コント すごい人
ゲラゲラコンテスト2
応募の作品です。
場面 幼稚園のお楽しみ会
登場人物 先生、ゲストのパン屋さん(ツッコミ)
先生「今日はいつも良い子のみなさんのために、すごい人が会いに来てくれました」
ゲスト「どうも、どうも」
先生「いやぁ、もうたち姿のすごみがすごいですね」
ゲスト「ありがとうございます」
先生「まずは、子供たちと同い年の頃の話をお聞きします」
ゲスト「どうぞ、なんでもきいてください」
先生「すごい人は、すごい貧しい家に生まれて、ここにいる子供たちとは全然ちがう生活していたんですよね。うちの幼稚園は、上品だと評判ですから」
ゲスト「失礼だな。たしかに、家は裕福ではなかったですけど。幼稚園では、砂場が好きでおだんごをよく作ってました」
先生「お腹は大丈夫だったんですか? すごい空腹だったんですね」
ゲスト「食べてないですよ」
先生「じゃあ、高いところから落として、万有引力をすごい近くで見てたんですね?」
ゲスト「なんなんですか、そのバカと天才の二択は。どっちもしませんよ」
先生「そうなんですか。すごい普通の子供だったんですね」
ゲスト「なんでがっかりしてるんですか」
先生「さぁ、いよいよです。今、大人になったあなたは、なにがすごいんでしょうか? 子供たちに教えてあげて下さい」
ゲスト「この流れじゃ言いにくいなぁ。私はこの近くで、パン屋さんをやっています。今日のごちそう、サンドイッチやケーキも私が作りました」
先生「みなさん、これは驚きですね。 私も先程ケーキをいただきましたが、見た目も味も普通でした。一体、なにがすごいんでしょうか?」
ゲスト「えっ!? 私はゲストなんだから、お世辞でもそこはおいしいって言わないと。やっぱりお世辞ならやめて、本心知ったとき傷つくから」
先生「やっぱりすごいですね。本音を目の前で聞ける、すごい勇気の持ち主なんですね」
ゲスト「いや、そういうことじゃなくて。っていうか、さっきから『すごい』って言いすぎないですか、話をしてて気になるんですけど」
先生「なるほど、あなたは『すごい』って言われるのがすごい気になるすごい人なんですね。 すごくよくわかりました」
ゲスト「はぁ!? もうなんなんだよ、お前は。『すごい』4回も使っちゃってるし」
先生「あー、すごい残念。不正解。『すごい』3回、『すごく』1回でした。
ゲスト「っえ、なに? いつの間にクイズに参加させられてんの、俺。コイツ頭おかしいな。っていうか、これだけ『すごい』っていうヤツに、普通って言われた俺のケーキはどんだけなんだよ」
先生「すごい話は変わってしまうんですけど、すごい人はすごいお忙しいと思いますが? すごい人のすごい貴重なお時間は、大丈夫でしょうか? 私、すごい心配になってきました。すごい今日はすごいしてもらって、すごい感謝しています」
ゲスト「おいおい、もしかして、俺を追い返そうとしてる? なんかもう、日本語も怪しくなっちゃってるし」
先生「ありがとうございました。次は、みなさんのために『えらい』人が駆けつけてくれました」
おわり
初投稿です。
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