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Blade And Hatchetts  作者: 御告げ人
第二章 ─排斥─
46/59

破砕

敵拠点である

廃工場の目の前に着くと、

オーグを発見した。

走って行くと、オーグもこちらに気付く。


「ワイズ、刺客にてこずったか」


「まあな、

変なオッサンだったよ。

そっちは?」


「ああ、案の定 ()ったが

殴り飛ばして壁に伸しといた」


さすがオーグだ。


この会話の間にも僕たちは、

せっせと火薬と導火紐の準備をしている。

オーグが出した案だが、

入り口が一ヶ所であるこの建物の

この分厚い壁を大量の火薬で

吹き飛ばそうという作戦である。


ホワイト・アウトの任務で

よく使われている火薬は全て、

このオーグが一人で作っている物だ。


昔、巨躯(きょく)な岩石男なる者を

この火薬だけで倒した記憶がある。


今はスジャに携行してきた物しか無いゆえ、

今は数が少ないが、

この量なら易々壊せると言う。



導火紐の接続を確認した僕らは

火薬からだいぶ離れてから

小火の魔石に魔力を込めた。

紐から火薬まで火が走る。


火薬まで到達から一秒余って次の瞬間。

大きな破壊音。

それと共に、男のものの絶叫。


そこに転がりたるは、

床一面に広がる赤───。

男の肉片や首の取れかけた胴体。

吹き飛ばされた工場の壁に混ざって、

座り込んでいる女の姿を見つけた。


ヘイズの義母か。

しかし様子がおかしいと見えたのは、

義母が娘の方向を見て震えていたから。



娘の方向────?

そちらを見て僕は目を見開いた。



僕は、見慣れた黒髪で

ツインテールの背の低い女の子の方を見た。

その姿には、

今までの元気さや健気さが見られなかった。

作戦決行時には確実に無かった、

何者かへの殺意がこもった目がそこにあった。

そしてその目は今、あろうことか

闖入者である僕だけに向けられている。

沢山浴びた返り血が黒ずんでいる。


直ぐ様状況察知した僕は、

この中に生きているのは

ヘイズとその義母、そして

たった今壁を吹き飛ばして

入ってきた僕とオーグだけだったと気付く。



改めて床を見る。

.....これ全部ヘイズが殺したのか?

僕は斬り伏せ方は教えたけれど、

"殺し方"までは教えていない。

せめて僕たちが駆けつけるまでの

防御方法だけだ。




そこに転がっていたのは、

普段僕が単独任務で

相手しているような、


それも今まで生活だけしてきた人なら

一蹴さえも出来なさそうな精鋭。

殺しを生活としている僕らが

まともに()り合える奴らが、

ズタズタに引き裂かれて

そこらに転がっている。


これらの傷は僕の渡したカタールで

つけられたもので間違いない。となると、

これら全ては────


──────本当にヘイズが殺ったのか?



僕が顔を上げた瞬間、


刀も抜いていない棒立ちの僕の目前に、


.............カタールの鋭利な刃が迫っていた。

To be continued.........

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