンジョンにあったトラップの1つ。センサーで人を察知したら魔物を排出する物だ。この中に家畜を入れれば良い。家畜程度の大きさならいいけどドラゴンみたいな大きいのは無理ね。それと、このトラップに入れた魔物はそのままアイテム袋にしまえるから」
既にスライムに協力して貰って確認済みだ。
核納出来る魔物は核石の状態でしまえるので関係無いが、家畜の動物は違う。
なのでこのトラップを活用する。
いやー再利用、リサイクル、エコだねー。
「その間はこっちも準備しようかな?」
「分かりました。では、行ってまいりす」
「ああ、行ってらっしゃい」
「はい」
ゾーラは転移する。
基本ドラゴンが居るのは100層なので100層に転移したのだろう。
さて、こっちは42階層に移動する。
まずはこの42階層の壁をとっぱらってディメンションを変えていく。
自然の草原かな?
それと、畑と同じように土に栄養を強めに設定し、魔力濃度は抑え気味にする。
魔力の圧で障害が出るかもしれないし。分からんけど。
後はダンジョン内の壁の見た目を変更して柵のようにして枠組みを作る。
これで種類別にできるだろう。
大きさは⋯⋯めっちゃ広く作る事に成功した。
今のサイズは『中』にしている。
今後、数が増えたら大きくしていく予定だが、正直この広さがあれば普通に大丈夫だと思う。
ちなみに41階層のサイズは『最大』にしている。
塔の形が滅茶苦茶に思えるかもしれないが、これには少し仕組みがあるのだ。
ダンジョン内部と外側は全く違う。
ラストダンジョンで例えるときちんとサイズが整えられ、でこぼこが無い塔だ。
内部は違う空間?になっているのだ。
その次はバフに関してだ。
バフの設定は細かく出来てきちんと動物にも適応させる事が出来る。
「動物だから、さっきの『保護』と『繁殖力上昇』を創作しようかな?後は、特に良いかな?これも今後変えていくだろうな」
・バフ創作『繁殖力上昇』
・消費SP:1000
創作して設定に組み込んでいく。
・42階層
・コスト150/1000
・バフ『繁殖力上昇』100『保護』50
・対象『動物』
こんなもんだろう。
後は管理用の魔物としてオークを召喚する。
「んじゃよろしく」
『マダイマセンガ?』
「まあ、まだ居ないけどね。数時間後には来るから。少し要望を聞こうと思ってね」
それと、どうしようかな?
動物に近い魔物だと動物の言葉が分かるから管理がしやすいんだよな?
ミノタウロスとかも復活させようかな?
しかし、SPがな〜
「君達には頑張って貰うよ」
『ハイ』
それからオーク達の要望を聞いたところ、管理用の道具が欲しいとの事。
当然の内容に恥ずかしくなる。
「これは、ゾーラに頼もうかな?ゾーラまだ居るかな?」
こうゆうとこに遠距離念話の力が欲しい。
居ることを信じて100階層に転移すると、ゾーラがドラゴンの上にまたがって丁度良いところを探すかのようにドラゴンの背中を移動していた。
「モレク様如何なさいましたか?」
「後ろに転移しないでくれ。びっくりする」
急に俺の後ろに転移してくるゾーラに辞めてくれとお願いすると、
「善処します」
「楽しんでない?」
「⋯⋯」
「おい」
「てへぺろ」
「なんでそれを⋯⋯辞めてね?心臓に悪い」
「モレク様の色々な表情を見るのは私の趣味です」
「そんなしゅ⋯⋯」
「だが断る!」
「だから!⋯⋯まあ、もういいよ」
断られ、粘るのも無駄だと感じて諦める。⋯⋯こんなネタを知っている事に関しては触れない。
「それで、如何なさいました?」
「ああ、追加でお願いしたい物があるんだ」
「家畜の管理に必要な道具でしょうか?」
「そう」
「畏まりました」
そしてドラゴンの方を見て、お願いする。
「ドラゴンは人に見つからないように気を付けてね?」
『頑張る』
「それと、ゾーラはさっきまで何してたの?」
「ドラゴンさんの背中硬い」
『うぅ』
「はは、クッションでも創る?」
「いえ、もう慣れましたから大丈夫です。それに、SPも節約したいでしょう。しかし、SPに余裕ができ、今後このような事がある時にお願いします」
「分かった」
ゾーラは頼もしい。
ゾーラはドラゴンの背中に飛び乗って転移する。
出入口の1階層に転移したのだろう。
剣も持っているし、ゾーラなら問題⋯⋯1階層に転移して『山賊等にあっても殺すなよ?』と釘を刺して置いた。
今回もお読み頂き感謝致します。今後ともお願いします。
励みに成りますので是非とも良ければ『評価・ブックマーク』をよろしくお願いします。




