初めてのVRMMOキャラクター設定!①
目を開けると、見渡す限り草しか見えない草原の真ん中に立っていた。風の流れの感じ方、草木の香り、太陽の陽の差す当たり具合までしっかり再現されていた。ここがゲームの中であることを忘れさせてくれるぐらいのクオリティであった。
呆然としていると、背後から何かの気配を感じ柚月は振り返る。
「ようこそ、『illusion Fantasy ONLINE』の世界へ!」
そこには、天使の羽が生えた小さな女の子がいた。
「本日、柚月様のチュートリアルを担当させて頂きます、チュートリアル専用NPCのシリアルナンバー098番です。どうぞよろしくお願いします!」
そう言うとぺこりと綺麗にお辞儀をしてくる。
柚月はひとつ引っかかった。
「ねぇ、あなた名前は無いの?」
柚月も番号で呼ばれていた事がある。だから少し気になってしまった。天使の姿の女の子は少しきょとんとしてたがすぐに理解してこう応える。
「私には名前はまだありません。……よろしければ柚月様が付けてはくれませんか?」
うーん、名前か。僕ネーミングセンスないんだよな…
そう考えながら目の前の女の子を見つめる。目が合うと女の子は頬を少し赤く染めた。なるほど。確かに本物の人間みたいに出来ている。いや、彼女たちが作り物という概念を捨てなければならないな。
「じゃあ、今日からあなたの名前は舞!」
なぜ舞なのか聞かれても自分でもわからない。しかし、舞という名前じゃないといけない気がした。
「まい……うん、今日から私は舞!!」
舞は嬉しそうにその場でくるんっと回った。その光景は昔の自分を思い出す。柚月も名前ができた時は嬉しかったから舞の気持ちはすごいわかる。
「名前をくださってありがとうございます。それではキャラ設定に移りたいと思います!まずはプレイヤー名を教えてください!」
すると目の前にスクリーンとキーボードが出てきた。そこに"ユヅキ"と打ち込む
「ユヅキ様ですね!次は種族をお選びください。」
同じくスクリーンが出てきた。そこにはいろんな種族の名前が載ってた。上から『人族』、『悪魔』、『吸血鬼』、『エルフ』、『ドワーフ』、『龍人』と書かれてた。種族によってステータスが多少変わるらしいがユヅキは迷わずに人族を押した。
「人族ですね!では次にお待ちかねのキャラクターメーキングです!現実モジュールでもよろしいですが最低1箇所は変えてくださいね!」
スクリーンに今の自分の姿が映りだす。みんなはここと次のステ振りに時間をかけると聞いたがユヅキは見た目はどうでもよかったので、目の色と髪の長さだけを変えることにした。ちなみに現実世界での姿は、髪の色は銀髪で腰ぐらいまで伸びていて、目はエメラルドグリーンの色をしている。よく女の子と間違えてしまう。ゲームの中でも髪は伸びるらしいのでとりあえずセミロングぐらいのして目の色は厨二っぽく赤にしてみることにした。衣装はめんどくさいのでおまかせにした。
「キャラメーキングでおまかせを使う方初めて見ました……では次にステータスを振ります。ご存知かもしれませんがこの世界のステータスは現実世界の経験が反映されます。つまり現実世界できることはここでも出来るという事です!ちなみに人族の冒険者の平均はこの様になっています。」
目の前に出てきたスクリーンにはこう書かれていた。
体力HP:1500
魔力MP:1200
攻撃力ATK:818
防御力DEF1211
力STR:500
耐久VIT:750
器用さDEX:500
敏捷性AGI:500
素早さSPD:457
知性INT:500
精神MND:86
運 LUK:32
魅力 CHR:56
「それではユヅキ様のステータスを反映しますね...出まし……え?」
柚月:「よく女の子と間違えられるんだよな。」
よにゃ(作者):「柚月は普通の女の子よりも可愛いからね〜」
雫:「……うん、可愛い。」
柚月:「男の僕が可愛いわけないでしょ。そんな事言ったら全国の女性に失礼でしょ!」
よにゃ・雫:「「……」」(こいつ自覚無いのか!!)
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