足止め
Blade And Hatchettsに続き、
新作小説:Three Point Five
今日から始まります。
お時間が宜しければ、
是非 新作もご覧下され!
意味は....御察しの通り、
3月5日に投稿してるからですね。
では、お話の始まりです。
これはひょっとして作戦がバレてるのか?
それたもただ、
こいつらが強襲され慣れてるだけなのか?
判らない。
ただ、今はこいつを早く斬らないと
ヘイズが危ないという事は判る。
オーグは........恐らく心配ないが、
僕のように、
変なやつに絡まれてる可能性は十分にある。
だから鉄は早い内に、だ。
刀を地面と平行にして、
敵の動きに合わせて振り抜くか?
だが、華麗な動きで避けられてしまうだろう。
速い。
軽装と呼んでいいのか迷い所だが、
スパッツ一丁裸で筋肉質のオッサンが
キメ顔で僕の周りを走り回っている。
この異様なシチュエーションに対しての
反応ならラガルにお任せなのだが、
何せ僕には抗体がない。
──だからせめてもの反応として、
────────こいつを斬ってやろうか。
音高く鞘から刀を抜き放つと、
僕は左足を後ろに引いて腰を低くし構える。
右片手上段の構え。
薄目を開けて呼吸だけをする。
相手の動く音をよく訊け。
いつもの戦闘を思い出せ────。
時間だ、相手がどのタイミングで
僕の間合いに入るかを時間で割り出すんだ。
そう、相手は僕に何もしてこないが、
近付いてきて間合いに入られたら
もう斬られると自分に思い込ませるんだ。
────間合いに入る前にこいつを斬る。
薄目のまま相手を見てみた。
こいつも僕が
斬ってくるのを狙って待っている───?
動きにはばらつきがあれど、
その中には、明らかに大きく
こちらに接近している間隔がある。
多分、たまに接近して挑発してきているのだ。
それはつまり、
この刀の描く軌道から
間合いを推測するということか。
であれば一撃で斬らねばならないな。
次撃からは易々避けられるのだろう。
それではもう、
一撃必殺の武器であろうが
当たらなければ特性に意味がない。
口を開いて静かに、
「これが本当の駿足だ....!」
目を開く。
その一撃が繰り出す一歩は340sn。
右足で地面を思い切り踏み込むと同時に、
身体を地面に近付けるほど倒して、
左足をバネのように伸ばす。
空中で、
刀を振り上げるように
敵の頭上に掲げる。
ギリギリまで相手に
この一撃だけだと悟らせる。
案の定、
相手は僕の先を避けにかかった。
もしかすると、
この時点で僕の攻撃は読まれたかも知れない。
だがここからがこの技の真骨頂!
後だし。
上に振り上げていた刀を
下へ振り抜く寸前で、
直ぐさま 右横斬りに切り替える。
「...!?」
初めて相手の表情が変わった。
これは決まったか.......?
僕の振る
重く細く鋭い刀身が敵の腹に────
敵はその身のこなしで、
ギリギリ屈んで避けた。
「.....お見事」
僕に言ったのだろうか?
まあ、ここには僕しか居ないが。
はてさてもう手の内が無い。
刀を握り直す。
そして、
一気に間合いを詰めるべく、
右足を思い切り踏み込んで
猛スピードで斬りにかかる。
一撃一撃を大切にしている
暇はもうあまり無い。
だから一撃目よりも二撃目を、
より正確な位置で捉えよう。
踏み込みから突き。
敵は当たらまいとして、
それを避けようとする。
僕は刀の軌道を完全に切り替えつつ、
少ない動作で縦斬りに変えた。
その時間、わずか0.1秒。
敵は驚き顔を上げてから
慌てて身体を後ろに倒すが───
─────それが限界のはずだ!!
「...........!?」
僕は余裕ある足さばきで
体勢を立て直すと、刀を目一杯引き絞る。
一撃が避けられそうなら、
連撃するまで。
相手の足はもう直ぐほつれる。
その瞬間を狙って右手を
相手の心に撃ち出す。
突きを一閃して右手を引き絞り、
今度は二閃してまた引き絞ると今度は三閃。
思い切り引き絞って、高速で四閃突くと、
息を大きく吸って
もう一度光速の四閃。
最後の一突きは息を吐きながら、
「ヤアアアッ!」
左胸の下あたり、連撃跡から一際血が
溢れているところ目掛けて光速の一突き。
そのスピードのまま刀を抜いて、
減速しながら相手から遠ざかる。
倒れた相手を確認して、
僕は刀を納めた。
街灯のようなものが見え始めたのを確認、
直ぐ様 それが拠点だと判る。
僕はまた闇に紛れて拠点まで駆けて行った。




