10.メイドの朝は早い
温泉を終え、寝室に転移するゾーラと僕。
ゾーラのパジャマ姿が可愛すぎる。
風呂上がりに良い匂いがしました。
感想終了。
「本当に一緒に寝るの?」
「節約です。それに、一緒に寝た方が暖かいです」
ダンジョンの中は気温調節出来るのでぶっちゃけ心地良い気温であり、風邪も引かないと思うが、否定しない辺り俺自身も一緒に寝たいとゆう事だろう。
別に下心がある訳では無い。ホントダヨ。
布団やベットなんて買っている訳も無いのでSPで簡易布団を創作する。
ベットは今は辞めておく。
いずれ部屋を分けてそれぞれの要望を聞きながらベット等の設置をしていきたいので収納等がしやすい布団でいいと思った。
別にSPに還元しても良いしね。
・消費SP200
この世界の材料でも布団は創れるのでSP消費が先程までのやつよりも少なくて『やっす』とは思ってないよ。
布団に潜ると、それに合わせるようにゾーラも隣に入る。
「もう少し離──」
「──無理です」
「で、でもさ、ほら、まだそっち隙間あるし」
「モレク様がそっちに寄りすぎなのです!はみ出してしまいますのでもう少しこちらに来てください。そしたらそのまま私もこっちに寄りますので」
「それって結局変わらないのでは?」
「⋯⋯キノセイデスヨ」
「⋯⋯」
眠いのでそのままゾーラの意見を採用してゾーラの方に寄るように移動すると、ゾーラを動いてくれる。
結局狭さは変わらなかった。
「ゾーラ、おやすみ」
「おやすみなさいませ、モレク様」
「スヤー」
「え、もう寝たんですか?」
「スヤー」
「もっと寝間着の私を見て欲しかったです」
「スヤー」
「ちょっとならセクハラしても良いんですよ」
「スヤー」
「襲っても良いですよ」
「スヤー」
「エッチな事でもしますよ」
「スヤー」
「モレク様、流石に寝るの速すぎません?もう少しお話したかったです」
そう言ってゾーラは目を瞑り、1分後に深い眠りに着いた。
◆
側仕えのメイドの朝は速い。
今日からダンジョン暮らしで私がモレク様の世話の全てをやるので何時もよりも1時間速い3時に起きる。
そして、モレク様の顔を覗き混むように見る。
「モレク様の寝顔はいつ見ても飽きませんね」
1時間後
「しまった!もうこんな時間!急いで着替えと着替えの服を用意しないと!」
モレク様を起こさないように静かな声でやる事を喋り、行動に移す。
メイド服とモレク様の服を出し、モレク様の服を布団の上に置き、モレク様が寝ている隣で着替える為に寝間着を脱ぐ。
別にこのタイミングでモレク様が起きて欲情、なんて狙ってません。⋯⋯2割くらい。
メイド服に、着替えが終わったら朝食の下準備をします。
「と、その前に」
好きな、そう出なくても仕える者として身だしなみは整える必要がある。
特に髪がボサボサとゆう訳では無い。
「このダンジョンのシャンプーは凄いですね。髪の艶が屋敷にいた頃よりも良い」
転移を使って温泉の中にある鏡を見ながらそんな事を呟く。
旅をしているとどうしても髪を洗うのにシャンプーは使えなくなる。
水で吹く程度で終わるのだ。
それが昨日1回シャンプー使っただけで復活するのだから驚きもする。
クシを使って髪を整える。
それが終わったら101階の部屋に戻り、髪を一つに纏める。
前髪も耳に掛けておく。
髪の毛が料理の中に入るなんてのは豪語同断ですからね。
このダンジョンのキッチンには水も火もきちんと使えるので料理に困る事は無い。
常温で保存出来る食料はまだ残っているのでそこから作る事にした。
干し肉等は水で戻して、そこから出る出汁も使用する。
素材を無駄にしては成らぬ、とよく言われたものだ。
戻すにはそれ相応の時間が人用となる。
その間に野菜の硬い物を煮たりして柔らかくしていく。
起きてから2時間後
下準備が終わり、今は5時です。
やる事も無いので剣を研ぎながらモレク様が起きるのを待ちます。
屋敷にいた頃には6時には起きる、起きなかった場合は起こしています。
当分は起きないでしょう。
剣の研ぐのを終え、暇なのでモレク様の寝顔を拝見する。
既に髪を下ろして何時もの格好になっている。
モレク様の顔を見ながらついつい口元に意識が向いてしまう。
「モレク様は、私の事どう思っているのでしょうか?お嫌いでしょうか?それとも、⋯⋯お慕いしてくれているでしょうか?とても、気になりますが、今はその時では無いのですよね」
独り言を口走りながらモレク様が起きるのを待っていると、モレク様が苦しい顔をしました。
「モレク様!」
◆
『どうして追放するのですか!お願いです!もう家族に見捨てられるのは嫌なのです!』
「も、⋯⋯もれ⋯⋯⋯⋯ク」
『嫌だよ!どうして見捨てるの?!嫌です!ここに居させてください!』
「モレ⋯⋯ク⋯⋯モレク様!」
「だはぁ。ハァハァ、ゾー、ラ?」
「その通りです。モレク様、悪い夢でも見たのですか?」
ゾーラが俺の手を握りながら苦しそうな悲しそうな顔をしながら見つめてくる。
心配してくれたのがすぐに分かる表情をしていた。
「大丈夫。朝食、出来てるよね?食べよっか」
「⋯⋯はい。モレク様」
「どうした?」
「悲しい時も苦しい時も楽しい時も如何なる時も、如何なる境遇にあろうとも、私、ゾーラはモレク様に着いて行く所存です。なので、如何なる時も、1人で抱え込まずに私に吐き出してください。私を頼ってください」
「ゾーラ、ふふ、はは、ああ、ありがとう。その時は頼む」
「───ッ!はい!」
「まずは着替えだな」
「手伝います」キリッ
「自分でやるので朝食の準備をお願いしても良いですか?」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯分かりました」
ものすごく渋々と言った様子でキッチンの方に向かったので俺は早々に着替える。
このダンジョンには服のような防具は無く、鎧系しか無かった。
ゾーラも俺もフルアーマーよりも軽装の方が良いので宝物庫に飾ってあるが、いざとなったらSPに変えようかな?
キッチンに向かうとゾーラは既に朝食の準備を済ませていた。
簡易なスープ、具は野菜や干し肉と色とりどりで、パンもある。
簡易な料理だがゾーラはそれでも美味く作る。
席に着くと、俺の対面にはゾーラが座っている。
これからはこれが基本だ。
⋯⋯ゾーラに見つめられながら食べるのにも慣れた方が良いだろうか?
「「いただきます」」
それから朝食を食べ始めた。
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