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Blade And Hatchetts  作者: 御告げ人
第二章 ─排斥─
43/59

great org

ヘイズが今にも

泣きそうな顔で(うつむ)きながら言った。


「奴隷商を営む義父が、

あろうことかお義母(かあ)さんを

売ろうとしてるです。

お願い....お義母(かあ)さんを助けて?」


ここで一つ知っておくべき事は、

オーグはヘイズの義母を恨んでいることだ。

義母であれ、保護者。

そいつが自分の友を満身創痍になるまで

痛め付けたのだ。

義母はオーグを知りもしないが、

奴隷商に抗いもしないで

ヘイズに暴力を振るった義母を

知るオーグは少なからず、

殺したいとさえ思っているだろう。


友人を何よりも大切に思ういい男。

素直で単純かつ純粋。

だが一方向について行動を起こした時、

誰よりもポジティブに、

誰よりも真剣に向き合える凄いやつなのだ。

かつて父を戦争で(うしな)った哀しみが、

今尚も前向きにその心を強く突き動かす。

逆境であるほどどこまでも、

高みに手を伸ばし、強くなれる凄い男だ。


───愛すべき僕の唯一の親友。



今にも泣きそうなヘイズの問いに、

オーグは今尚 俯いて黙っているままだ。


「僕は、ここで決着を付けようと思う」


ヘイズがゆっくりとこちらを見て、


「つまり.....?」


「君の義父の首を斬る───」


オーグが顔を上げてこちらを

見たと同時にヘイズが視線を下げた。


「僕は斬るしか出来ないが、

それでヘイズが助かるなら───

義母を守れるのなら、そうしよう」


この刃は愛しい妹の為に。

そして、親友の因縁を断ち切る為に。


僕は言い切ってからオーグを見る。


その瞳には、

ヘイズの義母を守る

意味が本当に有るのか?と、

思惑が浮かんでいるようにさえ見える。


僕は単純に、

一回だけオーグに小さく頷いた。


するとオーグは────


───────笑った。



「しゃあないねぁ。やるか」


「ヘイズの義母を守れ───任務開始」


「おう!」


ヘイズは涙を拭いて、

テーブル向かいのこちら側に

回ってきて僕にしがみついた。

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